月別アーカイブ: 2005年5月

かやぶき屋根の古民家が残るまち、在原をご存知ですか?

あなたは、かやぶきの里・在原(ありはら)をご存知ですか?
びわ湖の湖北にある、滋賀県マキノ町在原というところには、今もなおかやぶき屋根の古民家がたくさん残っている、とても静かなところです。NPO法人・日本民家再生リサイクル協会・近畿地区では、6/19(日)にこの在原を訪ねるイベントを開催します。

今回は、在原の景観に惚れ込んでこの地へ移り住むことを決意された方のお宅におじゃまして、セルフビルドにて古民家を改修しているその経緯や、実際の体験談などについてのお話をうかがいます。
古民家の中で参加者のみなさんでしし鍋を囲みながらのんびりと談笑したり、在原の集落の中をゆっくり散歩してスケッチをしたりして過ごす時間は、きっとあなたの心をちょっと豊かにしてくれると思いますよ。

上記のイベントは、現在下記ホームページにて参加申込みを受付中です。
実際の個人のお宅におじゃましてお話を聞かせていただける機会はなかなかないので、この機会にぜひご参加ください。
定員は15名なのですが、現在7名の方がすでに申し込まれており、お早めに申し込まれることをおすすめします。

NPO法人・日本民家再生リサイクル協会近畿地区
ホームページはこちら!

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http://kinki.minka.gr.jp/

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世界に、300年先も美しい風景を

納豆の意外な実力

土曜日(5/28)に、お好み焼きを食べに行きました。

阪急電鉄・伊丹駅近くにあるよく行くお店ですが、仕事でヘトヘトに疲れきっていたためか、

 

「たまには変わったものを食べてみよう」

 

と思い、一番ユニークなものを選んで発注しました。

それは、ナント!

 

【 納豆ねぎ焼き 】

 

 

 

え~っ!!!

マジで?

おまえ、頭おかしいんちゃうか?

 

って誰かに言われてしまいそう(?)ですね。

僕も半ばシャレで頼んだ(←いつもこんなことをしているわけではありません)ので、多少美味しくなくてもいいや、と割り切っていました。

 

<関西以外の方へ:ご説明します> 

ちなみにねぎ焼きとは、お好み焼きと同じ姿形をしています。

違いは、生地に青ねぎがたっぷり練りこまれて入っていることと、

ソースではなく、しょうゆベースの味付けをして食べることです。

でも、きっと生地の構成がお好み焼きとは少し違うんだろうと思います。

僕は詳しいことは知りませんが。

 

 

 

さて。

その 納豆ねぎ焼き 】が来ました。

食べてみると・・・。

 

 

 

これが意外にいけるんです。

びっくりでした。

もちろん、全部平らげたことは言うまでもありません。

きっと、お好み焼きのように、ソースではなくしょうゆを使い、

しかもねぎが入っている、とういねぎ焼きだからこそいけるのでしょう。

 

そういえば、とその時思い出しましたが、納豆とカレーは合います。

某カレーチェーン店で納豆カレーというメニューがありますが、僕はたまにこれを食べます。

納豆が好きな人にはおすすめします。

納豆がキライな人は・・・やめておいて下さい。←当たり前ですね(笑)

 

納豆恐るべし、です。

キラ(雲母)押しの唐紙と照明 @大阪・適塾

この前の日曜日に、NPO法人・日本民家再生リサイクル協会・近畿地区の主催イベントまちなみスケッチ&フォトハイクに参加してきました。
今回は大阪市中央区の北浜~船場にかけて残る、近代建築を見るのが目的でした。
東京駅の設計者として有名な辰野金吾氏をはじめ、渡辺節氏、安井武雄氏など、日本の近代建築界をリードした、そうそうたるメンバーが設計された建物が実はゴロゴロしていたことにおどろきました。

その中に建つ、緒方洪庵(1810~1863)が蘭学を教えた場所・適塾に寄ったときのことを書いてみます。

 

 

適塾の存在は以前から知っていて、目の前を何回も通り過ぎていたのですが、入ったのは実は今回が初めてでした。
この適塾は、例のお札のオジサン(←そうじゃないやろ!)・福沢諭吉などを輩出し、現在の大阪大学医学部の前身であった(現在の適塾は大阪大学が所有)ことなど、近代日本史が嫌いだった僕にとっては、

 

「へぇ~♪」

 

の連続でした。

 

 

 

まぁ史実はさておき。

適塾の建物は大変手の込んだ品のある造りで、なかなかセンスのある棟梁(←大工)が手がけた様子が感じられました。
全体に少し骨太な感じのする木割りでしたが、そんな中にも各所に繊細さを感じさせるセンスはなかなか素晴らしく、この建物をつくられたのは、きっと名のある方(大工)だったのだろうと推測しました。

