月別アーカイブ: 2007年3月

このところ現場を駆けずり回っていて、机の前に座っている時間が思うようにとれずブログの更新も滞っています。
いつも楽しみに覗きに来て下さるみなさま、すみません。
能登で震災の被害に遭われたみなさまには、心よりお見舞い申し上げます。

早いもので、もう3月も終わりですね。
今年も1/4が過ぎ去ろうとしています。



しかし、本当にあたたかくなりましたね。
あまり急なので、なんだか少し気持ち悪い感じさえします。

先日、京都市内の現場へ行った折、きぬかけのみち(京都市右京区)の龍安寺周辺を走っていると、桜が3分咲きといったところでした。
僕が住んでいる伊丹では、昨日になってもほとんど花開いていなかったのに、京都の(しかも北の)方が早いなんて、なんだかヘンですね。

社会人になると、3月から4月への移行で大きな変化を感じることが少なくなりますが、この時期にちょうど桜が咲いてくれるのはとてもありがたく感じます。
満開の桜がなんだか気分を入れ替えてくれるからです。

僕は思春期を札幌で過ごしましたが、札幌では桜が咲くのはGWです。
札幌では3月末は道路の雪がなくなって、路面の至る所が水たまりになることでやはり春の到来を感じることができるのですが、街中が満開の桜であふれかえっている光景を目にした時のような高揚感を感じることはできません。

この時期の桜のはかなさ・美しさは、生活環境(職場・学校など)の変化の時期が重なることで、毎年大きな季節の転換期を感じさせてくれます。
自分が日本人でよかった、としみじみ感じられる季節ですね。
この春から新しい環境での生活が始まるみなさん、がんばってください。
応援しています。

僕も4月からは新しいPCを導入して(←まだ梱包に入ったまま・・・)新しくもう一つ机を構えることになりましたが、どんな机にしようかと思案中です。
怒涛のようなスケジュールの3月が過ぎ行くことに少し安堵感を憶えつつ、今は満開の桜を楽しみに待っています。



【お知らせ その1】
能ってナニ? あなたはご存知ですか?
4/1(日)に大阪でイベントを行います。

【お知らせ その2】
伝統構法の家 完成見学会を4/8(日)に行います。

当方のサイトはこちら(↓)

あなたはどちらが好きですか?
30年後に「そろそろ建て替えようか・・・」と言われる家、と
「200年前のおじいちゃんが建てたの」と2207年に言ってもらえる家
 

床板の塗装

昨日(3/24・土)、西宮で施工中の現場でクライアントのMさんと一緒に床板の塗装を行いました。

前日(3/23・金)に長野県から届いた唐松のフローリングに、桐油と亜麻仁油を混ぜた油を塗っていくのですが、40坪分の床板はかなり強敵です。
3人がかりで1日中取り組みましたが少し残ってしまいました。

うちで使っている唐松のフローリングは、有賀製材所という長野県伊那市の会社が作っているものですが、一般にインターネットなどで購入できる他社のものと比べると色合いが全然違います。

今回床板を運んでくれた有賀製材所のスタッフの方と、荷降ろしが終わった後色々話していて、なぜ違うのかを教えていただいたのですが、有賀製材所さんではできるだけ天然乾燥させた後、ほんの少しだけ人工乾燥をかけて仕上げるようにしているから、とのことでした。

唐松に限らず、杉や桧でも人工乾燥の際の設定温度の高さや、人工乾燥にかける時間の長さによって、仕上がる木材の色や風合いが変わってきますが、木材の自然な風合いを大切にしたいという有賀製作所さんの思いを感じてうれしくなりました。

塗装作業が終わってから、クライアントのMさんからメールを頂きました。
塗装作業をご自身でやってみて、ぜひこのような家づくりのための作業に息子さん達(5歳と2歳)も参加させたいと感じられたそうです。

「これは僕がやった」と子供達自身が思えれば、きっと彼らもこの家を大切にしようという気持ちになるだろう、と。

それを伺って、またうれしくなりました。
昨日行った塗装作業は、とても単調で腰の痛くなる重労働なのですが、それを体験した上で上記のように言っていただけるというのはありがたいことです。

やはり建築家としては、自分が設計した建物を大切に使っていただけることが何よりもうれしいことですからね。

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4/1(日)に大阪でイベントを行います。

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伝統構法の家 完成見学会を4/8(日)に行います。

 

