大屋根の軒樋に落ち葉が溜まって、きちんと排水できない、しかし掃除しようにも足場がないので掃除できない、何とかして~という方は結構いらっしゃるのではないでしょうか?
軒樋の中にネット状の部材を丸めて設置し、樋の中に枯葉などのゴミが溜まるのを防ぐ商品は数社から販売されています。
上の写真もそのうちの一つで、これはパナソニック電工社製の落ち葉よけネットを使いました。
お悩みの方は設置を検討されてみてはいかがでしょう?
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世界に、300年先も美しい風景を
昨日は奈良県のお客様に声をかけていただいて、土地を購入すべきかどうかの判断をするために打合せをしてきました。
周辺は閑静な住宅街で緑も多く、住環境としてはとてもいいところです。
土地もゆったりした広さがあって、のびのびとしたご提案ができそうです。
ただ、ちょっと悩ましいのが敷地に生えているこの桜。
枝の張り具合から見ても、結構な年数を経ていると思われるのですが、この敷地の一番陽当たりの良い場所に生えているのです。
以前から、毎年春にこの桜が咲くとご近所のみなさまの目を楽しませてきたのだろうと思われるような、とても目立つ位置に生えているんですよね。
このまま残すと、リビングの陽当たりに影響を及ぼして毛虫も落ちてくるし、かと言って伐ってしまうと、この木やご近所のみなさまに気の毒だし・・・と思って難しいところです。
うまく残して魅力的な提案ができるといいんですが、これからしばらく頭を悩ませてくれそうです。
上記現場からの帰路、久しぶりにTさんのお宅にお邪魔してきました。
上の写真はTさん宅でお使いのExtra Largeサイズの薪ストーブです。
Tさんのお宅では、夜になると
「カリカリ、カリカリ」
と木をかじるような音がする、と昨夏にお聞きしていて、その後害虫駆除の専門家に見て頂いていたのですが、僕自身がなかなかお伺いできないままになっていました。
(ちなみに、上記の「カリカリ」の原因はコウモリだと判明し、白蟻などではなかったので一安心)
Tさんのお宅では2人のお子様達が満面の笑顔で出迎えてくれて、とても嬉しかったです。
この家も伝統構法で建てたお宅なのですが、年数と共に少しずつ土壁の色が落ち着いてきたように思います。
いろんな種類の木を使っていて竣工当時は木の色がバラバラだったのですが、それぞれが日に焼けて木の色もお互いになじんできて、少しずつ風格が増してきました。
年とともに魅力が増す。
こういうところも木の家の良さですね。
Tさん宅は竣工して3年が経とうとしていますが、幸い土壁のクラックなどは全く無い様子で安心しました。
作り手としては、こういうことって何年経っても気になって仕方がないものなんですよね。
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世界に、300年先も美しい風景を
火曜日・水曜日と出張で東京へ行っていたのですが、中央線の駅で電車を待っていた時に、線路の向こう側にあった大きなポスターが目に入り、思わず
「お~っ!!!」
と声に出してしまいました。
2月下旬から東京国立博物館で、長谷川等伯/没後400年 特別展が開催されると知ったからです。
しかも国立博物館(東京・京都の両方で開催されるようですが)での展覧会ということは、東京国立博物館蔵(普段は非公開)の国宝/松林図屏風がきっと展示されるに違いない、と思ったからです。
で、早速ホームページで調べてみると・・・やはり思った通り、ちゃんと松林図屏風は全期間を通じて公開されるようです。
→ 没後400年 特別展「長谷川等伯」
東京国立博物館 平成館 2010年2月23日(火)~3月22日(月・休)
京都国立博物館 2010年4月10日(土)~5月9日(日)
やはりこれに備えて、等伯の生涯を描いた歴史小説を読んでおかないと、とえらく楽しみにしています。
同時公開される、京都・智積院蔵の楓図の華やかさと松林図屏風の静謐さ(いずれも国宝)の作風のあまりの違いの裏には、等伯とその息子の人生のドラマが関係していると言われますが、そのあたりもじっくり調べた上で臨むつもりです。
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あなたはどちらが好きですか?
