お客様の幸せのために」カテゴリーアーカイブ

環境を整えることの大切さ

雨降りの月曜日の朝、東京のクライアントからビックリする電話が入りました。

「サッシと障子の間に大量の羽蟻がいる・・・。」

すぐに現地の工務店さんと白蟻専門業者さんを手配し、翌日に現地調査を行った結果、今回出現したのは白蟻ではなく黒蟻であることがわかり一安心しました。

黒蟻は白蟻のように木材を食い荒らすことはしないので、危険な状態に陥ることはないからです。

今回のクライアントは中古物件購入直後(現在リフォーム着工直前)だったので、もし仮に白蟻が出てもうちの設計ミスとかではないのですが、それでも一応購入前に物件を僕自身が見て、
「おそらく白蟻はいないだろう」
と判断した上で購入されたので、正直焦りました(汗)。



白蟻に対する考え方についてはまた別の機会に改めてお話しするようにしますが、今回の一件で 【環境を整えること】 の大切さを改めて痛感しました。

というのは今回黒蟻が大量発生した原因を現地の白蟻専門家に分析してもらった結果、庭・および建物周囲の状況が虫にとって住みやすい(=快適な)状態だったからです。



確かに虫は家の中に大量に侵入してきてもらっては困りますが、かと言って一匹も虫がいないのはかえって不自然ですよね。

(僕はここ数年、自分の家の周りでテントウムシやおけらを全然みかけないことに、淡~い危機感を持っていますが・・・)

虫を『駆除・排除する』という考え方は、あくまでも最悪の状況に陥った時の最終手段であって、そういう風に考えることは人間にとっても必ず悪影響が出ます。



そうではなくて、
○ 虫は敷地内にいてくれていいんだけれど、大量発生させない環境を作り、維持する
○ 虫が家の中に入ってきにくい構造にする
○ 入ってきてしまった時には、その経路が発見しやすい構造にしておく
という、【環境を整えておく】ということが何事も一番大切なのだと思います。

でもこれは虫対策に限った話ではありませんね。



【お知らせ-1】
2008年晩秋の新月期に伐採・葉枯らし乾燥させた静岡産の
杉・桧を使って下さる方を募集しています。詳しくはこちら

【お知らせ-2】
2007年に竣工した伝統構法の家で、2年間住んでみた感想を聞く見学会を
8/2(日)に大阪府四條畷市で開催します。詳しくはこちら


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世界に、300年先も美しい風景を

電球型LEDに注目

LED電球











昨日のニュース記事ですが、東芝ライテックが大幅に値下げしたLED電球商品を投入するようです。

東芝子会社、従来より価格半分のLED電球発売へ



シャープはさらに安い価格で調色機能を持たせたものをリリースするようです。

初の「調色機能」 家庭用LED照明事業参入のシャープ 低価格実現



両者とも明るさはどうなんだろう・・・というところが気になりますが、それはもうしばらく待ってみないとわかりませんね。

うちでも電球型蛍光灯(パルックボールなど)を使っているのでわかるのですが、白熱電球100W相当の電球型蛍光灯は、正直なところ白熱電球よりも暗く感じます。

さてLEDのお手並み拝見、と期待が膨らみます。



でも冒頭の商品の写真、姿がいただけないですね。
将来的にはもっとこなれたデザインになってくるのでしょうが、なんだかまだ刺々しい雰囲気です。
電球型蛍光灯も、このところようやくデザインがこなれてきました。

そういえば、日曜日に行った新木場のひでしな商店さんで、エジソンが作った当時と同じ形の電球を復刻版として販売されているのを見ました。

この電球は形がとても美しかったです。
→ こちらをクリックすると画像を確認できます。

やはり建築の中では見た目の美しさも大切ですからね。



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ご紹介

実は、このブログを書き始めてからもう4年半も経ったようです。
今そのことに気づいて、改めてビックリしました。

ちなみに、最初の投稿は2004.12.29。

4年半も書いていると、ブログを通じていろんな方と知り合いになるケースもあります。



以前からこのブログを読んで下さっている、南会津の古民家にお住まいのとんぼさんもそんな1人です。

時々このブログにコメントを寄せて下さっていたのですが、昨日とんぼさんのブログでこのブログをご紹介いただきました。
(とんぼさん、どうもありがとうございます!)

