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明石市 K様邸 無事上棟しました

8/6-7の2日間かけて、明石市内で工事中のK様邸が無事上棟しました。

大工さんがいの一番に立てたのは、【い】通り【?】番の通し柱ではなく、中央に
「どしっ」
と立つ大黒柱でした。

この大黒柱のみ、以前ご報告したとおり静岡県産の新月材です。
大黒柱以外の構造材は高知県梼原町産材です。


構造材はプレカットによる機械刻みなのですが、この大黒柱は大きすぎて機械に乗らないので、全て手刻みに。

折角なので「金物を使わずに組んでほしい」と頼み、下の写真のような納まりにしてもらいました。

大黒柱建方-1


 


 


 


 


 


大黒柱建方-2


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 



大黒柱の下端に十字のやといホゾを入れ、それを土台に差し込んで込栓で緊結する、というやり方です。

大黒柱は杉、やといホゾと土台は桧、込栓は樫を使っています。


大黒柱建方-3


 


 


 


 


 


 


大黒柱建方-4


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 




最初にすっくと一本だけ自立した大黒柱。
長さは約7m、太さは7.5寸(235mm)角です。


上棟


 


 


 


 


 


 



上の写真はほぼ建て方が完了して建物の全容が見えてきたところです。



当日はスカッと晴れ渡った酷暑×炎天下。

こんな天候の下での作業は大変で、通行車両の交通整理をしていただけの僕も立っていられなくなるほどでした。
大工さんはよほどキツかっただろうと思います。

しかし無事上棟を済ませて一安心しました。

建築主のK様ご夫妻からは大変喜んで下さっているお言葉を頂き、東風および職人一同、大変嬉しく感じています。

と思っていたら、早速台風が・・・。
なかなか気は抜けませんね。

蔵の戸

1週間ほど前になりますが、京都の井川建具店さんへ行ってきました。

西明石で工事中のお宅の玄関戸に古建具を使いたい、というクライアント・Kさんのご希望で蔵の戸を探すために、Kさんに同行しました。

今回、Kさんが選ばれたのがこの建具です。

蔵の戸

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蔵の戸にはケヤキが使われているものがよく出回っていますが、この建具は割と新しいもののようで、框および格子が桧、腰板がケヤキという組み合わせです。

これからまず洗い屋さんにお願いして建具を洗って汚れを落としてもらい、建具屋さんに格子部分の金網をはずして別の材料に取り換えてもらって、吊り込みをした後で塗装します。

古建具を使うのはなかなか手間がかかります。
そのまますっと使えればもっと簡単で良いんですけどね。

そして蔵の戸を再生する際に問題になるのが鍵です。

この建具は厚みが55mmあるのですが、建具屋さんに相談したところ、55mm厚に対応した防犯性の高い引戸用の鍵は、既成品では販売されていないとのこと。

特注で鍵メーカーに作ってもらうことになるため、金物の納期が約40日かかるそうです。

これから古建具を使おうとされている方は、関連部材の納期にも注意してくださいね。

西明石 配筋完了

配筋完了


 


 


 


 


 


西明石でK様邸新築工事の現場が進んでいます。

昨日の朝、現場で瑕疵担保履行法保険に関連する基礎の配筋検査があり、僕も立ち会ってきました。 



写真右半分が1階部分で、左の鉄筋が少ない部分はガレージです。
ガレージの上には2階が載ります。



このところの雨続きで、現場の職人さんたちは大変です。
みなさん、毎日作業しにくい中を頑張って下さってありがとうございます。

でも、夏場はお天気が良くてカンカン照りも苦しいんですよね。
雨降りは気分的に滅入ったり作業をしにくいという面もありますが、体力の消耗ということを考慮すると、カンカン照りよりも雨降りの方がまだマシかも?と思ったりします。

そのあたりは個人差があるかもしれませんが、天気予報によると、来週からは好天が続きそうですね。

お盆前には上棟、そして屋根仕舞の工程に移っていく予定です。

今後、また定期的にご報告しますのでお楽しみに。

四国へ行ってきました

先週末に、高知県と愛媛県へ行ってきました。

来週から基礎工事に着手する予定のK様ご夫妻と、高知県の梼原町森林組合へ行って、材料の視察をするためです。

先日ご報告した通り、和歌山で預って頂いていた長さ9m×24cm×24cmの大黒柱を必要な長さ(6.9m)に切断し、2トンロングのトラックに積んで自走していきました。

積み込みの際には、和歌山の東建設工業の皆様に手伝って頂きました。
東さん、ありがとうございました。

大黒柱0703_1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上の写真は左が6.9mの大黒柱(製材前)
右がその切り落とした端材(2.3m)です。

端材といっても軽く50kgくらいはあるので、持ち上げるのは結構大変です。

大黒柱0703_2

 

 

 

 

 