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世界に、300年先も美しい風景を

新月伐採-2 木を山から出しました

梅ヶ島-4

←杉の年輪です。美しいでしょう?
 クリックして拡大写真をご確認下さい

3/19(月)に、静岡へ行ってきました。

昨年秋(11/21)に新月伐採をし、その後4ヶ月間にわたって山で葉枯らししていた杉の木を山から出すためです。

ここで書きたくてしょうがないネタをた~くさん仕入れてきたのですが(一部は企業秘密)、それはメルマガの読者のみなさんと、これまでにお問合せいただいたみなさまへのプレゼントとして来週月曜日にお届けすることにしました。

もし興味のある方はこちらからメルマガ購読(無料)をご登録ください。

と、ここで今回の記事を終わらせてしまっては、せっかく読んで下さっているあなたに失礼だろうと思うので、さわりだけご紹介します。
(全ての画像はクリックすると拡大表示できます)

梅ヶ島-1

←4ヶ月間、葉枯らしした杉
 先端に枝葉が付いているのが
 見えますか?

梅ヶ島-2

←キャレージで山から下ろす

梅ヶ島-3

←玉切り作業

来週月曜日のメルマガ配信をどうぞお楽しみに。
(ちょっとイジワルかな?
 でもそのぐらいの差別化はいいですよね)

ちなみに、メルマガ(まぐまぐ発行)を登録してもらっても、あなたの名前やメールアドレスはこちらでは把握できないので、
「匿名で、しかし情報だけは欲しい!」
という方(笑)も遠慮なくご登録下さい。
大歓迎です。

【お知らせ その1】
能ってナニ? あなたはご存知ですか?

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能ってナニ?

日本の伝統芸能である『能』について、あなたはどんなイメージや知識をお持ちですか?

恥ずかしながら、僕はほとんど知りません。
背景に松の絵が描かれた能舞台の上で、能面を被った俳優(?)が難しそうな踊りを披露する・・・という程度の知識しか持ち合わせておりません。
(→非常にハズカシイ・・・)



でも、そこにはいろんな理由があるそうです。

○ なぜ能面を被るのか?
○ なぜあんなたいそうな衣装を身に着けて舞うのか?
○ 謡(うたい)とは?
○ 能のルーツとは? 


このような能に関する基本的な事柄について、実際に能を舞われる方がわかりやすくお話と実演をしてくださるシンポジウムが、4/1(日)に大阪で開催されます。
主催はNPO法人・日本民家再生リサイクル協会(JMRA)。


―――――――――――――――――――――――――――――――
JMRA創立10周年記念シンポジウム~『伝統芸能“能” と古民家の暮らし』


【日 時】 4 月1 日(日) 雨天決行
【場 所】 朝陽会館(大阪市北区天神橋1 丁目17-8) 地図参照
       当日は直接現地にお越しください。
【参加費】 JMRA会員2,000 円 JMRA会員外(一般)2,500 円
        ※ いずれも現地で集金
【募 集】 80 名 3 月26 日締切(定員に達し次第締切)


13:30~15:00 講演「伝統芸能“能”」のオハナシ 
         講師: 上野朝義(朝陽会館館長)


15:10~17:00 座談会「古民家に暮らして」住まい手のホンネ
―――――――――――――――――――――――――――――――


シンポジウムは2部構成になっており、上述の能に関する講演はこのイベントの前半に行われます。
後半は、古民家を再生した住宅に住まわれている4名の方をお招きして、古民家再生の実際について住まい手の本音をお聞きする座談会が行われます。
それはまた次の機会にご紹介しますね。


このイベントに参加してみたいと思われた方は、NPO法人・日本民家再生リサイクル協会近畿地区のホームページをご確認下さい。
たくさんのみなさまのご来場をお待ちしております。

土壁の味

昨日、四条畷市内の現場【木曽のみんながつくってくれる大阪の家】へ行ってきました。

現在は、左官工事の仕上げ段階です。
内部の壁はほとんど仕上がりました。
あとはゆっくり乾燥を待つだけです。

中塗仕上

まだ全然乾いていないので、発色は最終的な色と異なりますが、
土壁独特の質感はとってもいい感じです。
やはり化学建材(珪藻土やじゅらく)の塗り壁とは比べようもありません。
(画像をクリックすると、拡大して質感がご確認いただけます)

ちなみに、全体の外観はこんな感じ(↓)です。

外観

完成見学会(4/8・日曜日)へのお申込みお待ちしております。
詳しくはこちらからどうぞ。

 

