お客様の幸せのために」カテゴリーアーカイブ

素晴らしい銘木を集めた旧・来住家住宅

来住家

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


昨日は、兵庫県西脇市にある旧・来住(きし)家住宅に行ってきました。

目的は、日本民家再生協会の近畿地区運営委員会に参加するためです。

いつもはこの地区運営委員会も大阪市内の会議室で会議を行っていますが、
「たまには遠出してちょっと楽しみながら会議をやろう」
とのことから、西脇市内でやることになったという次第です。



僕は西脇市へ行くのも初めてで、もちろん旧・来住(きし)家住宅も初めてだったのですが、この家は材料も仕事もすごかったです。

ちょっとご紹介しますね。

 

松葉模様欄間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上の写真は離れの書院欄間の組子の写真です。

松葉継(まつばつぎ)模様というそうですが、こんな組子は初めて見ました。
(正直なところ個人的にはあまり好きではありませんが、仕事としてはものすごいと思います)


 

玉杢

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上の写真は母屋座敷の書院天板のケヤキです。
見事な玉杢(たまもく)が出ています。

この巾でこんな風に玉杢が出るということは、この木はきっとものすごい樹齢を重ねた太くて稀な木だったと思うのですが、よくこれだけの木を探してきたものですね。
原木の時の姿を見てみたいです。

この家では他にも春日杉や屋久杉、楓、桐、肥松、栂、黒檀、鉄刀木(たがやさん)、楠など様々な銘木がふんだんに使われて、とても丁寧な仕事が施されていました。



僕はもともと工務店で数奇屋建築の現場監督を務めていたので、銘木類を集めてきて建物の随所に使っていくという考え方には馴染みが深いのですが、今こういう建物を見ると正直ちょっと引いてしまいますね。

英知と財力を結集した、最高級の日本建築の一つであるということには間違いがないのですが、自分が目指す方向・建物を作っていく上で大切にしたいものとはちょっと違うなぁ・・・という違和感を感じます。

時代の流れなのか、それとも単なる好みの問題なのかはわかりませんが・・・。



しかし、久しぶりにすごい材料と出会えて感銘を受けました。

すみません、かなりマニアックな話題になってしまいました。

 

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感銘を受けた言葉

東風では建物の計画についてのご依頼を頂いた方へ、まず手始めにアンケート形式の要望書をご記入いただくことにしています。

これはA4用紙×4枚にわたる、家づくりに関連するいろんな事柄についてお尋ねするものです。



先日来新築計画についてご相談いただいているクライアントの方からつい最近頂いたご要望書の中に、とても感銘を受けた言葉がありました。

「あなたが今回の家づくりで大切にしたいと考えていることは何ですか?」
 (複数回答可)
という質問に対する答えの一つとして、



   「質素で心豊かに暮らせる家」



という回答を頂きました。
(T様すみません、無断でご紹介させていただきました)



この言葉を僕は移動中の電車の中で目にしたのですが、いや、なんとも素晴らしい言葉だなぁ・・・と感動し、しばしボーっとしてしまいました。



【何となく心の中で意識しているけれど言葉にできないこと】
というのは誰しも持っている感覚だと思うのですが、それをズバっと表現して頂いて、目の前が晴れ渡ったような感覚を覚えました。

T様、おかげでいろんなことを考えさせられました。
どうもありがとうございました。

感謝

桜情報@京都ほか

全国いろんなところで桜が咲き始めている(もう終わったところも)と思いますが、京都市内は今週末あたりがちょうど見頃だと思います。

下の写真は昨日左京区の疎水べりで撮った桜です。
この木は8分くらい花開いていました。

桜


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


木によって開花状況は様々ですが、京都市内では今週末から来週の前半にかけて満開の桜が楽しめると思います。

例年東京が3-4日早く咲き始めて、その後を追うように関西でも咲き始めるのが常なのですが、今年は関東と関西とほぼ同時みたいな感じがします。

伊丹では京都よりもちょっと遅いかも。

これから京都へお出かけの方は参考にしてみて下さい。



今週火曜日に吉野へ行ってきたのですが、吉野も下の方は咲き始めていましたよ。
吉野での見ごろは来週末あたりかな、と思います。



もう1つ京都情報を。

例年、春と秋に一般公開されている京都市上京区の四君子苑ですが、先日友人から聞かれて問い合わせてみたところ、今年の春の公開は4/20-25だそうです。

興味のある方は足を運んでみられてはどうですか?

