先週末、静岡へ行ってきました。
中学時代の同級生の結婚式へ出席するのに合わせて行ったのですが、11月に伐採する山の下見と打ち合わせをするためです。
(結婚式では懐かしい面々に会うことができました。
友揮、加奈子さん、おめでとう!)
上の写真は、11/3から伐採を行う現場です。
ここは僕の曽祖父が植えた山だそうで、植林後約90年経過している山です。
今回伐採してくれるのは僕の従兄弟なので、木を植えてから伐採するまで4世代に渡って手をかけていることになります。
(曽祖父→祖父→叔父→従兄弟の4代)
今回は皆伐(※)するのではなく、間伐(※)を行って木材を出すので、まだ今後も残った木は生長し続けます。
従兄弟とは、
「これからきちんと残していって、200年生ぐらいの山に育ってくれたらうれしいね」
ということも話しました。
(※) 皆伐/かいばつ・・・立っている木を全部伐ってしまうこと
間伐/かんばつ・・・木を残しながら間引き伐採をしていくこと
山で拾った杉と桧の葉っぱです。
立体的に葉が生えている左の葉っぱが杉。
茶色い実がついていてぺたっとした平面的な右の葉っぱが桧です。
(全ての画像はクリックすると拡大表示できます)
上述の山とは別の場所ですが、静岡市内のもう一ヶ所の山で今回同時に伐採します。
その山も今回見てきました。
この山の土壌は栄養分が高く、うちの従兄弟の山よりも育ちが早い環境でした。
土壌の違いに起因するものでしょうが、おなじ静岡市内の杉とはいえ、樹芯の色が全く違っていたのが興味深かったですね。
冒頭でご紹介したうちの従兄弟の山は安倍川(あべかわ)流域の谷にあるのですが、こちらの山は藁科川(わらしながわ)流域の谷にあります。
藁科川流域の杉は夏に見学に行った、天竜杉の色にそっくりでした。
一山超えるだけでこんなに違うものかと驚きました。
これは枝振りがとても美しい桂の木です。
川のそばの生態系を守る目的で整備している水辺林(みずべりん)という林の入り口に立っています。
この水辺林を川に沿って少し上っていくと、山葵田(わさびた)がありました。
下がその写真です。
山葵田というと、「田んぼのようなところか?」と思われそうですが、実際はそうではありません。
サワガニが大喜びしそうな、チョロチョロと浅い水が流れる川床を細かい砂利でつくってやり、そこにわさびを植えている畑という感じです。
この山葵田にもサワガニが顔をのぞかせていました。
静岡市内の山中では山葵田を割とよくみかけますが、他の地域ではなじみが薄いでしょうね。
僕は静岡出身(かつ山葵が大好物)なので、山葵田を見るとうれしくなってしまいます。
実は、僕は7年前(西暦2000年)に独立した当初から、
「家を建てる建築主の方にぜひ山で木を伐るところから立ち会っていただいて、その木を使って家を建てたい」
と考えていたのですが、7年かかってようやくそのプロジェクトに着手できるようになりました。
そして今回伐採する木材は一般的にはほとんど知られていないのですが、質がとても良い木材なので自信を持ってお奨めできます。
( ↑ 当然、数には限りがありますが)
もっと広く、静岡の良い木材をみなさんに知っていただきたいという気持ちと、あまり有名になりすぎてもたくさんご提供できないので秘密にしておきたい(笑)という気持ちが入り混じっていますが、見ていただければその良さは一目瞭然です。
現場に来ていただいた方にはきちんとご説明しますのでどうぞお楽しみに。
下記サイトでお知らせしているように、新月伐採の現場を見学していただける機会を設けていますが、今回の見学会に関しては正直あまり力を入れて宣伝しておりません(笑)。
なぜなら、実を言うと本当に大切にしてくださる方だけにしかご紹介したくないものだからです。
今回も、京都からわざわざクライアントのNさんが静岡の伐採現場まで足を運んでくださるのですが、Nさんがゆっくりと林業家と話をしてもらえる時間もとりたいので、その日はNさんだけをご案内することになっています。
( ↑ 見学会とは別の日です)
なんだかすごく贅沢なようですが、年間2棟分しか採れない木を使っていただくのですからこれは当然のことです。
きっとご満足いただける、かけがえの無い家をご提供できると自負しております。
今年伐採する木材はあと一棟分残っておりますので、興味のある方はどうぞお早めに。
【お知らせ】
11/3(土・祝)に静岡市の山で
新月伐採現場見学会を開催します。
詳しくはこちらをご覧下さい。
(株)木造建築東風のサイトはこちら
世界に、300年先も美しい風景を