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ボランティアによるかやぶき民家再生プロジェクトの報告


先週末(7/9、10の2日間)、兵庫県赤穂郡にて、NPO法人・日本民家再生リサイクル協会(以下JMRA)主催イベント

 
【 ボランティアによるかやぶき民家再生プロジェクト~第2回 】
 
が行われました。
2日間で延べ35人(←参加申込希望者多数につき、定員を超えた時点で申込受付を締め切りました)が参加され、基本的に素人(=建築職人ではない人)だけで、2010年完成に向けた、築100年のかやぶき民家再生のためのワークショップを行いました。
ちなみに僕は、JMRA近畿地区運営委員でもあるため、上記このプロジェクトのリーダー(兼、使いッ走り?)として、企画・運営のあらゆる面をサポートさせてもらっています。
(↑このプロジェクトに関する、詳しい事情、これまでの経緯などについては、JMRA・近畿地区ホームページにて詳しく公開していますので、ぜひ一度ご覧下さい)
 
今回は、建物の足元(床下に隠れて見えなくなっている柱の根元部分)の傷み具合を確認することが、一番大きな目的でした。
そのために、既存床組み材(畳・床板・根太・大引など)をすべて解体し、一本一本柱を詳細に調べてまわる、という作業を行ったのです。
調査のための作業は順調に進み、予定通り(というか、みなさんのやる気が非常に高く、予定よりもかなり早く)調査を完了することができました。
ボランティアとして参加・協力してくださったみなさん、本当にありがとうございました。
(後日談ですが、当日の様子をオーナーにご報告したところ、大変喜んでくださっていました)

しかし、実は今回のワークショップには、上記の作業以上に大成功を収めたことがありました。
それは、これまで懐疑的(?)な目で僕たちの活動を

『 あいつら、都会からこんなところまでわざわざやってきて、ナニをやろうとしているんだ?

なんか怪しい集団なんちゃうか?』

と、遠巻きにイロ眼鏡で見ていた近隣地域住民のみなさんが、僕たちの活動に興味を示し、協力してもいいよという態勢に少しずつ傾いてきたということです。

これが何よりもうれしいコトでした。

(地域のみなさん、どうもありがとうございます!)

実はそのために僕たちがナニをしたのか?というと、とても単純なことで、自治会のみなさんが行う、農道の草刈作業を手伝っただけなのです。
本当にただそれだけです。
でも、それで地元のみなさんが僕たちを見る目がすっかり変わったのです!

イベント開催2日目のお昼には、自治会の区長さんが直接足を運んで下さってお礼を行ってくださっただけでなく、缶コーヒーの差し入れまでして下さいました。

(区長さん、ありがとうございます)
帰りがけには、近隣のおばちゃんが
「うちの畑で採れた野菜なんやけど・・・」
と言って、たくさんの新鮮な野菜を差し入れてくださいました。
(おばちゃん、どうもありがとう)

このプロジェクトを通じて、地元住民のみなさんとの間に友好的ないい関係が築き上げていけるように、これからも頑張っていって、

1. 地域のみなさんにも
2. 民家のオーナーにも
3. そしてボランティアで参加してくださっている協力者のみなさんにも

みんなが喜んでハッピーになっていただけるようなプロジェクトにしたいと思っています。

今回のワークショップに参加してくださった皆さんは、どなたも

「とても楽しかった。
次回またぜひ参加したいと思います」

と言って下さいました。
雨が降りしきる中を、雨カッパを着てずぶぬれになりながら草刈作業をしてくださったにもかかわらず、です。
しかも作業の(金銭的な)報酬は一切なし。

現地までの往復の交通費は自己負担。
参加費用も払いながら、という状況でこのような感想をみなさんが口にしてくださるのです。

本当にやってよかったと思いました。
参加してくださったみなさん、本当にどうもありがとうございました。
そして、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


左:昼食の風景    右:参加者全員で記念撮影

注 : ここに掲載させて頂いている写真は、上記イベントで献身的な協力をしてくださった、
和歌山県在住のJMRA会員・東さんが写された写真を使わせて頂いています。
東さん、どうもありがとうございました。

