明石市K邸」カテゴリーアーカイブ

玄関式台を製材しました

月曜日に、いつもお世話になっている三田市の西本製材所さんへ行き、明石市k様邸玄関で使う予定の式台用の材料を製材してもらいました。

式台1004_1

上の材料は建具用に使おうかと思って取り置きしておいた杉の幅広板です。
長さが5mあったので、そのうちの先端約2mを切って使うことにしました。

この木は2007年11月の新月期に静岡で伐った材料です。
ちょうど3年天然乾燥させたことになりますね。

式台1004_2

上の写真がその2mに切った部分です。
厚みは6cmで樹種は杉です。

この写真では耳(両サイドの丸みがついた皮の部分)が残っていますが、この後耳を落してもらって表面のねじれや反りを取るために、ほんの少しだけ(表裏約1.5mmずつ)製材してもらいました。

この板は今週末に京都市左京区へ持って行って、チョウナで化粧ナグリを施してもらいます。

昨年も同じやり方で杉の式台を作ってもらったんですが、このナグリの式台がかなり好評です。
昨年なぐってもらった時の記事映像も公開しています。
もし良かったら見てくださいね。

今回もまたビデオ撮影してこようかな。

黒い外壁が張れました

outside_k

明石市で施工中のK様邸で外壁のスパンサイディングがほぼ張りあがりました。

K様は黒い外壁と木の色の対比がパキッと出る感じにしたいとお望みになったため、サッシ・外壁ともに黒を選択しています。

軒先の高さとか家のボリュームはお隣の家とほぼ同じにしているので、白黒写真を撮ったら町並みとしては何の違和感も感じずになじむのでしょうね(笑)。

でも黒にすると、家の外観はかなりインパクトが強くなります。
竣工して家の手前に植樹して緑が添えられたら、また一段と映えるでしょうね。
今から楽しみです。

今日から奈良市内で着工するOさん宅も、2階の外壁は黒です。

黒い外壁の家は、小規模な住宅には良く合うと思います。

ケヤキのカウンター材

今日は朝から明石市K様邸の打ち合わせを現場で行った後、三田市の西本製材所さんへ行って、K様邸用ダイニングカウンター材を探しました。

杉・トチ・ケヤキ・松・ミズメ桜などの希望樹種を伝えておいたところ、西本製材所の専務さんがいくつか候補となる材料を準備しておいてくれました。

西本さん、ありがとうございました。

いろいろ悩んだ末に、K様ご夫妻がダイニングカウンター用材として決定されたのが、下の画像のケヤキの一枚板です。

長さ3m、巾540mm、厚み60mmでした。

ケヤキのダイニングカウンター

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この大きさのケヤキの無垢材にしては、かなり安い価格で譲って頂けることになりました。

ご覧のように節があったりしますが、この大きさで、しっかり寝かせて天然乾燥させた材料の価格としては破格だと思います。

これ以外にも、大変美しい杉の一枚板(長さ4.7m、巾500mm、厚み60mm)も、木に申訳ないような破格値で譲って頂けることになり、とてもいい買い物ができました。

西本さん、いつもお世話になりっぱなしだというのに、どうもありがとうございます。
感謝。

ナキドコロ

東風で設計する建物は、いわゆる【逃げ場】がありません。

構造材はほぼ全てがあらわしになり、床板も天井板も、ほとんど全て裏表ともに化粧仕上げになります。

そんな設計なので、一番の泣き所は設備関係の配管・配線に関する部分です。
毎回毎回、大変ですっ!

明石市で進行中のK様邸でも電気配線が見えないように、大工さんと電気屋さんが協力してこんな風にすっと納めてくれました。

電気配線

 

 

 

 

 

この写真は1階の天井を見上げたところですが、中央に下りてきている配線はどこにも露出していません。
(画像を拡大して見てもらえればわかります)

この床板は下地なしの厚い杉板(35mm厚)を梁の上に直張りしただけですから、2階から見るとこの天井板が床板になっています。

どんな風に配線したか、やり方がわかった方はコメント欄まで(笑)。 

床板張り作業進行中

明石市K様邸では、外部の防水シート張り作業が完了し、開口部にアルミサッシも取り付いたので、いよいよ床板を張る作業が始まりました。

下の写真は2階のダイニングおよびキッチン部分の床板張りが完了したところです。

DKフロア

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

床には段差がついています。
K様邸は対面式のキッチンとなっており、
写真中左手の高い方がダイニングスペース、右手がキッチンスペースとなります。

これはご相談を頂いた当初からの

「ダイニングチェアに腰掛けている人、
 キッチンに立っている人、
 リビングで床に座っている人、
 それぞれの目線の位置が同じ高さになるようにしてほしい」

というご主人のたっての希望に基づくものです。

この写真では床板の高さが2段階になっていますが、今張り始めているリビングの床が出来上がると、さらに高いレベルの床ができて、3段階の床の高さができるということになります。