取次ぎの座敷の柱は、とても素性のいい杉の4寸角柱できちっとした格を出しているのですが、床柱にアテ錆び丸太(アテとはあすなろの木。錆び丸太とは、甘皮を残して放置・発酵させ、丸太の表面に斑点を残した化粧丸太)を使ってちょっと野趣をもたせ、庭に面した開口部には掛け込み天井を設けて庭への連続感を表現するなど、手が込んでいました。

どの部屋も照明が大変暗く抑えられていたのですが、そんな中でひときわ静かに引き立っていたのが、”キラ押し”の唐紙(からかみ)です。

 

 

”キラ押し”とは雲母(うんも)の粉を顔料に使って、版木を型押しした唐紙のことです。
鈍く銀色に光るキラ押しの唐紙を貼った襖は、現代の空間で用いられるような明るい蛍光灯の下では、その繊細な味わいが全て飛んでしまいます。
ほの暗いろうそくや小さな白熱灯の明かりの下にあって初めて、幽玄な鈍い光を放ち始めるのです。
適塾では、小さな五三の桐の文様が一面に繰り返し型押しされた唐紙でしたが、久しぶりに唐紙本来の持つ繊細な美しさ、谷崎潤一郎が陰影礼賛の中で表現したような、あの空間に通じる日本の美を感じることができました。

 

 

今回はちょっとなんだか文学的な表現になってしまいましたね。
読みにくかったですか?

 

 

 

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京都の名数奇屋建築・四君子苑が公開中ですよ

京都市上京区にある、四君子苑(しくんしあん)という建物が今週公開されています。

 

毎年、春と秋だけ公開しているのですが、この建物は、もう筆舌に尽くしがたい素晴らしさです。

 

 

 

 

 

入場料¥1500、入館は10:00~15:00(?)までと、これだけ聞くと、

 

『なんて高飛車なヤツ!』

 

って感じですが、そんな感情も行ったら吹っ飛びます。

 

現在、京都で見られる建物の中では最高にハイレベルな建物の一つと言っていいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

と言うのも。

 

京都にはほかにもいい建物がた~くさんあるんですが、もったいぶって見せないのですよ。

 

ちょっと口が悪いですが、これはただのケチだと僕は思っています。

 

桂離宮だって見学できると言っても中には入らせないし、国宝の茶室・密庵(みったん)だって、絶対に公開しないし・・・。

 

年に一回くらい見せろ!と声を大にして言いたいです。僕は。

 

(ちょっと怒りモード?そろそろ抑えます。笑)

 

でも、貴重な文化遺産はぜひ公開して欲しいものです。

 

超一流のホンモノに触れる(体感する)機会がないと、絶対に文化は継承できませんから。

 

 

 

 

 

 

 

話を四君子苑に戻しましょう。

 

この建物をつくった大工は、北村捨次郎(きたむらすてじろう)という、昭和の名工です。

 

その卓越したセンスにはただただ脱帽するのみで、あとから増築した部分を手がけた、ある著名建築家設計の別棟建物がおもちゃに感じられます。

 

この建物を見るたびに、やはり木造を極めるためには一生かかるんだなぁ、と感じます。

 

材料の選び方、取り合わせかた、各所の寸法、襖の引き手や床材の納め方に至るまで、すごい”気”が込められています。

 

興味がある方はぜひ一度ご覧下さい。

 

 

 

場所はココです。

 

最寄のバス停は、河原町今出川。←京都市営バス

 

最寄の電車の駅は、京阪出町柳(でまちやなぎ)駅下車。徒歩約5分

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京都で数奇屋建築の改修工事-1

数奇屋-ハツリ

今、京都市内で、あるゲストハウスの改修工事に携わっています。
元々は昭和初期に建てられた数奇屋の建物でしたが、今回大規模に手を入れて改修されることになりました。

昨日現場へ行くと、応接間の地棟(じむね)になる梁(松の丸太)が据えられていました(←左の写真)。
小屋組みの構造材として使われる松の丸太は、関西では一般に黒松が多く使われます。
黒松は別名:男松とも言われることがあり、名前の通り荒々しく曲がっていたりしていますが、その分大変粘り強く、横からの曲げ応力に強いです。

実は、黒松の反対に赤松というのもあります。
これは木の肌のきめが細かく、床柱(←皮付きで使われることもある)や床框、床板など、建物の繊細な部分に使われます。

最初の写真は、松の梁に化粧なぐりを施したものです。
チョウナという刃物を振り下ろして、表面をザクッ、ザクッと一刃ずつ削って仕上げるやり方です。

なぐり作業

チョウナを使って、なぐり加工を施しているところ

ちょうな

チョウナとは、こんな道具です。
平刃(写真左)と丸刃(写真右)があります。
これらは仕上げる目によって使い分けます。

はつり

あまり知られていませんが、実は化粧なぐり仕上げには、チョウナ以外にもヨキ(斧)を使うことがあります。
ただ、ヨキを使った場合には、正確には『なぐり』ではなく『ハツリ』と言いますが、栗の床柱などを作るときに、たまにやることがあります。
ちょうなで仕上げるなぐり目よりも、より鋭さというか、勢いのようなものがあって、僕はハツリ目の方が好きなのですが・・・。

