9/24(月)に、京都市内で住宅の新築を計画しているNさんに設計図のご提案をしました。
2週間前に、Nさんが家に望まれる機能やご自身のライフスタイルなどをじっくりとうかがった上で、
【 夫婦二人で、1階も2階も含めて一軒の家を丸ごと使う 】
【 プライバシーを確保しない、あいまいな間仕切りの大きな空間 】
というコンセプトを引き出し、それに沿ったプランを作成して24日にご提案しました。
Nさんは他社(←うち以外)にも建築図面の提案を依頼されて比較検討されたようですが、当方の提案は異色で大胆だったらしく、うちの図面を見たときは驚かれたようです。
でもね、建物全体の形はすごくシンプルで真っ四角の平面形ですし、外観も京都らしい切妻屋根のこの上なくおとなし~い姿なんですよ。
だから、外見や色・形が大胆だったわけでは決してありません。
(プライバシーの問題があるので、平面図は公開できません。)
で、Nさんにズバっと言われてしまいました。
「今日のプランを見るとお日様の匂いと木の匂いがしてくるようでした。
私達がついつい考えてしまう些末なことを
すっぽり「ええやんか」と包んでくれるような。」
(「」内はNさんのメールより抜粋)
う~ん・・・(苦笑。これまでのクライアントのみなさまの爆笑が聞こえるようです)。
良くも悪くも、僕の本質と限界を捉えられています。
しかもこれは図面を見た感想ですよ。
僕と話をした感想ではありません。
でもどちらかというと嬉しかったですね。
僕はうちに問い合わせをしてきてくださる方みなさんに、下記のようなことをはっきり言います。
「うちだけを見て決めるんじゃなくて、よそと比べてみて下さい。」
「いろんな建築家の話をきいたり、建物を見たりした上で、最終的に誰に頼むか決めて下さいね。」
「僕以外にも、もっとあなたに合う人はいるかもしれませんよ」
と。
こう書くと、
「なんやこいつは自意識過剰か?」
と捉える方もいらっしゃるかもしれませんが、これは別に自分に自信があって言っている訳でも何でもありません。
上記でNさんが書かれている通り、僕自身の個性と限界はちょっとはわかっているつもりです。
ですから、僕のような考え方の建築家とは合わない方の方が絶対に多いのです。
( ↑ 絶対そうです。断言できます)
だから、ちゃんとよそと比べてみて下さいね、と言っているわけです。
こういうことを言わない建築家や工務店の方はきっと多いのでしょうね。
ですから僕がこんなことを言うと、最初は大概驚かれます。
「実はこいつはやる気が無いんじゃないか?」
と感じる方も多いでしょう。
でも、もう一回言います。
ちゃんといろんな人と比べて下さい。
そうすると、あなたには下記のようなメリットが出てきます。
〇 最終的に決めた人との関係が良好になります
(あれだけ比べたのだから、この人に依頼したことは
絶対に間違っていなかったと信じることができます)
〇 家づくりにかける自分自身の姿勢が変わります。
考え方がブレにくくなります。
〇 後悔する機会が格段に減ります。
だから無駄なことで悩んだりして時間をロスすることや心労が減ります
こういうことは、家づくりのパートナーを選ぶ際、きちんと熟慮していなかった場合によく問題となる事柄です。
そういうケースを僕はこれまでにもよく見たり聞いたりしていますが、はっきり言ってしまうとこれらのほとんどは専門家としての技術的・能力などの欠如が問題ではなく、お互いのコミュニケーションや相性に端を発した問題なのです。
そんなことで苦労したりしたくありませんよね。
だから、あなたにはちゃんと比べてみてもらいたいのです。
その結果、僕が選ばれなかったとしても、それは別に悔しくありません。
むしろお互いにとって良い結果だと思うのです。
と、僕は考えています。
Nさんは今回の僕の提案や僕の建築に対するスタンスを気に入って下さったようで、今回はNさんの家づくりのお手伝いができそうです。
「さとうさんに頼んでよかった~」と最後に思っていただけるようにがんばります。
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