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製図スタイルを3次元へ

まだ具体的にどうするかは決めていませんが、今後は設計図の表現を
これまでの平面的な2次元のスタイル

立体的な3次元のスタイル
に変えていこうと考えています。

これまでは、プレゼンテーションの段階でのみ、立体的な3次元の図面を使ってクライアントのみなさんにご説明をしてきました。
今後ももちろん、必要に応じて2次元の図面は平行して使っていきますが、実施設計と呼ばれる詳細図を描く段階において、積極的に3次元の図面を用いていこうと思うのです。

理由は簡単。

3次元的な表現を用いた図面の方が、一般のクライアント(建築主)のみなさんにとって、よりわかりやすい図面となるからです。
まだまだ試行錯誤を重ねていく段階なので、いろんな不都合が出てくるかもしれませんが、

【 誰にとっても理解しやすい 】
ということに重点を置いて考えていきたいと思います。

建築の世界では、詳細な設計図においては2次元が主流です。
しかしそれはなぜかというと、

【 図面を見る人=現場で施工する人←職人さんにわかればよい 】
という暗黙の了解があったからです。
(まぁ、理由はそれだけではありませんが・・・)
しかしよく考えてみると、一番大事なクライアントにとっては判りにくい(=同意を得られにくい)表現(=図面)であるという、ねじれた構造になっています。

僕ら建築家にとって、図面というのは最も重要なコミュニケーションツールです。
コミュニケーションの原則は、

【 お互いの意思が通じること 】
のはずです。
いくら内容が素晴らしく高尚なものであっても、表現が難解で理解できない本や絵画は感動を生まないのと同じように、クライアントにとって難解な図面はどこかおかしいと思うのです。

と、そんなことをつらつらと考えながら、日々図面を描いています。

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さて問題です。この違い、あなたはわかりますか?

先週末現場へ行ったときに、瓦屋さんが瓦を葺いていました。
そこでたまたま、いろんな瓦が目の前にあったので写真を撮ってきました。
上の写真は、左が新しい瓦。右が古い瓦です。

さてここで問題です。
この2枚の瓦、ちょっとだけどこか違うんですが、
どこが違うのでしょうか?

じ~っとよく見てください。
(写真をクリックすると、拡大画像が表示されます)

正解は・・・、瓦先端のエッジが違うんです。
下の写真を見比べてみてください。
(わかりにくかったら、写真をクリックして拡大してから見てください)

↑これは古い瓦ですが、面取り(めんとり)と言われる種類の瓦です。
先端が全体に「ぬるっ」と丸く面取りされているのでこう呼びます。

 

↑一方、これは新しい瓦ですが、面無し(めんなし)と言われる種類の瓦です。
さっきとは逆に、先端のエッジが効いていて、面取りが為されていません。

※注 : 現在の新しい瓦が全て面無し瓦ということではありません。
新しい/古いに関係なく、面無し・面取り、瓦には2種類ある
ということです。

これらはどう使い分けるか?
屋根の表情を変えるためです。

ほんのちょっとした違いなので、これが実際に屋根に葺かれるとわざわざ指摘されない限り見落としてしまいそうですが、人間の目はすごいもので、この違いを

「なんとなく、やさしい感じね」 ← 面取り瓦を使った場合

「なんとなく、シャープな雰囲気やなぁ」 ← 面無し瓦を使った場合

という風に、ちゃんと感じ取ります。

建物を作るときは、こういう些細なことの積み重ねで全体のデザインを構築していくのですが、これもやはり先人の知恵ですね。
こういう繊細な感覚を持っていた日本人の伝統を、これからもきちんと受け継いでいきたいものです。

 

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キラ(雲母)押しの唐紙と照明 @大阪・適塾

この前の日曜日に、NPO法人・日本民家再生リサイクル協会・近畿地区の主催イベントまちなみスケッチ&フォトハイクに参加してきました。
今回は大阪市中央区の北浜~船場にかけて残る、近代建築を見るのが目的でした。
東京駅の設計者として有名な辰野金吾氏をはじめ、渡辺節氏、安井武雄氏など、日本の近代建築界をリードした、そうそうたるメンバーが設計された建物が実はゴロゴロしていたことにおどろきました。

その中に建つ、緒方洪庵(1810~1863)が蘭学を教えた場所・適塾に寄ったときのことを書いてみます。

 

 

適塾の存在は以前から知っていて、目の前を何回も通り過ぎていたのですが、入ったのは実は今回が初めてでした。
この適塾は、例のお札のオジサン(←そうじゃないやろ!)・福沢諭吉などを輩出し、現在の大阪大学医学部の前身であった(現在の適塾は大阪大学が所有)ことなど、近代日本史が嫌いだった僕にとっては、