→ 南会津 とんぼさんのブログ 
   『南会津、骨董、古民家再生(改修)、囲炉裏!』



とんぼさんのブログを読ませてもらったところ、骨董を扱われているようなので、薄茶用の茶碗(古物)を探していただけないか?とお願いしました。

実は、中将さんという高知県在住の記者さん(←この方もうちのブログの読者さん)から、
「せっかく茶道を習っているなら、お客さんに薄茶を点ててお出ししてみては?」
とご提案頂いたので、それはいい!と思い、早速とんぼさんになにかいいものを探してみて頂けないか?と頼んでみたわけです。

新品の茶碗ではなんとなく白々しくてちょっと物足りないので、古物の方がいいなぁと思うのです。

とんぼさんは、
「少し時間を下さい、探してみます」
と言って下さいました。

どんな茶碗に巡りあえるか、いまからとっても楽しみにしています ♪



もう1人、ご紹介。

実は一昨日、僕の小学校3年生の時からの親友Kが事務所を訪問してくれました。



彼とは子供のころに、静岡市内の川・池・海などに何度も釣りに行って遊んでいたのですが、今彼は日本ケミカルという静岡の会社で建材の営業マンをしています。

ビル関係のメンテナンス会社さんが主な販売先のようですが、お風呂の浴槽(人造大理石やステンレス)の研磨材なども取り扱っているようです。

サイトのリフォーム写真を見ると、傷や汚れでくすんでいた浴槽がピカピカに再生されるようで、これは住宅にも使えるなぁ~と感心して見ていました。

これからリフォームを検討されている方にとっては、お役に立つのではないでしょうか?

早朝の公園にて

このところ、努めて超早朝の散歩へ行くようにしています。
今朝もいつも通り、20分くらいかけてゆっくり歩いてきました。

いろんな方のお話を聞くと、本当は起きてすぐの
「頭がぼ~っ」
とした状態で散歩に行くのが一番良いようです。

きっと、起きた直後の脳波の状態がいろんなものに同調しやすいからでしょうね。



僕も本当はそうしてもいいのですが、僕が起きる時刻はまだ暗い(※)ので、なんだか暗い時に散歩に行くのもあまり気分が良いものではないのです。
※ちなみに今朝はちょっと遅くてam3:30でした。

やはり散歩には日の出直後あたりが気持ちいいよなぁ、という何とも説得力のあるような無いような、単なる自分の気分だけの問題で、いつも5時前後に出かけています。



いつも散歩していると、なぜかわかりませんがいろんなことが頭の中にふっ、ふっ、と浮かんできます。
( ↑ 浮かんでくることはそんなたいしたことじゃないんですけどね。)

それを覚えておいて、帰ってきてからメモ→実行するようにしているのですが、だいたい散歩中に浮かんだ答えは間違いが無くて、いつもすごく助けられてます。
不思議ですね。



と、言いたいことから話がそれてしまいましたので話を戻します。

実は散歩の終わりがけにいつも公園を通るんですが、そこをおおきな竹箒で掃き掃除してくれているおばちゃんがいました。

目が合ったので
さとう   :「おはようございます」
おばちゃん:「おはようございます」←もちろん、知らない人です
と挨拶をして通り過ぎたのですが、よく足元を見ると、タバコの吸殻とか花火の燃えカスとかが散らかっています。

おばちゃんはそれを掃除してくれていたのでした。
頭が下がるなぁ、と思いました。



きっとおばちゃんが自分で花火をやったり、タバコを吸ったのではありません。
( ↑ もしそうだったら逆に面白いですが)

人知れず、こうやっていろんな方が善意で行動して下さっていることが重なって、社会は支えられているんだなぁ、などということをボケ~っとさせた頭で感じながら散歩から帰ってきました。

なぐり加工の見学をしたい方、いらっしゃいますか?

6/23(火)の夕方に、京都市内で杉の化粧ナグリ加工の実演見学を予定しています。

↑ ナグリ加工とはこのような仕上のことです。

京都市内の銘木屋さんのご協力のもと、京都市N邸に使う玄関式台用の杉板をなぐってもらいます。

チョウナという道具に丸刃をつけてなぐるのですが、今回は加工の工程をビデオで撮影し、久しぶりに動画としてYoutubeにアップする予定です。

あまりたくさんの方が来られると、銘木屋さんにもご迷惑がかかってしまうので3名程度に限らせていただきます。

【日時】 6/23(火)16:30開始、作業時間は30分程度の予定

見学ご希望の方は、東風/佐藤仁までご連絡下さい。

【お知らせ】
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味?香り?

