月別アーカイブ: 2007年1月

西宮で工事が始まりました

先週から、西宮市内で3階建て住宅の新築工事に取り掛かっています。
昨日は基礎の鉄筋検査を受けました。

鉄筋もきれいに組むとなかなか美しいものです。
今回は初めてお付き合いする鉄筋屋さんが組んでくれたのですが、シャンと背筋が伸びた感じで気持ちのいい仕事をしてくれました。

うちで設計する建物の基礎は、
1. 床下の通気を良くする
2. 後々のメンテナンスをしやすくする
ために、立ち上がりを極力減らしています。

そのため、ベース筋をシングル配筋(←1段のみ)ではなくダブル配筋(←2段組)にしたり、ベースの厚みを通常の150ではなく200にしたりという補強が必要になることがあります。
この現場はダブル配筋×ベース厚200mmになりました。

(株)木造建築東風のサイトはこちら
世界に、300年先も美しい風景を

がんばれ!

兵庫県西宮市に本部を置くNPO法人・アメニティ2000協会
すごい活動を計画しています。

六甲山にあるヴォーリズ設計の六甲山荘を、
ナショナルトラスト活動として2000万円で買取り、
保存・再生しようというものです。

僕も数年前にこの協会の活動に参加していましたが、
現在はすっかりごぶさたしています。
(清水さん、長瀬さん、すみません)



この計画、ハードルはとんでもなく高いと思うのですが、
「それでもやるぞ!」
と宣言してしまうところが素晴らしい。
感服しました。
がんばれ!
っていうか、僕も頑張ろうっと。

興味のある方は、ぜひこちらを見て下さい。

再読

安藤忠夫の本


 


 


 


 


 


年末年始に本を数冊読みました。
一番面白かったのは、東野圭吾の『手紙』だったのですが、
それはまた後日改めて書評を書くことにします。

今日はその中の1冊、安藤忠雄氏の『連戦連敗』について。



この本は2001年に発刊された本で、発売当時にすぐ買いました。
しかし、なんと絶妙なタイトルなんだろう・・・とつくづく感心します。

だって、安藤忠雄が『連戦連敗』ですよ?
そんなの、誰が見たって
「なんで?」
って思いませんか?

いやぁ、商売うまいなぁ、と感心しますね。
(↑感心するところがちゃうやろ!)

でも、内容を読むと、確かに・・・と納得しますが。



この本、僕は非常にいい本だと思います。
今回は再々読(つまり3回目)なのですが、学ぶ部分はいろいろありました。



実は、安藤さんのことをあまり良く言わない人は建築業界でも多いです。
でも僕は、彼を非常に高く評価しています。

彼の一般的な経歴を見ると、「独学で建築を学び・・・」といつも書かれていますが、実は彼は故・西澤文隆さんという建築家に付き添って日本の古建築をひたすら見学・実測していたそうです。
(↑当時同行していたという、僕の知人・Nさんから聴きました)

西澤さんという人は、主に現代建築を手がけられていましたが、木造建築にもものすごく造詣の深い方で、僕も一度でいいからお会いしてみたかった人です。
(↑実はうちの事務所のすぐ近所に、西澤さんの自邸があります。
  西澤さんは伊丹市民でしたから)



安藤さんの手法や考え方、寸法の使い方を見ると、古典に学んだ痕跡がよく現れています。

確かに、安藤さんの手がけた木造建築は、ちょっと・・・と思いますが(笑)、本質的に建築を捉える姿勢においては、当代随一ではないかと僕は勝手に思っています。

この本を読むと、安藤さんのバックボーンや考え方がよくわかり、興味深いです。
そして、これから自分が読むべき本や、見なくてはいけない建築のことなどもこの本はいろいろと教えてくれます。

もっと勉強しないと。

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謹賀新年

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。



昨日(1/2)実家から帰ってきて、たくさんの皆様からの年賀状を頂き、うれしく拝見しております。
送ってくださった皆様、どうもありがとうございました。

帰路、上野から東京駅へ向かう山の手線内で、京都の寺院の冬の特別公開のポスターを見かけたのでご紹介します。

公開時期は、2007年1/13(一部1/15)~3/18の間で、特別公開されるのは下記の11ヶ所です。

  大徳寺 真珠庵
       聚光院


  妙心寺 麟祥院
       玉鳳院
       龍泉菴


  東福寺 龍吟庵
       浴室
       東司


  東寺  五重塔
       観智院
       小子房

それぞれの見どころはこちらのページに紹介されていますので、興味のある方は参照なさってみてください。
僕もこの中から、大徳寺真珠庵、聚光院、東福寺龍吟庵、東寺五重塔・観智院には行ってみるつもりです。



なかでも一番楽しみなのが、東福寺龍吟庵方丈(国宝)です。
日本最古の方丈遺構の一つ(13世紀建立と言われている)と昭和の作庭家・重森三玲の枯山水がどのように対峙しているのか、考えるだけでワクワクします。

重森氏というとちょっと前のアクオスのCMでも使われていたように、岩を立てて使う荒々しい表現が有名です(←僕はあまり好きではないのですが)が、彼はなんと500軒もの寺院などの庭の実測をして自分なりの日本庭園スタイルを確立したそうです。
数年前に、ある勉強会で重森氏の自宅におじゃまして、ご子息(作庭家・重森千晴氏)のお話を聴く機会があったのですが、その時に上記の逸話を聞きました。

当時は、日本庭園というと茶庭のようなおとなしいものが巾を利かせていた(←今もそうですが)中で、室町以前の日本の庭の流れを汲んだ日本の庭とは?ということを自問自答しながら創作活動に向かわれたのでしょう。

伝統をしっかり学んだ上で自分なりのスタイルを確立された彼の姿勢に、僕は深い敬意の念を抱いています。


 


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