 

「へぇ~♪」

 

の連続でした。

 

 

 

まぁ史実はさておき。

適塾の建物は大変手の込んだ品のある造りで、なかなかセンスのある棟梁(←大工)が手がけた様子が感じられました。
全体に少し骨太な感じのする木割りでしたが、そんな中にも各所に繊細さを感じさせるセンスはなかなか素晴らしく、この建物をつくられたのは、きっと名のある方(大工)だったのだろうと推測しました。

取次ぎの座敷の柱は、とても素性のいい杉の4寸角柱できちっとした格を出しているのですが、床柱にアテ錆び丸太(アテとはあすなろの木。錆び丸太とは、甘皮を残して放置・発酵させ、丸太の表面に斑点を残した化粧丸太)を使ってちょっと野趣をもたせ、庭に面した開口部には掛け込み天井を設けて庭への連続感を表現するなど、手が込んでいました。

どの部屋も照明が大変暗く抑えられていたのですが、そんな中でひときわ静かに引き立っていたのが、”キラ押し”の唐紙(からかみ)です。

 

 

”キラ押し”とは雲母(うんも)の粉を顔料に使って、版木を型押しした唐紙のことです。
鈍く銀色に光るキラ押しの唐紙を貼った襖は、現代の空間で用いられるような明るい蛍光灯の下では、その繊細な味わいが全て飛んでしまいます。
ほの暗いろうそくや小さな白熱灯の明かりの下にあって初めて、幽玄な鈍い光を放ち始めるのです。
適塾では、小さな五三の桐の文様が一面に繰り返し型押しされた唐紙でしたが、久しぶりに唐紙本来の持つ繊細な美しさ、谷崎潤一郎が陰影礼賛の中で表現したような、あの空間に通じる日本の美を感じることができました。

 

 

今回はちょっとなんだか文学的な表現になってしまいましたね。
読みにくかったですか?

 

 

 

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セルフビルドとコストダウンについて~その3

前回・前々回に引き続き、現在お住まいの家・または中古物件のリフォームにおけるセルフビルドとコストダウンの方法について書いてみます。

(※注:前回、および前々回の記事をまだ読んでいらっしゃらない方は、【セルフビルドとコストダウンについて~その1】【同~その2】を先にお読みください。その方がよりよく理解していただけると思います。)

今回はセルフビルドの目的について書いてみたいと思います。

セルフビルドの目的は3つに分類されます。
それは、


A) コストダウンしたい!

B) 作業を楽しみたい!

C) 建物に自分の思い入れを入れたい!

です。


A) コストダウンしたい! という方へのアドバイス
コストダウンの目的でセルフビルドを行う場合は、プロに頼む仕事(=出費)をできるだけ減らしたい、というのがホンネですよね?
ですから、自分でできる工事量をできるだけ増やせばよいのです。
多くのケースでは、プロがやろうとしている仕事の中で、自分でもできそうな工事(例えば塗装、左官の薄塗り壁仕上げ工法など)のみを建築主がやられているようですが、これだけでははっきり言ってコストダウンできる金額は数万円です。
もっと大きくコストダウンしたい!と思ったらどうすればよいか?
そこから一歩も二歩も踏み込んで、プロがやろうとしている仕事を、素人でもできるような工法・デザインで設計しなおして(←ココが大事)、自分でやってしまえばよいのです。
あなたに時間とやる気があって、指導してくれる人がいれば、たいていのことは自分でできます。
でも、防水・給排水・電気に関する部分は、専門知識や経験がない場合にはやめておかれた方がいいと思います。

B) 作業を楽しみたい! という方へのアドバイス
「木工が好きなんです!」という方に多いのですが、自分で何かを作るのを楽しみたいので家づくりに参加したいという方。
これはもう特に難しいアドバイスなどはありません。
まずリフォームを担当してくれる設計者や施工者の方、そして現場の職人さんと仲良くなって下さい。
そしてわからないことをドンドン素直に質問して、なんでも教えてもらうのです。
材料のこと、やり方のこと、自分がこんなことをやりたいと思っていることなど、何でも遠慮せずに聞いて、情報を仕入れてください。
でもちょっと工夫が必要です。
それは