30年後に「そろそろ建て替えようか・・・」と言われる家と
「200年前のおじいちゃんが建てたの」と2210年に言ってもらえる家
年末から読んでいた本を、昨日ようやく読み終えました。
僕は本を読むのが遅いんです。
本を読むのはとても好きなんですが、目が疲れてくるのか、単にこらえ性が無いのか、1時間くらいしか連続で読み続けられないんですよね。
ですから1冊の本をちょこちょこと途切れ途切れに読み続けるのが常です。
で、今回読んだ本の一節に、当たり前だけれど趣のある件があったので抜粋してご紹介します。
この本は孔子が書いた『論語』の内容の一部を説明してくださった講和を
記録して本にしたものなので、とても読みやすい文体で書かれています。
(以下、本文より抜粋)
『五十にして天命を知る』
(中略)天が私たち人間を生かしている。いろいろな生命を産み育て働かせている自然のエネルギーを天命といいます。この働きの尊さを(孔子は)五十歳にしてはっきりと知ったということです。これは大事なことです。
天命や自然は、善悪や毀誉褒貶(きよほうへん)のからくりで動いていません。
川の流れや山の活動を見てください。花が咲き、実り、散る。ここに善悪の概念がありますか。
いい悪いなんて、そんな人間のケチくさい概念は、ここには一つもありません。「いい」「悪い」をいってお互いに競争をし、争いをしていることが、いかにつまらないかということです。
人間世界は「いいか悪いか」という概念一つで、多くの生命を奪う戦争までしています。
ただし「いい悪い」という考えは両刃の剣でもあります。「いい悪い」がなければ、人間は成長できないからです。
ですから「いい悪い」という考えをつねに適当に自分で料理しないといけません。自分が主人公になって冷静に深く考えて「いい悪い」を使うことです。人生は「いい悪い」に使われてはいけません。
しっかりと自分の目を持って、自分はどれがいいかということを、自分で決定していくように訓練していくことです。
これは訓練しかありません。最初からできるのではなく、だんだんできていくことです。人間の善悪の考えをうまく調和しながら、天地自然の自由な活動力に帰依して、自分の人生すべてを解決していくことです。
『論語』に学ぶ人間学(境野勝悟 著)より抜粋
(抜粋ここまで)
数十年、数百年を経た建物を見るときは、ここで言われている「天命」/いわゆる天地の道理みたいなものをまざまざと見せつけられます。
人智の及ばない、自然の力。
だからそれに対抗するのではなく、うまく折り合っていける性格の建物を考える。
時が経っても、価値が変わらないところにはきちんと力をいれ、時代の流行に伴って価値が変化する部分には必要以上にこだわらない。
東風ではそういう考えで建物を作っています。
こういう作り手の考えというのは、きちんとした考えを持った人が作ると、建物を見ただけでそれがわかるんですよね。
伝わってくるんです。
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昨日、京都市内のあるお寺へ行ってきました。
今月末にNPO法人・日本民家再生協会で主催する予定の、専門家向け勉強会の下見のためです。
このお寺では目下3棟の建物が解体修理を行っている最中です。
昨年始まった今回の修理は、これから10年かけていくつかの建物を解体修理していく予定だそうで、今回は特別に解体修理工事現場の見学&説明の機会を設けてくださることになりました。
京都に近い、という理由(?)で僕がその勉強会の現場サイドの担当者となり、昨日下見に行ってきたわけですが、僕は社寺の解体修理現場を見るのは初めてだったのでとても興味深く、メチャメチャ興奮しました。
今回解体修理が行われているのは、3重の塔などどれも割と小さな建物なので、圧倒されるような存在感があるわけではありませんが、永年の歴史を経た社寺の建物が解体・修理されている様子を目の前で見られるというのはとても貴重な機会です。
勉強会は1/30-31の2日間にわたって京都市内で行われる予定ですが、とってもいい勉強会になりそうで、今からとても楽しみにしています。
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世界に、300年先も美しい風景を
昨日は初釜に行ってきました。
いつも茶道の稽古をして頂いている草志舎さんで、今年初めての稽古として行われた初釜です。
僕は初釜に出るのは初めてだったので勝手がよくわからなかったのですが、茶道教室の先生と生徒さんとで一緒に作って下さった美味しいお料理をみんなで頂いて、その後濃茶・薄茶を頂きました。
今回は初釜ということもあり、先生が自ら濃茶を点てて下さったのですが、その立ち居振る舞いや、一つ一つの所作に移る時の間合いの取り方にとても品があって、ただただ感服・・・。
所作とか間合いというのは、表現するのがとても難しいのですが、それによって相手に与える印象や心地よさみたいなものが全く違ってくるものなんだということを強く感じました。
「自分もああいう立ち居振る舞いができるだろうか?」
「まわりのみなさまに心地よいと感じて頂けるような間合いの取り方ができているだろうか?」
と考え出すと誠に情けなくなってくるのですが(恥)、これから自分でもそういうことを意識して行動するようにしたいと思いを新たにすることができただけでも、得たものは大きかった。
ちゃんと実践しないと。
年初にいい機会を与えて頂いてありがたいなぁ。
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きれいな年輪でしょ?