少し前から、事務所のスタッフと意見が分かれていることがあります。



それは、

「シソに味がある!」
「いや、味はない!あるのは香りだ」

というものです。



東風内では、

味がある 派          ・・・女性スタッフ2名とも
味はない。あるのは香りだ 派・・・僕1人のみ

という勢力図です。(負けてる・・・)



あなたはどう思われますか?

もし良かったらコメントをお寄せ下さい。

 

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次の目標は糠漬け

月曜日に、久しぶりにメールマガジンを配信しました。
( ↑ 読者の皆さん、不定期発行になってしまっていて、すみません)

その中でおにぎりの話をしたら、複数の方からコメントメールを頂きました。
(メールを送って下さったみなさん、どうもありがとうございました)

ビックリするほどいろんな知恵を教えてくださった方もいて(←中将さん、ありがとうございました)、大変ありがたかったのですが、そんな中で僕が『土鍋でご飯炊き→おにぎりづくり』 の次にチャレンジしようとしていることがあります。

それはヌカヅケ。



実は僕、漬物大好きなんです。
僕は、飲みに行くと最初のオーダーの中の一品として
「漬物盛り合わせ ♪ 」
を毎回頼んで、まわりのみんなから白い目で見られます。

いつもたいがい

「おいおい、 最初から〆の一品たのむんか?」

と突っ込まれるのですが、誰もそんなん〆ようと思って頼んでいるわけではなくて、ただアテの一つとして常にツケモンがあって欲しいと思っているだけなのですが・・・、と話がそれてしまいましたが、とにかくまぁ僕はツケモン大好きなのです。

ヌカヅケだけに限らないのですが、アサヅケ、シバヅケ、マツマエヅケ、ビールヅケなど、ツケモンは一般に大体どれも大好きです。
(ただ、一般に売っている奈良漬だけは苦手。
奈良漬も売ってるやつじゃなくて作るとすごく美味しいんですけどね。 )



小さいころから好きだったのですが、やはり京都に住んでツケモン好きに拍車がかかりましたね。
伊丹に引っ越してきてからは美味しいツケモンの入手ルートが発見できず、悶々としています。



実は2年くらい前に
「よし、美味しいツケモンが売ってなければ自分で作ろう!」
と決めて、糠床用のホーロー容器を買ってきたのですが、なんだか億劫になり、 買ってきたままの空容器で埃をかぶっていました。



そんな折、先述のメルマガにコメントを送ってくださった中将さんが

「ホーローの容器にぬか床を入れて、冷蔵庫に入れておけば、
ゆっくり熟成するので、1、 2週間は放っていても、すぐ復活します。
乳酸菌は嫌気性なので、毎日混ぜなければいけないということはありません。」

ということを教えてくださって、ズボラな僕でもそれならできそう ♪ ということになり、早速ヌカドコを用意しようと一気にヒートアップ!

そこへ中将さんからさらに詳しい情報を送って頂いたので、転載の許可を頂き、以下にご紹介します。



「乳酸菌が嫌気性だという話、実はNHKのためしてガッテンの知識なんです。
あれをみて、ぬか漬けの科学がよく分かりました。
経験的にやっていたことが正しかったり、逆に無意味だったり。
ここに、ざっと書いています。
http://cgi2.nhk.or.jp/gatten/archive/program.cgi?p_id=P20080618

以下は、私の経験則。
なので、真偽は? です。。。

まず、冷蔵庫に入れておけば、菌の増殖が遅いので、2日ぐらい触らないでも大丈夫です。
そのかわり、当たり前ですが漬かるのも遅いです。

それと、何週間も休止させるときは、塩をざっとまいて、冷蔵庫に入れておきます。
表面から何センチかはだめになっていますが、
下ではきれいなぬか床が生きています。
乳酸菌は死ぬことはないようです。

それと、2,3日放っていると、表面に白いアワのような膜ができます。
私はあんまり気にせず、ちょっとぐらいだったらそのまま混ぜ込んでいました。
上のガッテンによると、結果的には、それは正解だったようです。
白いアワというのは、産膜酵母という好気性の酵母菌らしいです。
臭いですが、空気を絶つと、アルコールなどいい成分を出すとのこと。