「すみません、ちょっとわからないので教えていただきたいんですが・・・」


とまず前置きしてから聞くことです。

これは相手にこう(↓)言っているのとほぼ同じです。

「私は素人でどうしたらいいのかわからないので、プロであるあなたに助けてもらいたいんですが・・・」

お客さんからこう言われて、うれしくない職人はまずいないでしょう。
きっと懇切丁寧にいろんなことを教えてくれると思います。

C) 建物に自分の思い入れを入れたい! という方へのアドバイス

これを意識して実行されている方は、まだ少ないかもしれませんね。
ここでちょっと、僕が実際にクライアント(建築主)と一緒になって作った六甲山麓の家で実際にあったことをご紹介します。

六甲山麓の家では、内装工事(木工事から仕上げ工事までの一切)を全て素人(建築主・彼の弟・友達など)だけでやりました。
毎週末(土日)はもちろん、朝から晩まで現場で大工作業です。

幸い、工事中の仮住まいを現場のすぐ近くでしていたので、クライアントの子供(小学生の男の子と保育園に通う女の子)2人や近所の子供達もほぼ毎日、現場へ遊びに来ていました。
つまり彼らは、お父さんが最初から最後まで家を作っているところを実際に何度も目の当たりにしているのです。
こうなると、家に対する家族の思い入れは全く違ったものになってきます。
表現が適当かどうかわかりませんが、入居する前からすでに「家がもう一人の家族」みたいな感じになってきます。

こうなると、その家はきっと後世まで大切に使われつづけることでしょう。

以上、大変長くなってしまいましたが、セルフビルドの目的について書いてみました。
最後まで読んでくださって、どうもありがとうございました。

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セルフビルドとコストダウンについて~その1

今、あるクライアントさんと一緒になって、築40年の家のリフォームを計画中です。
この現場は、コスト面での条件が厳しい中でのリフォームになるのですが、ここでちょっとコストダウンの基本的な考え方についてご紹介します。

最近、セルフビルドという考え方が徐々に一般的になりつつあります。
できることは自分でやろう!ということから、人件費削減の手法としてセルフビルドをやりたい、と考えられる方は多いように感じますが、はっきり申し上げてセルフビルドによるコストダウンは思ったほど効果が出ません
建築費用の5~10%しか下げられない、というのが実情です。
(なぜこんなことを申し上げられるかというと、僕は六甲山麓の家という現場で、クライアントと一緒になってセルフビルドで新築の家を1軒作った実績があるからです)
しかし、セルフビルドを行うメリットは実はコストダウンだけではありません。
建物に建築主の熱~い思い入れを込めることができるというのが、もう一つの大きなメリットです。
(↑これがあるから、僕はセルフビルドをやりたい!という方のサポートを積極的に行っているのですが)

じゃあ、どうやったらコストダウンできるのでしょうか?
新築の場合にはちょっと話が違いますが、中古物件のリフォームという場合のコストダウンの基本的な手法についてお話したいと思います。

(次回 セルフビルドとコストダウンについて~その2に続く)

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北海道から大工さんが来ました(その2)~かやぶきの里・美山町


<前回の記事の続きです>
北海道から研修旅行にやってきた若手大工さん3人を、かやぶきの里として全国的に有名な、京都府の美山町に案内しました。
美山町でも北地区という、特に景観が優れているところです。
(なぜか僕は何度美山に行っても、毎回雨なのですが・・・)

彼らは口々に
「いいなぁ、ココ。北海道へ帰りたくなくなってきましたよ。」
と言っていました。

北地区の中では、電信柱が立っていません。
昔ながらのまちなみが残る集落や町としての指定を受けた、伝統的建造物群保存地区というものが全国各地に存在します
そしてこれらの多くでは、景観を乱す要素であるとして、送電線は地中に埋設され、電柱がありません。
こういう風に町の中に電柱が無い所へ行っても、言われるまでは電柱が無いことにあまり気付かないのですが、このような地区の中にいると空が広くなったように感じられ、なんとなくすっきり視界が開けるような印象を受けます。
本当は、日本全国から送電線が無くなると、もっと美しい国になるのですが、コストの関係でなかなかそれは難しいでしょう。

美山町・北地区の中で、かやぶきの葺き替え作業中の現場がありました。
(上の写真がそれです)
現代の建築現場では、一般に外部足場の材料には鉄の管で構成された銀色の足場材を用いるのですが、美山の伝建地区内での工事だから景観に配慮したのでしょうか?
足場には、昔ながらの足場丸太(←木の丸太)が使われていました。