天井はいつもどおり吹き抜けていて、丸太の梁も架けられた小屋組みが露出している一室空間の中で、床のレベルが3種類ある空間はとても変化に富んでいて魅力的なものになりそうです。

構造見学会へのご来場ありがとうございました

9/5(日)、明石市のK様邸現場にて構造見学会を開催させて頂きました。
当日は猛暑の中、6組14名(終了後、さらに別で2組)の皆様にご来場頂きました。

遠路足を運んで下さった皆様、ならびに見学会の機会を与えて下さったK様、本当にありがとうございました。
心より御礼申し上げます。

見学会では、これまでの工事の経緯や、材料の選定に関する話のほか、ちょっと変わったシロアリ対策についてお話させて頂きました。

シロアリ対策については、東風でいつもシロアリ対策のアドバイスやサポートをして頂いている、阪神ターマイトラボさんに作成して頂いたレポートをみなさまに配布し、現場を見ていただきながら具体的な考え方について説明しました。

(水谷さん、詳細なレポートありがとうございました。
 皆様に水谷さんのことおすすめしておきましたよ。)

東風の見学会には、なぜかいつも過去のクライアントさん(=東風で家をつくらせてもらった方)が1組以上顔を出して下さるのですが、東風のスタッフが他の方への対応中の場合、過去のクライアントさんがスタッフに代わって来場者のみなさまへの対応(というか営業?笑)をして下さる場面がちょくちょくあります。

いつも大変ありがたく感じているのですが、今回も建築主のK様をはじめ、3年前に家を建てさせてもらったT様も丁寧に説明をして下さったようで、感謝×感謝です。

初対面の方からすると、僕が話すことを聞いても、
「きっといいことしか言わないんだろう・・・」
とにわかに信じがたいこともあるかもしれません(←自嘲)が、ユーザーさんから直接いろんなことを聞けると、これから家づくりに臨もうとされている方にとっては非常にありがたい情報として、良いことも悪いこともす~っと受け容れられるでしょうね。

と、書きながら今ふと思いついたのですが、設計者・工務店とも不在=ユーザー主催の見学会とか実施したら面白いかもしれませんね。

本音だらけで、ユーザーのみなさまにとっては大好評かも。
一度やってみようかな?

とにかく、みなさまどうもありがとうございました。

最後に。

K様がご自身で作られた構造フレームの模型をご紹介します。
以前にもVer.2をご紹介したことがありますが、今回のものは最終モデルでVer.3 なのだそうです。

僕自身も大学の夏休みの宿題以来、こんな構造模型は作ったことがありませんが、すごい完成度です。

k邸モデル1

 

 

 

 

 

 

 

 

↑ 模型全景。
  筋交いも差鴨居も図面通りきっちり作られています。

k邸モデル2

 

 

 

 

 

 

 

小屋組みの丸太梁には驚きました!
脱帽です。

今日は中間検査

明石市で施工中のK様邸、徐々に工事が進んできております。
ようやく屋根も葺き終わったので、職人さんも影に入れる環境が整いました。

雨も防ぐことができるので、ちょっと一安心です。

筋交い0831

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は午後から中間検査を受ける予定です。

今回の建物は伝統構法ではなく、在来工法ですので、中間検査の焦点は
 ○ 耐力壁がきちんと配置されているかどうか?
 ○ 引抜力に耐えうる金物などが適切に配置されているか?
というところになります。

壁の中には筋交いを入れて、必要な場合には金物で補強します。
でも、柱と横架材(梁など)の仕口には、できる限り四角形の込栓を打ち込んで木材同士で縫うようにしています。

最近は、柱と横架材の仕口も金物だけで納めてしまうやり方があるのですが、耐久性の面で僕自身どうしても納得がいかないので、金物は使わずにホゾと込栓で対応しています。

ロフト0831

 

 

 

 

 

小屋組みもほぼ完成形がイメージできるような状態になってきました。

断熱材はいつもどおり、この上に入れていますので、竣工した後も天井はこのままです。

構造見学会もいよいよ今週末(9/5 日曜日)に迫ってきました。
お申込いただいている方へは、明日あたりに現場の住所などをご連絡する予定です。
しばらくお待ち下さい。

見学会のお申込はこちら(↓)からどうぞ。

明石市7.5寸角大黒柱の家 構造見学会のお知らせ

平板瓦

明石市K邸では屋根工事が進んでいます。
週末には瓦屋さんが屋根を葺きに来てくれました。

平板瓦0820_1

 

 

 

 

 

今回はよく見る波型の日本瓦ではなく、平板瓦という平たい瓦を葺きます。
平板瓦は通常の日本瓦と比べて、棟やケラバなどの納まりが若干異なります。
材質は陶器製で、釉薬がかかっています。