いずれにせよ、
少々ほったらかしになっても、絶滅することはないので、気軽に実践あるのみだと思います。」



実はこの中将さんから送って頂いたお知恵は、みなさんにもぜひご紹介したいものがたくさんあるので、何回かに分けてブログに書いていきます。

どうぞお楽しみに。



これからだんだん事務所の食べ物が増えていきそうです。

そのうち、事務所の冷蔵庫が大型冷蔵庫になったり、飽き足らずストッカーを置くことになったりするかも(笑)。

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建具の設計

少し前に、木製建具のデザインに取り組んでいる、という記事を書きましたが、その時に読者の方から

「家に対して、どのように建具のデザインを作り出していくのかの、建築士の思考の過程を垣間見れると、嬉しいです」

というコメントを頂いたので、今日はそれにお答えして少し障子のデザインを考える際の過程についてお話してみたいと思います。

1. まず最初に、大まかなデザインの方針を決定します。
木造であっても、室内全体が民家風の骨太な感じでまとめるのか
数奇屋のような繊細で華やかな感じでまとめるのか
または現代っぽく、さらりとした感じでまとめるのか。
これは建具で調整するというよりも、建物に合わせて方針を採択する
という感じですね。

2. 次に色と樹種を決めます。
色を塗るのか塗らないのか、
木目がはっきり出る樹種が良いのか、あまり出ない樹種が良いのか、
コストは?重さは?
というようなことから、建物に使われている材料との相性・バランスも考えて
樹種と色を決定します。

3. そしてようやく大まかな建具の形を決めます。
1の方針に沿って、ある程度のイメージを固めたら、障子の場合は
腰板を設けるのか
→ 腰板を設けるのなら、どんな材料で、どの方向に木目を向けるのか
→ 腰板は1枚板か、数枚をはぎ合わせるのか
→ 腰板の高さはどのくらいにするのか(写真:b)
それとも上から下まで格子のみでいくのか
という大枠を決めます。

4. そこからようやく、格子の割付です。
縦横、それぞれ何マスで割り付けるのか(下写真a)
マスは縦長にするのか、横長にするのか、それとも正方形にするのか

ここまではおよそ想像がつくと思うのですが、難しいのはここから先です。

5. 次に各部材の木割りを考えます。この木割りというのは出来上がってしまうとわからないように思われがちですが、プロポーションを考える4の工程以上に空間全体の雰囲気を大きく左右してしまう、デリケートな作業です。

建具の設計においては、ここが一番の勘所と言えるでしょう。

1の方針に沿って、縦框(写真c)の寸法を決めます。

同様に、1の方針に沿って上桟(写真d)・下桟(写真d)の寸法を決め、それに合わせて中桟(写真e)の寸法を決めます。

縦框・上下中桟の寸法が決まったら、その雰囲気を壊さないように組子の太さ(写真f)を決めます。

この木割りの過程では僕は何度も原寸図を描いて、実際のプロポーションを実物大で確認しながら、何度も調整を行います。

6. 全体の木割ができたら最後に引き手の大きさを選んで決めます。

とまぁ、だいたいこんな感じで一つ一つ決めていくのですが、順番に一つずつデザインを考えていくうちに
「やっぱりあそこはこんな感じのほうがいいなぁ」
などと考えを改めることはしょっちゅうなので、そのたびに描き直し・・・なんて具合で3歩進んで2歩下がる、とゆっくり進みます。

建具は実はとっても難しいんですよね。

 

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瓦の色ムラ

下の写真は、兵庫県南西部にある瀬戸内沿岸の坂越(さこし)という町の家並を
丘の上の公園から見たときに撮った写真の一部です。

よく見ていただくと、手前の家の瓦には瓦一枚一枚に色ムラがありますが、
煙突の向こうの屋根には色ムラが無いのがよくわかると思います。

これは手前の建物の瓦が古く、奥の建物の瓦の方が新しいのですが、新しい瓦もあと数十年経って古くなったらこんな色ムラが出てきて味わい深くなるのか?と思われるかもしれませんが、そういうことにはなりません。

この原因は瓦を焼くときの焼成温度の温度ムラによって発生するものだからです。

最近の瓦はガス窯で焼いているので、温度管理を非常にしっかりやっています。
そのおかげで、瓦の品質(割れ・耐候性など)も安定してきていて色ムラも無くなっています。

すると奥の建物のような、均一な色の「シャキッ」とした色の屋根ができるわけです。
がしかし、見た目にはちょっと味わいが足りないなぁ・・・という感じがしないでもありません。

確かに手前の家の方が、何というか味わいがありますよね?