静岡の杉の木で、推定樹齢は約110年です。
今からお伝えする記事の内容とこの写真との間には特に関連性は無いんですが、今日の記事を投稿するにあたって、なぜかこの写真が頭に浮かんだので使いました。
年頭にあたり、自分自身のこれまでを再度見つめ直し、今年の指針を考えてみました。
今年の9月で事務所を立ち上げてちょうど10年を迎えます。
そんな節目も意識してか、自分自身で決めた指針・・・(↓)、
今年は1年間にお引き受けする物件数を、これまでよりも少なくします。
(おいおい、大丈夫か? なに言うてんねや?と突っ込まれそうですが)
どういうことかお話ししますね。
わざわざ改めてBlogでんなこと言わなくてもいいかな、とも思うのですが、自分自身の決意表明の意味もこめて書きます。
実は数年前からいろいろ思うところはあって、身近な人には軽く相談したりしていたのですが、自分が木造専門の設計者として
【他の人ではなく、自分でなくてはできないこと】
にもっともっと注力して業務を行うべきなのではないか?と感じていました。
社会に貢献する、みなさまのお役に立つという観点から考えて、今自分が向いている方向・姿勢は本当に正しいだろうか?ということについて、これまで何度も自問してきました。
そうやって日々の業務に取り組んできて、この年始にようやく確信に至ったのです。
やはり他の人にもできることは自分が手がけるべきではなく、他の方にお任せすべきだと。
そうすると、自分が先輩から受け継いだものや与えられた現在の環境・育ててもらった能力を、より自分が必要とされる分野に注力することができるし、自分が必要とされる分野(=自分でなくてはできないこと)で社会に貢献していく方がみなさまのお役に立てると思うのです。
誤解されないように申し上げておきますと、今までやっていたことが正しくない、という意味ではありませんし、180度方向転換するわけでもありません。
木造専門でやっていくことも変わりませんし、新月期の伐採材を自社で作っていくこともこれまで通りやっていきます。
基本方針として変えるのは、自社で施工まで手がける物件を増やし、設計のみを引き受ける物件を少なくするということです。
少し具体的に説明しますね。
これまで木造建築 東風では【設計を本業とする建築設計事務所】としてのスタンスを主としてきました。
しかし今後は【自社で設計から施工までを一貫して行う工務店】へとシフトすると言った方が近いかもしれません。
設計だけをお引き受けして施工は他社にお願いする場合だと、どうしてもやりきれない部分があります。
第3者として現場を監理するという立場からすると、それは決して悪いことではありません。
しかし現在の自分の能力をより高く発揮できるのは、設計から施工までを一貫して自社で行い、材料の調達・管理や使い方にまで責任を持ったやり方だと確信するに至ったからです。
しかし、施工まで自社で行うとなると、今以上にたくさんの手間を各現場にかけていかなければならなくなります。
そうすると、現在の事務所の体勢ではお引き受けできる物件数を減らさざるを得ない、という冒頭の結論に至ったわけです。
より高いサービス、より良い商品、より深い満足度を提供し、社会に貢献したいと考えて判断したことですので、ご理解をいただければ幸いに存じます。
ただ、設計監理のみの業務は絶対に引き受けない、ということではありませんのでご安心下さい。
遠隔地などで、自社で施工管理を行うのは「お客様にとってもメリットが少ない」と判断した場合には、今までどおり設計業務のみをお引き受けし、施工は他社(工務店さん)に引き受けていただくというこれまでの形も引き続き行っていきます。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
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新年、あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
このブログも開設してから満5年が経ちました。
(最初に投稿したのは2004/12/29)
早いものですね。
今朝は久しぶりに早朝の散歩へ出かけてきました。
初日の出の写真を撮ろうと思ったのですが、
雲が出ていたのと寒かったのとで諦めて帰ってきました。
でもちょっと面白い写真が撮れたのでご紹介します。
実は今日は満月です。
西の空には満月が鈍く輝いていました。
左に見えているのは六甲山系です。
西の空に満月が輝いていて、それと反対の東の空からは初日の出が上がって来ようとしているという状況でしたが、なかなか面白いものだなぁと感じました。
僕がいつも散歩をする、近所の公園です。
割と大きな池があります。
( ↑ 瑞ヶ池と言います)
昨年は、自分の積年の夢がいろいろと実現した年でした。
今年はどんな年になるんだろう?と考えると、ワクワクしてきます。
でもその前に年賀状書こうっと。
すみません、年賀状これから書きますので、届くのは遅くなります。
(昨日は準備で終わってしまった・・・)
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30年後に「そろそろ建て替えようか・・・」と言われる家と
「200年前のおじいちゃんが建てたの」と2210年に言ってもらえる家
土曜日に、竣工後の1年検査で大津市のTさん宅へおじゃましました。
今日も寒いですが、土曜日も寒くて、早速上の写真のように薪ストーブが活躍していました。
1年検査の時には、たいてい建具に狂いなどが生じていることが多く、微調整が必要になります。
反ったり、傾いたり、きしんだり。
狂うといってもほんのちょっとだけなんですが、やはり木は生き物なので、四季を通じて動くんです。
木ではない昨今の建材メーカー製建具では、こういった狂いもほとんど生じないのですが、でもやっぱり建具は木で作りたいですよね。
汚れも付きやすいし、掃除もしにくいし、利便性においては決して優れているとは言えないんですが、木製建具にはそれを超える魅力があるんでしょうね。
Tさん宅の設計をしている時に生まれた女の子が、もうすぐ2歳になろうとしています。
すっかり大きくなって、よくしゃべるようになっていました。
Tさんが設計の時に仰っていましたが、家の年齢と子供の年齢が同じというのは、何か感慨深いものがあります。
設計者としては、末永く愛される家であって欲しいものです。
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