お客様の幸せのために」カテゴリーアーカイブ

湯島のあられ屋さん

火曜日はNPOの会議に出席するため、東京へ行っていました。
昼過ぎに会議は終わったのですが、せっかく東京に来たのでどこか見て帰ろうと思い、湯島にある旧・岩崎邸公園へ行くことにしました。

湯島
会議の行われた四ツ谷から地下鉄で湯島へ向かってテクテク歩いていると、見ていてほっこりするようなあられ屋さんを見つけました。

写真ではわかりにくいのですが、ショーウィンドーのガラスは歪みのある昔のガラスが使われています。
お店の構えをとても清潔にされている様子や、また昔のままの大きな1枚ガラスが割れずに今も使われていることなどから、店主様の矜持や心意気を感じ、嬉しくなりました。

やっぱり何かちょっと買わせてもらって、二言三言、言葉を交わしてくればよかった・・・と後になってちょっと後悔。

その後、旧・岩崎邸公園へ。

旧・岩崎邸公園は、三菱の創業家である岩崎家の旧宅だった敷地と屋敷を、今は東京都が公園として一般公開しています。

敷地内には洋館と和館の他、山小屋風の撞球室(ビリヤード室)の合計3棟が残されています。
一応全て観てきましたが、やはり僕が見たかったのは和館です。

岩崎邸

どの建物も内観の写真撮影は禁止されていたので、残念ながら内観写真はありませんが、広縁の天井板(長さ7間通しの柾目幅広板)がすごかったです。
さすが岩崎家、という感じでした。

京都の数奇屋のようにいろんな材料を取り混ぜて使う自由闊達さはありませんでしたが、とことん吟味された材料を集めた御殿、という雰囲気の建物です。

むしろ興味深かったのは、撞球室の建物です。

遊びの空間ということで、デザインは山小屋風に校倉作り(というか、ログハウス)と同じつくり方になっていますが、ここで使われている材料もすごい。

柾目のスカッと通った、上質の芯去り栗角材だけをふんだんに使っていました。
栗校倉1

角材と言っても、90mm角くらいの太い木ですよ。
しかも真っ直ぐの。
信じられません。
もちろん、白太なんて使われていません。 


↓栗柾目角材の詳細写真。
こんなおとなしい、上品な材料です。

栗校倉2

僕は洋館にとんと興味がないのであまりちゃんと見ていません(恥)。
しかし撞球室でこんな調子ですから、本館である洋館にはマホガニーやオークなど、これ以上にとんでもない木が
「これでもか」
というほど使われていることでしょうね。

龍馬伝の効果でしょうか、館内には平日にもかかわらず結構多くの見学者がいらっしゃいました。

あなたはどちらが好きですか?
30年後に「そろそろ建て替えようか・・・」と言われる家と
「200年前のおじいちゃんが建てたの」と2210年に言ってもらえる家
 

太陽の力

陽の光

上の写真は、今週末に完成見学会を開催する明石市K様邸リビングに射し込む太陽の光です。
K様邸現場では2階のリビングがとても暖かく、暖房など全く要らないのではないか?と感じるほどです。

東風で設計したお宅の多くでは、冬でも昼間は暖房が要らない、という声をクライアントのみなさまからよく聞きます。
床板に杉の厚板(35mm)を使っているせいもあると思うのですが、今年の春に竣工した京都のN様宅でも、以前お住まいだったお宅ではスリッパが手放せなかったという自称冷え性の奥様が、
「今は裸足で平気です」
という嬉しいメールを、つい先日も頂いたところです。

理由は一つではなく複合的な結果でそうなっているのですが、いずれにしても太陽の光をどう採り込むか?ということがとても重要だと思います。

吹き抜けは寒いからいやだと言われる方もいらっしゃいますが、天気の良い日には吹抜けを通じて家の奥まで差し込んでくる陽光が家の中を暖めてくれますので、一概に 【 吹き抜け=寒い 】 ということは、太平洋側の家では断定できません。
(吹き抜けだけで高窓が無い場合、寒いのは当然ですが)

あなたはどちらが好きですか?
30年後に「そろそろ建て替えようか・・・」と言われる家と
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紀伊半島へ

先週の土曜日、紀伊半島のど真ん中を巡ってきました。

奈良県の十津川村にある不動産物件を購入すべきかどうか迷っている方からのご相談で、現場を観に行ったのです。

往路は大阪から奈良県五條市を通って、国道168号線をひたすら南下。
事務所から待ち合せ場所の十津川村・ホテル昴まで片道4時間。

そこからさらに現場までは、国道425号線(←これがほとんど1車線のすごい道・・・)をくねくねクネクネと、ひたすら進むこと約1時間弱。
合計5時間ほどかけて、ようやく現場にたどり着きました。
ギリギリ奈良県内ですが、もうすぐ和歌山、という場所です。
現場の前にはアマゴが棲む清流が流れており、車も全く通らない、とても静かな場所でした。