以前、日本民家再生リサイクル協会・近畿地区主催で、美山町のかやぶき職人さんをお招きしてかやぶき屋根についての講座を行った時に教えていただいたのですが、かやぶき屋根は実は一つの屋根に、3種類の材料を使い分けて(=3層にして)葺かれているそうです。
美しい屋根の中にも、長い伝統の中で培われた職人さんの叡智が込められていることをその時に学びました。

なお、現在上記日本民家再生リサイクル協会・近畿地区では、民家について1年かけて学ぶ連続講座、きんき民家塾 第4期生を募集中です。
興味のある方はホームページをのぞいてみてください。

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【木の家】 民家について学んでみませんか? (一般向け基本講座受講生申込受付中)

民家塾-2

第4期 きんき民家塾 受講生を募集中です!

NPO法人・日本民家再生リサイクル協会 近畿地区では、毎年きんき民家塾という(建築の専門家でない)一般の方向けの基本的な講座を開講しています。
約一年間かけて、毎月1回ずつ定期的に講義を行い(全7回)、民家だけでなく、木の事、大工さんの仕事のこと、左官のことなどを全般的に学ぶことができる通年講座です(体験型講座あり)。
一年を通して固定されたメンバー(定員:25名)でいっしょに学ぶスタイルをとっているので、例年、楽しく学びながら新しい仲間がどんどんできていっています。

民家塾-1カリキュラムや費用、申し込み方法などは、NPO法人・日本民家再生リサイクル協会 近畿地区ホームページにてご確認ください。

(左の写真は、昨年度のきんき民家塾で行った、夏季合宿のワークショップ@長野県大平宿での様子です。)

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3/6(日) 神戸市北区で古材と太陽熱床暖房(OMソーラー)の家、体験見学会を行います

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今週末の日曜日、3/6(日)に神戸市北区で”六甲山麓の家”のOMソーラーシステム体験見学会を行います。
OMソーラーシステムとは、太陽熱で全館床暖房を行うシステムです。
まだ寒いこの時期に、その柔らかな暖かさをぜひ体感していただければ、と思い、見学会を開催することにいたしました。
 
この六甲山麓の家では、リビング上部の吹き抜けにかかる梁に松の古材を使用しました。
 
竣工してちょうど1年経ちますので、荷物などがチョット散らかっていて生活感たっぷり(笑)ですが、1年間住まわれた建築主からの経験話も伺いながら、楽しく過ごしたいと思います。
 
 
 
【日時】 3/6(日) 14:00~
【場所】 神戸市北区唐櫃(からと)台
     ※当日参加をご希望される方は、
      件名 : 『 六甲山麓の家 見学希望 』
      本文 : お名前と人数

      とお書き添えの上、下記までメールにてご連絡ください。  
      (↑配布資料用意の都合上、人数の把握が必要です)
      折り返しこちらより現地の地図をお送りします。
【連絡先】 サトウ都市環境デザイン 佐藤仁
       e-mail    info@mokuzo-architect.jp
       TEL 072-775-6780(前日まで)  /  090-9545-5135(当日)
 
 
 
みなさまのご参加お待ちしております。
 
 

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【木の家-9】あなたの家から考える地球温暖化~その3・太陽光発電パネルと床暖房のランニングコストと実際

前回は、太陽光発電パネルの普及のために、なぜ政府が助成金を出して援助しているのか、というお話をしました。

(前回、および前々回の記事をまだ読んでいらっしゃらない方へ。
誠に申訳ありませんが、このページの下にある2/19付の”その1”、2/22付の”その2”の記事を読んだあとでこの記事を読んで頂いた方が、よりよくご理解いただけると思います。お試しください。)

さて前回お知らせした通り、床暖房、太陽光パネル、ヒートポンプという、最近ハヤリの住宅設備機器3種目について下記の疑問に僕自身が計算(シミュレート)して得た結果についてご紹介したいと思います。

Q1  床暖房は電気式、温水式、蓄熱式などいろいろあるが、イニシャルコスト・ランニングコストを考えると、結局どれがオトクやねん!?
 
