先週、僕は静岡市の山奥にあるいとこの家(というか、僕の母親の実家)に行ってきました。
目的はズバリ! 【 山を見るため 】 です。
恥ずかしながら僕は、小さい頃からこの家にさんざん遊びに行っていたにもかかわらず(時には椎茸の菌植付けや収穫などには駆り出されたことがあるのですが)、今の今まで肝心の林業をやっている山に入ったことが無かった(他の人の山には入ったことがあると言うのに!)というフトドキ者だったので、今回初めていとこに頼んで案内してもらったのです。
ちなみに僕のいとこが林業をやっているのは、静岡市の山奥・梅ヶ島(うめがしま)というところで、茶畑がたくさん広がっている深い山里です。
目の前にはこんな風景広がっています
※クリックすると拡大表示できます
いとこの家から植林を行っている山までは、車でひたすらに山道を登っていきます。
すると、山から伐り出してきた木を一旦集める、集材所に着きました。
ここで枝を落としてトラックに積みなおし、貯木場や市場へ運んでいくのです。
集材所から谷を一つ越えた向こう側に、植林をしている山があります。
まずはそこへ向かいました。
※下記の説明をわかりやすくするため、
できれば画像をクリックして別ウィンドウ表示してご覧下さい。
山から伐り出してきた木材を、集材機(上記写真中の青○部分)というリフトのようなもので谷を越えて、集材所まで降ろしてきます。
この写真を撮っている時に立っているのが集材所で、赤丸で囲んだ部分が、谷向こうにある実際に植林をしている山です。
実際に植林をしている山の中の様子
山の中へ入っていくと、ケモノたちの足跡がたくさんありました。
僕が見てもわからないのですが、いのしし、カモシカ、日本鹿、モグラなどなど。
中でも対処に弱っているのはカモシカだそうです。
鹿やカモシカは植えたばかりの杉や桧の苗木の新芽を食べてしまいます。
そうすると、せっかく植えた苗木が枯れて死んでしまうのです。
で、鹿はあまり被害がひどい時には猟銃で撃てるからまだいいのですが、カモシカは天然記念物のため、撃つことも捕獲することもできません。
そこで、カモシカが入ってこないように背の高いネットを張り巡らせて防ぐしかないそうなのですが、そのネットも破って突入してくることもあるそうです。
僕らが山に入ったこの日も、森の中でカモシカが鳴いていました。
(注:泣いていたのではありません。鳴いていたのです)
ところで。
以前、僕が発行しているメルマガ【最低目標200年!古民家にならうこれからの家づくり】で、木曽の天然桧(官材)についてお話ししました。
今回入った山の中で、その官材の卵を見つけましたのでご紹介します。
植林の山では、基本的に80年生くらいに育った木を伐採した後、新しい苗木を植えていきます。
そこで見つけました!
官材(天然木)の新芽です。
その写真がこちら(↓)
※この写真はクリックして、ぜひ別ウィンドウで表示してご覧下さい
でないと、この先の説明がよくわかりません
切り株は伐採したあとの80年生の木。
その上の黄色い○で囲んだ部分が、今年新しく植えた苗木。
この新しい苗木の大きさは、手のひらの1.5倍くらいです。
そして。
よ~く見てください。
切り株の根っこに小さな赤丸で囲んだ芽が2つあるでしょう?
これが桧と杉の天然木の芽です。
以前生えていた80年生の木から落ちた種子や
鳥や虫が運んできた種子から芽が出たものです。
実際の大きさは親指の第1関節くらい。
とても小さな小さな芽です。
見えましたか?
すごーく小さいでしょう?
植林の苗木と比べてもらえれば、その大きさは一目瞭然だと思います。
こんな小さな芽なので、シダ類などの下草が勢いよく伸びてくると、
簡単に駆逐されてしまうんですよね。
そういう激しい生存競争を勝ち抜いて、一人前の木になるのは
ごくごく僅かです。
ほとんどは負けてしまいます。
でもそれを勝ち抜いて大きく育った木は、とても目(年輪)の詰まった強い木に育つのです。
そして、大きく育った植林桧と天然桧の目(年輪)の詰み具合の違いはこんな感じ(↓)です。
左:天然木曽檜の木口 右:植林の桧の木口
ちなみに写っているのは、どちらも僕の人差し指です。
天然木曽檜の年輪が細かすぎて確認できないと思われたら、ぜひ画像をクリックしてみてください
うちのいとこもこう(↓)言っていました。
「こういう天然木の芽を見つけたら、大事に見守ってやるんだ。
そうしてうまく育ってくれたら、近くに植えた植林の苗木を引き抜いて
天然木を伸ばしてあげられるようにする。
そうすると、目の詰まったいい材木が採れるんだよ。」
来週の僕のメルマガでは、今回のこの内容に引き続き、
【 材木市場のセリ値(時価)の実態と、それに踊らされる山の実情 】
についてお届けします。
次回の内容は、必見ですよ!
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(まぐまぐ)
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