 

相談者のTさんからお話を伺って、現場を観て問題点を話し合い、とりあえずこの日は別れました。
今後、役所にいろんなことを確認した上で、購入すべきかどうかを再び判断することになりそうです。
 
Tさんのご相談の内容(=Tさんが実現したいと思っている夢)は一般常識から考えるとかなり個性的なものでしたが、大変共感できる内容でぜひ応援したいなぁと感じました。

 

帰りは別の道を通って帰ろうと思い、和歌山県側へ。
龍神村から田辺市街へ抜けて海を見て、阪和道を通って帰ってきました。

走行距離は400kmほどでそんなにたいした距離ではないし、奈良県・和歌山県と言えばすぐそこなんですが、東風事務所から今回の現場へ行くのは、東京や札幌へ行くのよりもずっと時間がかかります。

紀伊半島は山深いですね~。

最近、なぜかちょくちょく和歌山へ行く機会が増えてきました。

和歌山の海はとってもきれいで、行くたびに
「将来は和歌山へ住みたいなぁ~」
と思うようになっています。

どなたか、和歌山で海辺のいい古民家の不動産情報があったらおしえてください(笑)。

先週から東風ホームページの申込フォームが正常に動かなかったのですが、ようやく治りました。
今週末(12/11-12)の明石での見学会、こちらの問合せフォームで申込を受付けています。

↓ 下の写真は明石のお宅で使った大黒柱を、2007年6月に静岡で製材したときの写真です。

樹齢

ここ数日、ようやく早朝の散歩ができる余裕がでてきて、できる限り散歩に出かけるようにしています。

毎朝散歩に出かけて目に止まるのは、僕の散歩コースになっている公園の中の桜の木の変化です。

すでに葉を全て落として枝だけになっている木がほとんどですが、まだ半分くらい葉を残している木もあり、木もそれぞれ個性があるなぁ・・・というようなことを感じつつ、テクテクゆっくりと歩きます。

僕が歩いている瑞ヶ池公園の中には老齢の桜の木はないのですが、樹齢20年前後と思われる木々と、50年前後と思われる木々が目に付きました。

散歩をしていると脳が活性化するのでしょうか、以前観たモノ・コトの記憶がフラッシュバックしてくることがしょっちゅうあるのですが、昨日も桜の木を見ていて若い木と古い木(年数のいった木)ということについて感じたことを思い出しました。

建築資材として使う針葉樹は、若い木であれば樹齢40年前後から出荷されます。
産地や生育条件によっても異なりますが、一般に樹齢40年くらいの木ではまだ若すぎて、柱くらいにしか使えません。
このくらいでは若すぎて、まだ(出荷用材としては)伐りたくないな、というのが本音です。
まだまだ木ができていない、という感じです。

樹齢60年くらいになってくると、同じ柱用材としても少し格が上がってくるとでも言いましょうか、赤身も張ってようやく少し落ち着きが出てきます。
人間で60歳と言えば、もうそろそろ第1線からは退くような年代になりますが、木としてはまだまだこれからが本番という感じです。
4寸角程度の柱として使うのには、ちょうどこのくらいの樹齢が使い易いですね。

そして樹齢80年-100年くらになるとようやく伐りごろという感じになり、表情も頼もしい感じになります。
人間で言うと50歳前後の感じかな。

そこから先は120年、150年、200年、300年とだんだん風格が出てくるのですが、このあたりの感覚はなかなかお伝えするのが難しいですね。
写真をお見せしてもきっと伝わらなくて、やはり実物を目の前にしないとわからないと思い、今回のお話ではあえて木の写真を使いませんでした。

普段から林業家とよく話をしたり、一緒に山に入ったりしていると、やはり彼らの想いが言葉の端々や行動・姿勢などからにじみ出てきます。

100年生以上の古い木を日常的によく扱う林業家と接していると、やはり東風としてはこういう人たちの想いを活かしてあげられるような家づくりをし続けていかなければいけない、と強く思います。

yoshino0603_3

 

なんだかすごく伝わりにくいことを書いてしまって恐縮なのですが、でも日本の林業のためにはこういうことを1人でも多くの皆様にご理解頂きたいと常々想っています。

来年からは、こういうことをみなさまに実感して頂けるような機会をもっと積極的に提供していくつもりです。

まずは来年2月ごろに行う予定の製材の見学会がそれに当たるかなと思いますが、その前に12/11(土)-12(日)明石市K様邸の完成見学会でも、樹齢110年の大黒柱を見ることができます。

ぜひご参考になさってみて下さい。

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日野町へ行ってきました

昨日は、滋賀県の南東部、蒲生郡日野町というところへ初めて行ってきました。

日野町は日野商人とよばれる豪商たちが住んでいたところで、今も古いお屋敷が残っていて、とても静かな街です。

日野町

この日野町で古い民家を残して使っている事例を視察するために、カナダからお客さんが来るということで、日本民家再生協会の役員として日野町へ出向いてきた、というわけです。
(※東風の仕事ではなく、ボランティアです)