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西宮市M邸 上棟

このところ、ブログの更新が滞ってしまいました。
いつも楽しみに訪問して下さっている皆様、すみません。
(ついでに、メルマガの配信も随分長い間滞っております。
 重ねてお詫び申し上げます)

3月に入ってから、スケジュールがメチャメチャタイトになっており、今後もしばらくこのような状態が続くと思いますがご理解頂ければ幸いです。
合間を縫ってできるだけ頻繁に更新していきたいと考えておりますが、なかなか至らないと思います。

M邸屋根

 

今週月曜日から、西宮市内のM邸で上棟を行いました。
月曜日の雨に打たれて予定が崩れましたが、なんとか無事に棟上げが完了し、現在は屋根仕舞の工程に移っております。

今回は構造材に宮崎県の杉を使った、都市型2世帯(3階建て)住宅です。

上の写真は3階の大屋根を見上げたところです。
屋根の垂木(たるき)や母屋(もや)、梁などは全て化粧材で、仕上がった後も室内に見えてきます。

使っている木材には節も多く、決して贅沢な材料ではありませんが、太い無垢の構造材をそのまま見せた意匠として 【木の家】 を表現しています。
上記の画像をクリックしていただければ、そのあたりもよくおわかりになっていただけると思います。

構造見学会を行うかどうかは未定です。
(↑今後クライアントとも相談しますが、なかなか時間が取れず難しいかも・・・)

近隣のみなさまには、工事中大変なご迷惑をおかけいたしますが、ご理解とご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

【お知らせ】
3/11(日)に伊丹市で民家のセミナーを行います。詳しくはこちら

【お知らせ その2】
4/8(日)に四条畷市で完成見学会を行います。

 

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中塗切返し仕上

大阪府四条畷市内の現場【木曽のみんながつくってくれる大阪の家】では、現在内装壁の仕上げ工程が進行中です。
壁は珪藻土などの化学樹脂製品(※)ではなく、純粋な土です。
最近一般的に用いられているジュラク壁(※)でもありません。
土とスサと水だけで練った土です。

※一般に広く誤解されているように思いますが、左官仕上材として販売されている珪藻土や建材メーカーが販売している上塗用じゅらく壁と言われるものは、ほとんど全てが樹脂(のり)で固めるものです。
土ではありません。
珪藻土自身には水で固まる性質はありません
(↑だからのりを混ぜるのです)。
本物の土を使ったじゅらく壁は、水捏(ご)ねじゅらくと呼ばれるもので、質感が全く違います

今回は全ての部屋を中塗切返し仕上げという壁にして、どこにも上塗りは施しません。
細かい目のふるいを通した中塗土と水とスサだけを混ぜ合わせた材料で仕上げます。

中塗切返し仕上げで納める現場は昨今本当に少なくなりましたが、土本来のマットな味わいがとてもいい具合で、珪藻土や化学じゅらくでは太刀打ちできない、落ち着いた本物の質感が出ています。

余計な物を加えずに素材の持つ力と美しさを素直に活かす、ということが建築をつくるものの務めですね。
これは建築だけではなく、料理などでも一緒ですが。
4/8に行う完成見学会でそのあたりも見ていただければ幸いです。

【お知らせ】
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仕上

【 木曽のみんなが作ってくれる大阪の家 】が仕上がってきました。

昨日は外部足場解体前の外壁最終チェックのために現場へ行ってきました。
月火の2日間で外壁の吹付を行ったのですが、塗装屋さんがとてもていねいに養生をしてくれたおかげで、非常にいい仕上がり具合でした。
(もちろんその後すぐに塗装屋さんにお礼の電話を入れておきました)

外壁が終わると建物の雰囲気がガラッと変わります。
それまでは粗野な男性のような表情をしていた建物が、きれいにお化粧をした女の人に化けたみたい(笑)です。

今回の建物は、屋根の高さ・構成など全体のプロポーション構築にもかなり気を使いました(っていうか、僕は屋根の高さには毎回メチャメチャ気を使うんですけどね)が、それを支えるディテール(各部の寸法・木割)がきちんと活きていてなかなかいい雰囲気になりました。
写真では絶対にわかりませんが、いい緊張感が出ていると思います。

興味のある方は4/8(日)に開催する完成見学会へどうぞお越しください。
建築業界の方も大歓迎です。
詳しくはこちらをご覧下さい。

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