床暖房の熱源には、大きく分けると
 
  1 電気式・・・床板(または床板の下)に熱源となる発熱シートや電熱線を仕込んでおいて、通電すると発熱することによって暖を採るタイプの床暖房
2 温水式(灯油・ガス・ヒートポンプ等)・・・床板(または床板の下)に直径1cm程度のパイプを張り巡らせ、その中に温めた不凍液を循環させて暖を採るタイプの床暖房
 
の2種類があります(※1)。
そしてこれ以外に、安い深夜電力を使って発熱させた熱を採りこんで(蓄熱して)おいて、昼間には電源を切って余熱で過ごす、という蓄熱式が電気式のオプションとして考えられます。(※2)
 
今回僕が行ったシミュレーション結果について結論だけ申し上げると、下記のようになります。
 
  結論その1-1 イニシャルコストは電気(非蓄熱式)が一番オトク!
結論その1-2 ランニングコストはヒートポンプ(電気)の温水(蓄熱式)が一番オトク!
 
イニシャルコストとは、建築時(リフォームの場合には、設備導入費)にかかる費用(取付工事費用含む)のことです。
ランニングコストとは、設備導入後、月々負担するエネルギー消費料金のことです。
(さらに詳しい比較資料については、今日の記事の最後にご紹介しますので、ゼヒこのまま最後まで読んで下さい)
 
※ 1 実はこれ以外にも、太陽熱で床暖房を行うOMソーラーシステムというやり方もありますが、これは若干性質が違うので今回の比較においては採り上げないことにしました。
※ 2 灯油・ガスの温水式床暖房に関しては、深夜使っても昼間使ってもエネルギー消費にかかるコストは変わりませんので、蓄熱式を選択する場合には、電気式に限って比較検討しました。
 
 
 
Q2  太陽光発電パネルって値段がエライ高いけど、ホンマに元とれるんか?
 
これは条件付ですが、“元は取れます”
僕のシミュレーション結果では、約15年間使えばイニシャルコストは回収でき、16年目以降は儲かる(というかエネルギー消費コストを削減できる)という結果が出ました。
 
 
さてその条件とはナニ?というと、こういうことです。
 
  条件1-1 電気料金(1kwあたりの電気料金)が現在と同じ水準のままか、または現在よりも高くなると仮定した場合
  (つまり、将来原油価格の暴落等、何らかの理由によって、電気料金が現在よりもメチャメチャ安くなった場合には、このシミュレーション結果は若干違ったものになる、ということです)。
条件1-2 少なくとも15年間は、太陽光発電パネルのエネルギー変換効率が急激に劣化しない、と仮定した場合(※3)。
 
(さらに詳しい比較資料については、先ほど同様、今日の記事の最後にご紹介します)
 
※3 参考までに、現在販売されている太陽光発電パネルは、25年くらいは有効に使える、と言われています
 
 
Q3  エコキュートってヒートポンプを使った電気式温水器やろ?最近はやってるけど、ホンマにトクなんか?

これもオトクです。
はっきり言って元は取れます

しかし、ヒートポンプというのは耐用年数があり、約15年も使えばコンプレッサーがつぶれますので、機械自体を入れ替える必要があり、そのコストもかかります。
今回のシミュレーションでは、その機械導入にかかるコストも考慮しましたが、結果は『オトクだ!』ということになりました。
 
        *        *        *        *        *
 
 
 
以上が簡単なシミュレーションの結果報告です。
しかしこれは比較検討した上での最終的な結論をご紹介しただけです。
 
 
 
『オトクなんは分かったけど、ホンナラ一体ナンボちゃうねん!?』
(標準語訳:お得だっていうことはわかりましたが、それでは一体いくらくらいのちがいがでてくるんですか?)
 
 
 
っていうところがわかりませんよね?
そこまで突っ込んで詳しく知りたい!という熱心なあなたには、私から特別にダイレクトe-mailで詳細資料を直接お送りします。
本当はここで公表しても構わないのですが、僕も自分で苦労して導き出した結果ですので、もしネット上で安易に流用されたりするとちょっと残念です。
そこで直接僕にメールを下さった方にだけ、解説を付けて詳細な計算表を差し上げたいと思います。
事情をご理解いただければ幸いです。
 
 
 
さて、詳細なシミュレート計算資料を見たい!という方は、
  件名 : ブログ見ました
本文 : あなたのお名前(必須)、シミュレート計算資料送付希望

と書いていただいて下記までご連絡ください。
 
 
 
メール送付先 : サトウ都市環境デザイン 佐藤仁
 
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こちらより折り返しメールにてお送りします。
最後まで読んでくださってどうもありがとうございました。

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