日野町内で2軒の古民家を見学して頂き、それに帯同してきました。

日野町は古い建物が群として残っていて、しかも観光地化されていません。

でも、800年も続いているお祭りがあって、その時には20機以上の大きな山車が出るそうで、町内各所に山車蔵が点在していました。

生来引越しばかりしていて、生まれ故郷がない(?)僕のような人間からすると、地元に歴史的なお祭りがあって古い町並みがしっかり残っている場所に住んでいるというのは、とてもうらやましく感じます。

古いまちなみを維持していくのは大変なご苦労がおありだろうと思いますが、何とか残していただきたいなぁと思います。

と言ってる自分が、まずは率先してそういうところに住まないといけませんね(恥)。

できれば海沿いがいいなぁ・・・。

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新しいサイト、なかなか手こずっています

今日、事務所のある伊丹市から明石市の現場へ向かう道中、裏六甲はすっかり晩秋の風情でした。

紅葉の赤はあまり見えませんでしたが、黄色や茶色に変わった木々の葉と、針葉樹の緑との対比がきれいです。

これから日を追うごとに寒くなっていきますが、みなさまどうぞ体調を崩されませぬように。

このところ、早朝の大事な時間帯を使って、毎日新しいホームページの制作に没頭しています。

これまでの東風のサイトとは真逆といってもいいようなコンセプトで作っているのですが、ページ数が多いのでなかなかはかどりません(汗)。
何とか今月中の公開を目指していたのですが、ちょっと難しそうかな。

実はすでに製作ページ総数は100ページを超えてしまっているのですが、今回のサイトは実例写真(竣工物件の完成写真や工事中の写真など)にほとんどのページを割いています。

直観的でわかりやすい構成にしよう、ということを最優先に設計していますので、サクサク見られるサイトになると思いますよ。
公開までは今しばらく時間がかかりそうですが、どうぞお楽しみに。

京都の紅葉状況

先週一週間はバタバタでブログの更新が1度もできませんでした。
どうもすみません。
ようやく少し落ち着いたので、今週はきちんと更新できると思います。
昨日(日曜日)は、奈良の現場へ行った後で京都へ行きました。

京都と言っても観光ではなく、お世話になった方の告別式に参列するためです。
雲ひとつないとってもいいお天気で、日向でじっとしていると暑いぐらいでした。

京都紅葉2010

上の写真は京都市北区の加茂街道で信号待ちの折に撮った、賀茂川沿いの街路樹です。

さくらやケヤキは色づいていますが、見頃はまだ1週間くらい先かな、という感じでした。

それにしても京都市内はどこもすごい人・人・人。
車もどこも停滞気味で、駐車場は満車。

観光でこの時期京都へ行かれる際は、車は避けたほうがいいですよ。
また京都へ行くことがあったら紅葉の状況をご報告しますね。 

奈良市 石積み擁壁工事完了

奈良市で来月上棟予定のO様邸で、月・火の2日間にわたり、擁壁の石積み工事を行いました。

下の写真は石を積み上げた後、石と石の間の目地にモルタルを詰めてくださっているところです。

赤いベストを着た職人さんが、今回石を積んで下さった方です。


擁壁工事1109_1

こんな風に出来上がりました↓。

擁壁工事1109_2

既存の擁壁の一部を解体したので、今回積んだ石は全てもともと現場内にあった石を再利用しています。
そのため、風合いが良くなじみ、違和感がありません。

新しい石を購入して積むと、どうしても石の表面の風化した具合が出ないので、既存部分と新しい部分とがなじまないのです。

木は古材と新材を取り混ぜて使う場合に塗装したりすることもありますが、石は塗装するわけにいきませんしね。

きれいに仕上って清々しい気分です。

土塀の上塗り用壁下地材

先日所要で京都へ行った折に、東山の東福寺前を通りがかり、うちのスタッフが見つけました。

東福寺壁1

雨に叩かれてか、土壁の上塗りが剥がれ落ちたところで下地が見えています。
東福寺壁2

どうやら竹の細い繊維のようなものを編んでつくったもののようですが、僕は初めて見ました。
なんていうものかなぁ?

でも割と新しいもののように感じました。

土塀のことを書いていたら、久しぶりに唐招提寺の瓦埋め込み塀が見たくなりました。

奈良市の現場が始まっているので、折を見て行ってこようかな。

奈良市O様邸 擁壁工事開始

擁壁工事1106

先週末から、奈良市O様邸で石積み擁壁の工事に取り掛かっています。

上の写真は、擁壁を支える基礎のコンクリートを打設する下地作業を行っているところです。

既存の石積み擁壁の一部を取り壊してガレージ用地とするのですが、その部分から出てくる古い石をここに新設する擁壁の石として再利用します。

昨日から石積み工事に取り掛かっているので、また写真でご報告しますね。