ちょうどそのころは、例年だと仁和寺の御室桜とか平安神宮のしだれ桜などが見頃です。

LED

LEDを使った照明器具や電球のラインナップが増えてきているようですね。

僕は建材などの新製品にあまり詳しくないのですが(←と言ってしまうのもどうかと思うが・・・)、今朝の新聞で小型のLED電球が発売されるという記事を見つけて、ホームページを見てみました。

Panasonic 電工のLED電球に関するホームページを見ると、LED電球でも小型のもの(ミニクリプトン電球相当)のものが発売されているようです。

こうなってくると、ダウンライトがより一層選びやすくなってきますね。
ありがたいことです。



ついでに、こんな器具も見つけてしまいました。

器具の厚さ:10mmって、・・・薄すぎる。
すごいですね。

もう少し普及してくると価格も落ち着いてくるのでしょうが、まだちょっと手が出しにくいというのも正直なところです。



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 「200年前のおじいちゃんが建てたの」と2210年に言ってもらえる家

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解体工事中@明石

今週の月曜日から、明石市内で解体工事に着手しています。

年末に竣工予定の木造2階建て新築住宅を設計中なのですが、建物が建つ予定の位置において地盤調査を行うためには、既存建物を撤去しなくてはならず、まず解体に着手しました。

 

解体1

 

 

 

 

 

 

 

 

 


外部には防塵・安全のために足場を立てて、シートで覆います。
近隣の皆様にはしばしご迷惑をおかけします。
申訳ありません。

 

解体2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

屋根の瓦を降ろした後に、屋根の上から撮った写真です。

この後で既存建物がなくなってしまうのですが、その前に2階からの景観(眺め)を記録しておこうと思い、屋根に上って周囲のパノラマ写真を撮っておきました。
(ここではご紹介しませんが・・・)



今回のクライアントであるK様は、僕の大学の先輩です。
( ↑ もちろん、在学中にはお互い交流などはありませんでしたが)

うちの大学も学生数は多い方なので、そこら中に先輩や後輩がいるはずなのですが、社会に出てからはなかなか同窓生にお会いする機会って無いものですね。
(っていうか、聞いてないから知らないだけで、実は身の回りにわんさかいてはったりして?)



Kさん宅は、ご主人のご意向で、室内に積極的に段差を設けた空間になる予定です。

かなり個性的な空間になりそうでわくわくしますが、その一方でいろいろと難しい面も出てきます。

現在は基本設計の最終局面ですが、今週末に3Dイメージを用いてプレゼンテーションを行う予定です。
出来上がったらまたご紹介しますね。

どうぞお楽しみに。



【お知らせ】

3/13(土)-3/14(日)の2日間にわたり、京都市左京区で
新月伐採材を使った石場建て伝統構法住宅の完成見学会を行います。
詳しくはこちらをご覧下さい。

構造材は全て、新月期(下弦の月~新月の時 ↓ )に伐った木で作りました。
そのあたりのお話も当日ご紹介します。お楽しみに

下弦の月s

 

 

 

 

 


 

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内子町のみなさん、ありがとうございました

ご報告がすっかり遅くなってしまいましたが、2/19(金)に愛媛県の内子町で講演をしてきました。

NPO法人・日本民家再生協会を通じて「手仕事に関する講演をしてほしい」、というようなご依頼を頂いた折、僕にそのお鉢が回ってきた訳なのですが、どうやら何とか無事役回りをこなせたようで、ほっとしています。