この大黒柱は、2006年11月に静岡で伐採→葉枯らし&製材してから3年間自然乾燥させたものです。

自然乾燥させた間に、小さい割れが入ったり、ほんの少しねじれや反りが出ましたが、そのクセを取って真っ直ぐな柱にするために、梼原町森林組合の製材機で摺り直し製材をしていただきました。

大黒柱0703_3 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、製材した後の大黒柱はこんな表情になりました。
手前が根元、奥が末になります。

この木はもともとオトナシ~イ木だったので、あまり暴れていませんでしたが、それでも少しねじれや曲がりがありました。
(6.9mの間で最大5mmの曲がりでした)

今、構造材の見積もりや加工図面の詰めを行っているところで、来週からは加工に入る予定です。

現場では来週から基礎工事が始まります。

土用に入る前に土をいじる工程は済ませたいところですが、梅雨時期だけに天候が心配です。

今回も四国へ行く道中は大雨でしたしね。

大黒柱

昨日は、西明石で地盤調査に立ち会った後で和歌山へ行ってきました。

友人の東さん(東建設工業)が預って下さっていた大黒柱を確認するためです。

K邸大黒柱

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真中央の材料が、今回使う材料です。

上の画像をクリックして拡大表示していただくとお分かりになるかと思うのですが、根元から末まで9mの間ほとんど節が無くて、杢も材の中央を偏りなく真っ直ぐ貫いており、大変美しい木です。

色が黒ずんでいるように見えるのは、写真で杢がわかるようにと思い表面を濡らしたためです。

この木は2006年の晩秋、新月に合わせて伐った静岡産の杉の木です。
樹齢は約110年。
長さ 9m 太さは 240mm×240mm。

標高900mの北斜面という厳しい条件で育った木なので、
とても目が詰まっていて、おとなしい木です。
3年間、じっくり天然乾燥させたものです。

  伐採の時の様子
  → https://mokuzo-architect.jp/archives/50764203.html

  4ヶ月間、山で葉枯らし乾燥後、出材した時の様子
  → https://mokuzo-architect.jp/archives/50846599.html

  製材した時の様子(2007.06)
  → https://mokuzo-architect.jp/archives/50937247.html

この木は、これまで東建設工業さんが好意で預って下さっていたのですが、このたび嫁入り先が決まり、来月から西明石で着工するKさんのお宅の大黒柱として使わせていただくことになりました。

東さん、いつもありがとうございます。m(_ _)m

今からどんな仕上がりになるのか楽しみです。

追記

そう言えば・・・と思って過去の写真を見ていたら、この木を製材した時(2007.06)の写真が出てきました。
こんな顔です( ↓ )。

大黒柱3

すごい!驚きました

昨日、兵庫県明石市内に住宅を新築されるご予定のKさんご夫妻と1日中打合せをしていたのですが、打合せもほぼ終わったところでKさんが

「実は・・・」

と切り出して見せて下さったのが下の写真です。

なんと!
こちらも作っていないKさんのご自宅の骨組み模型を、ご主人自ら作られたのです。

骨組み模型-2

 

 

 

 

 

 

骨組み模型-1

 

 

 

 

 

 

いや~、驚きました。
そして恐れ入りました。

こんなことは初めてです。

図面を観て全体を想像するというのは、一般の方にとってはかなり難しいことだと思うのですが、それをやってしまうとは・・・。

しかもこの家の縮尺がすごいのですが、冒頭の写真のうちの一枚に、ミニカーが写っていますよね?

このミニカーの縮尺が1/43だったそうで、このミニカーの縮尺にあわせて、1/43で家の模型を作られたとのことです。

すごい・・・。

Kさん曰く

「色々なところで歪んだりしているので、あまり細かく見ないで下さい」

とのことでしたが、そんな細かいことよりも、これを作ってみようと思われて実際にやってしまう意気込みがすごいと思いました。

感服です。

地盤調査でビックリ!こんなこともあります

昨日は兵庫県明石市内で、Kさんのお住まいの計画のために地盤調査を行いました。

調査方法は、これまでにもブログで何回かご報告している、いつものスウェーデン式サウンディングです。

標準的には、1つの敷地内で5ポイントにわたって地中へ錐を打ち込み、その落下速度の速い/遅いによって地耐力(ちたいりょく=地盤の固さ)を測定します。



過去に行った近隣の地盤調査結果や周辺の地形・文献などから、おそらくそんなに弱い地盤ではないだろう、と予測していたのに、最初の測定ポイントで錐(きり)がスルスルと怖いぐらいに沈んでいきました。

錐がスルスルと沈む=地盤が弱い、ということを表します。



結局支持地盤に到達したのは、地表面から地中へ10m潜ったところでした。

「えぇ~、そんなに弱いの!?」

と、意表を突かれてちょっと不安&心配になりましたが、他のポイントで調査し始めると、当初の予想通り割としっかりした地盤であるという結果が出てきて、結局は一番最初に潜らせたポイントだけが、他と比べて異常に弱かった、という結果に。