こういう昔の瓦は登り窯のようなところで薪や炭などを燃やして焼いていましたから、当然火の近くに置いた瓦と火から離れたところに置いた瓦とでは焼成温度が違ったのです。

すると焼成温度が低い瓦は耐久性が低いということになってしまって、割れが入る年数も浅くなる、ということになってしまうわけですが・・・。

僕も、どちらかというと手前の家のような色ムラがある瓦の方が見た目には好きです。
で、一度瓦屋さんに相談したことがあります。

「あんな風に葺けないもんですかねぇ~」
と。

そしたら返ってきた答えが

「あんなんしよう思ったら、焼きの甘い不良品をわざわざ探してきて混ぜて葺かなあかんねんで!
手間はかかるわ、性能は落ちるわで何もエエことあらへんのに何でそんなことせなあかんねん!」

と怒られました(ショボン・・・)。

でも同じようなことを言う方は結構いるみたいです。

で、古い瓦を集めて探してきて葺くというやり方もあるのですが、文化財ならまだしも、一般住宅でそれをやってしまうと保証問題をどうするのか?という議論になるため、現在は難しい状況です。

でも、瓦メーカーさんが4-5種類の粘土を作って色を替え、
『ほぼ』同じような性能
(または一番耐久性の低い瓦がかろうじて最低基準をクリアしている)
で色がまだらになるような瓦を作ってくれたら、屋根の表情もちょっと豊かになるような気がしますが、実際は難しいのかなぁ・・・?

これを読んでくださっているあなたはどう思いますか?
あなたならどっちの屋根が欲しいですか?

もし良かったら、あなたのご意見をコメント欄に書いてみてください。
たくさん意見が集まったら、それを【民意】として瓦メーカーに持って行ってみようと思います。

コメントの投稿はこちらから。

ご協力、よろしくお願いいたします。

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世界に、300年先も美しい風景を

様相について思うこと

様相(ようそう)建築と言われる建物があります。

1990年代前半に大阪に建てられた新梅田シティ。
関西圏の方にはおなじみのビルでしょう。
設計者は京都駅ビルと同じ、原廣司+アトリエφ

建物を視覚的な反射率の高いガラス張りによって構成し、その時の天候や周囲の景色を建物の外壁=ガラスに映りこませて、建物を周辺環境に同化・調和させて建物の存在感を消したり、建物の表情の変化を楽しむというのがその設計趣旨です。

下の写真は僕が学生のとき(かれこれもう16年前)に、その設計者のコンセプトを反映させた写真を撮ってみたい、と思って写したものです。

ガラスに青い空や白い雲が映りこんで建物を消し、空中庭園と呼ばれる、頭頂部の白いデッキが空に浮かんでいるように感じさせたい、という設計者の意図が絵になっているでしょうか?

この建物やこの種の設計コンセプトが良いかどうかは別にして、この【様相】というものについては、どうも女性の方が敏感な気がします。

上記のような現代建築ではなくても、日本の伝統的な建物は陰影を大切にしているので、季節や天候によって室内の佇まいが変化しますよね?

僕も建物を設計する際には陰影にものすごく気を使います。

それこそ、
「ちょっとおかしいんちゃう?」
といわれそうなくらいに(笑)。

でも、日本の木造建築の真髄は
【陰影・プロポーション・素材感・繰り返すリズム】
にあると思っているので、こればっかりはないがしろにできません。

まぁそんな僕のこだわりはどうでもいいんですが、うちのスタッフ(2人とも女性です)と建物の話をしたりしていると、同じ設計者なのに見ている観点がえらく違うなぁ・・・と感じることが多いのです。

そういう様相の変化に重きを置くのは、やはり感情の機微を掬い取ることに長けている女性ならではの優れた能力の一つなのでしょう。

(↑ 女性の皆さん、そうじゃなかったらごめんなさい)

設計者というのは、全てを頭の中でイメージしきってから建物を作っていると思われるかもしれませんが、決してそんなことも無いんですよ。

出来上がってから
「うわっ、ここから見るとこんな風に見えるんか!」
とビックリすることもあるくらいです。

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