夕方18:00から約1時間半の講演だったのですが、当日は朝一番の飛行機で伊丹から松山へ飛び、9時半ごろには内子町へ入ってたくさんの地元の方にお会いしていろいろと案内して頂きました。

(中岡さん、児玉さんはじめ、みなさまお世話になりました。
 本当にありがとうございました)

おだの匠1


 


 


 


 


 


おだの匠2


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 



上の写真は、内子町の中の小田地区で移住促進&空き家古民家活用のための活動を行っている【おだの匠】のみなさんの活動です。

地元を活性化しようと、地元の建設業者のみなさまが協力し合って築140年の古民家を10年間借りて改修し、古民家体験宿泊施設として運営されているお話を伺いました。



その後、内子町内で木造平屋建ての内子中学校や重要文化財の芳賀家を見学させて頂くことができました。

芳賀家ではご厚意から非常にめずらしい木工品を見せて頂くことができて、とても感慨深い思いでした。



講演では、これまでに僕が手がけた古民家再生物件事例紹介の他、来週末に見学会を予定している京都市N邸での家づくり(新月伐採と伝統構法)などについて、スライドを基にお話をさせて頂きました。

会場には約40名ものみなさまが聴講のために足を運んで下さり、ビックリ!

僕は失礼ながら「10-15名くらいでこぢんまりやれればいいかな?」などと思っていたので、こんなにたくさんのみなさまが集まって下さって大変光栄に感じました。

当日の聴講者の中には、いつも僕のブログを見て下さっているという方のご主人からお土産まで頂き、さらにビックリ!!
(保積さん、ありがとうございました)

後日、その反応を担当の中岡さんが連絡して下さったのですが、地元の建設業関係者のみなさまからも概ね好評だったとうかがい、胸を撫で下ろしました。



今回は慌しいスケジュールだったのですが、内子町内の石畳という地区に星が写りこむとても美しい池と屋根付きの橋がある、ということを教えて頂いたので、今度は改めてゆっくり内子を訪れてみたいなと思っています。

大洲の臥龍山荘や内子座にも行きたいな。

みなさま、本当にお世話になりました。
心より御礼申し上げます。





【お知らせ】

3/13(土)-3/14(日)の2日間にわたり、京都市左京区で
新月伐採材を使った石場建て伝統構法住宅の完成見学会を行います。
詳しくはこちらをご覧下さい。

新月伐採


 


 



←ここから始まりました

内子町で講演

愛媛県の西部に内子町という町があります。
なまこ壁や漆喰で仕上げられた重厚な外観を持った家並みが続く美しい町ですが、伝統的建造物郡保存地区(伝建地区)に指定されているので、ご存知の方も多いでしょう。

その内子町で、2/19(金)に僕が講演をさせて頂くことになりました。


講演のタイトルは
『伝統的な日本の木の家づくりと手仕事』

です。



内子町のような素晴らしい町並みが残っているところで、僕のような未熟者がお話できるようなことはあまり無いのではないかと思うのですが、僕が一方的にしゃべりまくる講演というような形で終わらせてしまうのではなく、僕の話をきっかけにして、現地で頑張っていらっしゃるみなさまのいろんな想いをお互いに高めあうような機会にしようと思っています。



内子町へは、僕も学生の時に2度行ったきりで、今回の訪問が実に17年ぶりです。

現地では内子町総合観光センターのご担当の方が、内子町内のいろんなところを案内して下さるそうです。
(どうもありがとうございます)

僕も講演において現地のみなさまの励みになるようなきっかけを提供することで、少しでもお役に立てるように準備したいと思っています。

内子町のみなさま、どうぞよろしくお願いいたします。

春と雪

このところ寒いですね。

北日本、および日本海側では大雪になっているようですが、雪かきなど大変ですね。
御見舞い申し上げます。
昨日の朝は伊丹でもうっすら白くなりました。



今朝、久しぶりに朝の散歩へ行ってきたのですが、道中で梅が咲いていたり、桜が密かにつぼみをちょっと大きくさせていたり、椿が咲いていたりと、こんなに寒い中でも割いている花があるんですねぇ。