瓦は下葺き材(今回はゴムアス系ルーフィングを使用しています)を葺き、瓦桟を打ったら、まず最初に全ての地瓦を屋根の上に載せます。
こうして屋根に荷重をかけると、下で荷重を支えている梁などに負荷がかかって場所によっては微妙に下がってきたりすることもあります。

そうやって下がってきたのを見極めてから内法鴨居を取り付けないと、あとで引戸が突っ張って動かなくなる、なんてこともあるようです。

上の写真は棟付近から撮ったもので、下の写真は逆に軒先付近から撮ったものです。

平板瓦0820_2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 写真を撮った時には軒先の3列がすでに葺き上がっていました。

今の瓦は葺くのにほとんど土を必要としません。
その代わり、引っ掛け桟(瓦桟)という木を打っておいてそこに瓦を引っ掛け、上から釘で止めて葺いていきます。

木造建築物の耐震研究が進むに連れ、「屋根は軽い方が地震に有利」と言われているものですから、新しく商品開発される瓦はいろんな材料を使ってドンドン軽量化が図られています。

僕はあまり使う機会がないので良く知りませんが(恥)、今はいろんな形の新しい瓦が販売されていて、機能・価格なども様々です。

【お知らせ】

9/5(日)に兵庫県明石市内で構造見学会を開催させて頂くことになりました。
見学の機会を与えて下さるK様に感謝。
当日は構造見学会ならではの企画として、他社とはちょっと違う白蟻対策などについてもお話ししたいと思っています。
詳しくはこちらをご確認の上、お申込み下さい。

垂木(たるき)と、ひねり金物

明石市の現場では、屋根工事が進んでいます。

垂木

 

 

 

 

上の写真は、屋根の上に上がって、屋根面を見下ろしながらとった写真です。

化粧垂木(杉:90mm×45mm)の上に、化粧野地板(杉板:本実加工 厚み12mm)を張っている最中に撮りました。

板の表面に筋がいっぱい入っているのは、板の反りを防止するための切り込みです。
無垢材のフローリングなど、片面のみが化粧の板の場合は、このように筋状の溝を入れて板が反りにくいようにあらかじめ加工しておきます。

ひねり金物

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上の写真は屋根面を下から見上げたところです。
さっきの写真とはちょうど逆の方向から見ています。

軒桁(のきげた)と垂木(たるき)が交わったところに銀色の金物が見えますが、これは【ひねり金物】というものです。

軒の出が深ければ深いほど、台風など強風にあおられた時に、屋根には大変大きな風圧力がかかります。

そんなときにも屋根が丸ごと飛ばされないようにという備えとして、このひねり金物を取り付けるのです。

9/5の構造見学会の折には、そのあたりも見ていただけるかな・・・ひょっとしたらもう外壁の下地に覆われてしまって、見えなくなっているかもしれません。

【お知らせ】

9/5(日)に兵庫県明石市内で構造見学会を開催させて頂くことになりました。
見学の機会を与えて下さるK様に感謝。

7.5寸角(22.5cm×22.5cm)の大黒柱(↓)は天然乾燥させた杉の新月材です。

大黒柱建方-4

 

 

 

 

 

当日は構造見学会ならではの企画として、他社とはちょっと違う白蟻対策などについてもお話ししたいと思っています。
詳しくはこちらから

屋根の荷重を支えるゴロンボ

明石市K様邸の上棟が済み、ボチボチ屋根仕舞工程が進んでいます。

台風がやってきたり、あまりの酷暑で大工さんがグッタリしてしまったりと、いろいろありますが、K様はご夫妻で足場に上って、構造体をまじまじと眺めては
「見飽きないなぁ~♪」
と嬉しそうでした。

ゴロンボ

 

 

 

 

 

写真の中の赤矢印で差しているのは、屋根の荷重を支える太鼓梁(ゴロンボ)です。 

丸太の両サイドのみを製材して落として木目を出し、天端と下端は丸みのついたままの状態で使う材料のことを、【太鼓摺り】とか【太鼓落とし】などと言います。

今回の太鼓梁は末口 φ 240 mm × 長さ4m の杉の木です。
製材時にちょっと変わった注文をつけて、他とは違う木採りをしてもらいました。

製材してくださった森林組合の部長には
「そんな挽き方、初めてですなぁ」
と言われました。
(↑太鼓摺りのことではなく、どんな風に太鼓にするか?という製材手法です)

僕も最近までやったことがなかったのですが、7月に静岡で教わって試しにやってみたところ、絶対この方が丸太がきれいに見える!とわかり、それからはドンドンこの方法で挽くようにしています。

きっと昔の人は何の変哲もなく当たり前にやっていたと思うのですが、最近ではあまりやる人がいないのでしょうか?

9月にはこの現場の構造見学会を開催することが決定したので、現場へ来て下さった方は丸太も見て行ってくださいね。