こうなってくると、なぜそうなるのか不思議で仕方ありません。



ところが今回の計画地は、たまたまクライアントであるK様の奥様のご実家の隣だったのですが、お母様が助け舟を出して下さって事なきを得ました。

というのは、そのあたりには昔、大きな井戸があったとお母様が教えて下さったのです。



全体的な地盤の性状としては、このあたり一帯はさほど神経質になる必要が無いだろう、ということはあらかじめ予測していたのですが、この家の荷重の1/8程度が集中的にかかるこの1点(←出隅の通し柱の直下)に昔井戸があったせいで、たまたま局所的に非常に弱い地盤であるということは、地盤調査を実施していなかったら見逃していたことでしょう。

やはり地盤調査は欠かせませんね。

これから家づくりに臨まれる方は、必ず設計に先立って地盤調査をして下さい。
費用は3~5万円程度で済みますから。

試し掘り

先週末に解体工事が完了した明石市の現場では、解体工事の最後の整地作業のときに、職人さんに頼んでユンボ(別名パワーショベル?)で穴を掘ってもらいました。

深さは約1m程度。
目的は、地下の地質を見るのと、土のサンプルを採るためです。

その時掘った穴が下の写真です。


試し掘り


 


 


 


 


 


もちろんこの現場でも、近いうちに地盤調査(スウェーデン式サウンディング)を行うのですが、スウェーデン式サウンディングは安価でおよその地盤性状傾向が把握できるとはいえ、ボーリングのような詳細なデータはとれません。

木造住宅のような比較的軽い建物であれば、一般的にスウェーデン式サウンディングで地盤調査をして方針を決定→施工という流れが多いのですが、僕は可能であれば、実際にユンボのアームが届く1~2m程度まで穴を掘ってもらって、地層の構成を直接目視して確認し、土質資料を採るようにしています。

また、この試掘することによって地下水位をきちんと測定できるというメリットもあります。

これから家づくりに取り組まれる方は、依頼する建築家や工務店さんに地盤調査とともに試掘してみてほしいと頼んでみると、より安心できるかもしれませんね。



さて、今週末(3/13-14)に開催する京都市N邸の完成見学会ですが、たくさんの方からお申込みを頂いています。
(みなさま、どうもありがとうございます)

実は建築関係の専門家の方からの申し込みの方が圧倒的に多く、これは伝統構法への関心の高さの表れだと思うのですが、予想をはるかに上回る申込があったので、あと1‐2組で専門家の申込は締め切るつもりです。

迷われている専門家の方はどうぞお早めに。

一般の方はまだ少し余裕があります。
ぜひこの機会にごらんください。

下の写真は、このN邸に使っている構造材を製材した時の写真です。
長さ9.5mの杉の原木ですが、この現場ではこういう一本物を梁や桁などにたくさん使っています。

市場で既製の商品の中からこういった特別長い一本物の木を買うととても高くなってしまうのですが、東風では山で立ち木を買っているので、一般市場価格よりもずっと割安でご提供できているんですよ。

見学会への参加お申し込みは下記リンクからどうぞ。


製材2008


 


 


 



【お知らせ】

3/13(土)-3/14(日)の2日間にわたり、京都市左京区N邸で
新月伐採材を使った石場建て伝統構法住宅の完成見学会を行います。
詳しくはこちらをご覧下さい。

(株)木造建築東風のサイトはこちら
世界に、300年先も美しい風景を

碍子

明石市K邸の現場で行っていた解体工事が先週いっぱいで無事完了しました。

近隣のみなさまには騒音やほこりなどでご迷惑をおかけしたと思いますが、何とか予定よりも短い期間で工事を完了させることができました。

ご理解を頂き、誠にありがとうございました。



そのK邸の既存建物から出てきた碍子を集めて洗いました。

壊れてしまった分などもあると思うのですが、これだけ残りました。


碍子


 


 


 


これは特にどうやって使おうかと決めているわけではないのですが、一つ一つ手作りなので形も大きさも微妙に違うし、歪んでいたりしてなかなか愛らしいですよね。

これからKさんとゆっくり考えてみたいと思っています。



【見学会のお知らせ】

下の写真は京都市N邸に使った大黒柱を伐採した、静岡の山から撮った景色です。

ここは標高が高く、とても霧が深いところで、いい杉が育ちます。
樹齢110年の木を、22cm角のほぼ赤身だけで仕上げた目の詰んだ大黒柱はなかなか見応えがありますよ。

梅ヶ島






3/13(土)-3/14(日)の2日間にわたり、京都市左京区N邸で
新月伐採材を使った石場建て伝統構法住宅の完成見学会を行います。
詳しくはこちらをご覧下さい。

(株)木造建築東風のサイトはこちら
世界に、300年先も美しい風景を