うちの事務所の前の庭では、蝋梅が黄色い花を咲かせていて、近寄るととてもいい香りがします。



2/4(木)は立春でした。
大雪が降っていても、暦の上ではすでにもう春になっています。

昨年の立春に事務所名を改称してから1年経ちましたが、この1年は自分にとっていろいろと大きな年でした。

そして今年の9月が来ると、僕が独立して事務所を立ち上げてからちょうど10年になります。



10年ってあっという間ですね。

これからの10年はどんなことが起こるんだろうか?と思うとドキドキします。



どうぞあなたにも、これから春のいい風が吹きますように。



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「できない」と言わないこと

僕が大学を卒業して就職してから少したって、自分の師(当時の社長)から教えて頂いたことがあります。

それは、決して「できない」と言わないこと。



工務店に勤務して2年目の冬。
3.5トントラックに材料を満載して、現場のある長野市まで1人で走っていけ、と言われたことがありました。

現場の都合で、どうしても夜に出発して明朝までに到着しないといけない。

しかも天気予報によると、明朝の長野市内は雪。

当時の僕は3.5トントラックの運転すら数回しかしたことがなく、しかも運転するトラックのタイヤはノーマルタイヤという状況で、僕がまず発した言葉は

「社長、無理です。僕にはできません。」



その時、社長に一喝されました。

できない、と言うな!
できない、と自分で言ってしまうとそこで全て終わってしまい、何も前に進まなくなる。
どうしてできないのかという理由を考え、ならば逆にこうすればできるのではないか?と
考えを巡らせろ。
そしてダメだと思ってもとにかくやってみろ。
やる前から無理だと諦めるのではなく、やりながら考えろ!

と。



そう言われて僕は、正直ものすごく怖かった(←雪道&ノーマルタイヤ&3.5トントラックが)のですが、何とか自分を奮い立たせて深夜3.5トントラックを走らせました。

明朝、無事に現場へ到着して荷物を降ろし、その足で京都へ帰ってきました。

この時教わったことは強烈に頭に残っていて、今でもとてもありがたく思っています。



相手の要求どおりでは、どうしてもできないという状況はよくあります。
しかしそこで

○ どうすればできるのか?
○ できないと思っているのは、自分が勝手に設定した枠組の中だけで
  考えているからではないのか?
○ こういうふうに変更してもらえれば概ね要求どおりにできるんだけれど・・・ということを
  相手にぶつけて交渉してみてはどうか
○ ダメだと思っても、まずはやってみる

というふうに少しずつ考えを巡らせて、何とか相手が望む形を実現してあげようと努力する姿勢が大切なんだということを学びました。



あの時、社長はきっと
「こいつにはこれをやらせて自分自身の殻を破らせないとアカンなぁ・・・」
と思って、言って下さったのだろうと思います。

上記以外にも前職場では、大変貴重なこと(精神面・技術面とも)をたくさん教わりました。
僕は本当に素晴らしい上司に恵まれたと、今でも深く感謝しております。




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解体修理現場見学

子安の塔

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


先週の土曜日、清水寺の解体修理現場見学に行ってきました。

日本民家再生協会主催の専門家向け連続講習会のプレイベントとして企画されたもので、現在清水寺で行われている10ヵ年計画の解体修理現場を見学させて頂きました。



冒頭の写真は子安の塔という三重の塔の解体状況です。

江戸時代の大工さんの仕事を目の当たりにできて、とてもいい勉強になりました。



僕自身は社寺建築には携わったことがないので、同じ日本の木造建築とはいえ、住宅とは違った作り方が随所に見られて、得るものがいろいろとありました。




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