※写真は、(株)和風建築社が発行された雑誌、『和風建築』7号の
 特集記事から引用させていただきました。
 ちなみに『和風建築』は1980年代前半に発行された木造建築を学ぶ
 良書シリーズ(全24巻)なのですが、残念ながら絶版となっており、
 入手は大変難しいと思います。
 僕の事務所には全巻揃っていますので、見たいという方には事務所まで
 来ていただければ見せて差し上げることはできます。
 ただ、大変貴重な本なので、貸し出しはしておりません。
 ご了承ください。

 

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セルフビルドとコストダウンについて~その3

前回・前々回に引き続き、現在お住まいの家・または中古物件のリフォームにおけるセルフビルドとコストダウンの方法について書いてみます。

(※注:前回、および前々回の記事をまだ読んでいらっしゃらない方は、【セルフビルドとコストダウンについて~その1】【同~その2】を先にお読みください。その方がよりよく理解していただけると思います。)

今回はセルフビルドの目的について書いてみたいと思います。

セルフビルドの目的は3つに分類されます。
それは、


A) コストダウンしたい!

B) 作業を楽しみたい!

C) 建物に自分の思い入れを入れたい!

です。


A) コストダウンしたい! という方へのアドバイス
コストダウンの目的でセルフビルドを行う場合は、プロに頼む仕事(=出費)をできるだけ減らしたい、というのがホンネですよね?
ですから、自分でできる工事量をできるだけ増やせばよいのです。
多くのケースでは、プロがやろうとしている仕事の中で、自分でもできそうな工事(例えば塗装、左官の薄塗り壁仕上げ工法など)のみを建築主がやられているようですが、これだけでははっきり言ってコストダウンできる金額は数万円です。
もっと大きくコストダウンしたい!と思ったらどうすればよいか?
そこから一歩も二歩も踏み込んで、プロがやろうとしている仕事を、素人でもできるような工法・デザインで設計しなおして(←ココが大事)、自分でやってしまえばよいのです。
あなたに時間とやる気があって、指導してくれる人がいれば、たいていのことは自分でできます。
でも、防水・給排水・電気に関する部分は、専門知識や経験がない場合にはやめておかれた方がいいと思います。

B) 作業を楽しみたい! という方へのアドバイス
「木工が好きなんです!」という方に多いのですが、自分で何かを作るのを楽しみたいので家づくりに参加したいという方。
これはもう特に難しいアドバイスなどはありません。
まずリフォームを担当してくれる設計者や施工者の方、そして現場の職人さんと仲良くなって下さい。
そしてわからないことをドンドン素直に質問して、なんでも教えてもらうのです。
材料のこと、やり方のこと、自分がこんなことをやりたいと思っていることなど、何でも遠慮せずに聞いて、情報を仕入れてください。
でもちょっと工夫が必要です。
それは

「すみません、ちょっとわからないので教えていただきたいんですが・・・」


とまず前置きしてから聞くことです。

これは相手にこう(↓)言っているのとほぼ同じです。

「私は素人でどうしたらいいのかわからないので、プロであるあなたに助けてもらいたいんですが・・・」

お客さんからこう言われて、うれしくない職人はまずいないでしょう。
きっと懇切丁寧にいろんなことを教えてくれると思います。

C) 建物に自分の思い入れを入れたい! という方へのアドバイス

これを意識して実行されている方は、まだ少ないかもしれませんね。
ここでちょっと、僕が実際にクライアント(建築主)と一緒になって作った六甲山麓の家で実際にあったことをご紹介します。

六甲山麓の家では、内装工事(木工事から仕上げ工事までの一切)を全て素人(建築主・彼の弟・友達など)だけでやりました。
毎週末(土日)はもちろん、朝から晩まで現場で大工作業です。

幸い、工事中の仮住まいを現場のすぐ近くでしていたので、クライアントの子供(小学生の男の子と保育園に通う女の子)2人や近所の子供達もほぼ毎日、現場へ遊びに来ていました。
つまり彼らは、お父さんが最初から最後まで家を作っているところを実際に何度も目の当たりにしているのです。
こうなると、家に対する家族の思い入れは全く違ったものになってきます。
表現が適当かどうかわかりませんが、入居する前からすでに「家がもう一人の家族」みたいな感じになってきます。

こうなると、その家はきっと後世まで大切に使われつづけることでしょう。

以上、大変長くなってしまいましたが、セルフビルドの目的について書いてみました。
最後まで読んでくださって、どうもありがとうございました。

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