投稿者「mokuzo_architect」のアーカイブ

新月材の大黒柱を持っていきました

8/7(木)に、和歌山の友人・東さんが1年間預かってくださっていた杉の大黒柱4本と梁2本を2トントラックに積んで、静岡へ走りました。

この材料は2006年11月の新月期に伐採し、4ヶ月間葉枯らしした後に静岡で製材した材料です。
樹齢110年の1番玉から採った大黒柱は、長さ6.6m、太さは細いもので24cm×24cm、太いものだと30cm×30cmあります。

大黒柱1

 

大黒柱2

1年間、東さんの倉庫に置きっぱなし(東さん、ありがとうございました)だったので材料の面(つら)を久しぶりに見たのですが、おとなしくて素直ないい木です。
惚れ惚れ見ているとついつい柱の表面を撫でてしまいます(笑)。

ストックヤード

今回材料を持って行った場所は、静岡市葵区梅ヶ島にある土地です。
ここはこれから毎年継続的に行っていく予定の、静岡材のストックヤードとして使います。
まだ仮の整地しか終わっていませんが、今月の下旬にはもう少し丁寧にレベル調整をして、6月から製材に取り掛かっていた材料を搬入し、ここで自然乾燥します。

今月末、来月上旬と、まだあと2回くらいは静岡へ行かなくてはなりません。
気づけば、ほぼ毎月静岡へ行っているように思います。
先祖のお墓参りができてちょうどいいんですが(笑)。

馬

今回、大工さんに特注した馬(うま)。
この上に木材を約2m積み上げるので、通常の馬の2~3倍の強度が出るように考えて作りました(重くて荷降ろしが大変!)。

「なんでこんなごっつい馬が要るん?」
と大工さんに不思議がられました。
でもこれだけ頑丈に作っておけば絶対安心です。

一昨年から取り掛かっているこの静岡でのプロジェクトは、現在の建築木材業界の常識とは真逆のやり方で、どう考えても経済的には非効率なことばかりです。

でも、エンドユーザー(建築主)にとってはすごくメリットが大きくて、木材も本来の魅力が存分に活きるし、林業関係者も喜ぶシステムです。
(管理するうちの事務所はなかなか手間がかかって大変ですが、この材料を使っていただく予定のクライアントさんにはとても喜んでいただいています)

現在作っている新しいホームページでは、このシステムの全体像をきちんとわかりやすくご説明できるようにと思案中です。
公開は今月末ごろの予定。
どうぞお楽しみに。

 

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世界に、300年先も美しい風景を

建物のコンセプト

建物を設計していく際には、【デザインコンセプト】というものがとても重要になります。
一般の方と建築家が家の構成を考える上で一番大きな違いは、この【デザインコンセプト】をどのように設定するか?ということだと思います。

最近は間取り作成ソフトなども廉価で販売されているので、建物内部の間取りを考えることだけなら、正直さほど難しくないでしょう。
でも、デザインコンセプトをどのように構築するか?ということは、割と難しいんです。

先日見学会を開催させていただいた、西宮市の現場のデザインコンセプトをどのように設定したか?についてお話ししてみようと思います。
「へぇ~、そんな風に考えるんだ・・・」
と参考にしてみてください。

 

外観

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



建物の設計をする際に、まず建築家が一番大切にするのは敷地の条件です。
この土地はご覧のように高台にへばりつくように建物が建っています。

ですから当然、眼下には見晴らしの良い風景が広がるわけで、それをまず最大限採り込むように、開口部やリビングの配置を考えます。

 

リビング南眺望

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



そこで上の写真のように、一番眺めのいい位置にリビングを配置した上で、眺望の開ける方向に開口部を設けるわけです。
本来は建物の角部分に壁があった方が構造的に良いので、このような開放的な構成にすることは少ないのですが、何と言ってもこの敷地の一番の魅力はこの眺望でしたから、「これを活かそう」と考えました。

 

リビング北眺望

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



そして反対の山側には、豊かな緑が広がっています。
これもとても特徴的なこの敷地の特性なので、「これを活かそう」ということになるわけです。

上の写真はリビングからの眺め。
下の写真はリビングに対面する形で配置されたキッチンの全景です。

キッチン北眺望

 

 

 

 

 



基本的にこの家を設計するに際しては、
「この環境・景観を邪魔しないような、透明な家」
が理想だと思いました。
ですから装飾的なデザイン要素は極力排し、建物の存在感を消して周囲の環境が浮かび上がってくるように・・・ということを基本コンセプトにしています。

 

で、この家は南側に市街地の眺望が開け、北側に山の緑が迫っています。
そうすると、風は普通山から谷へ吹き降ろしますから、南北に開口部をたくさん設ければとても風通しのいい家になり、さらに2層吹き抜けにすることで熱気は上へ上り、冷気が下へ降りてきます。
すると、夏涼しい家ができるわけで、本当にこの家は何もしなくても涼しいんです。

作った僕が言うのも何ですが、非常~にうらやましい家です。



建物を作る際には、一般の方は
「どんな間取りにしようかな~♪」
ということにまず心を奪われてしまうと思うのですが、その前にまず周囲の環境・条件を把握して、それを良くも悪くも活かすようにデザインコンセプトを構築することが一番大切です。

そしてデザインコンセプトが固まったら、それに沿って間取りを考える。
すると、本当の意味で世界に1軒しかない個性的な家ができるんです。

個性的というのは何も過剰なデザインを施すことではありません。
特徴を読み取って素直にそれを活かしてあげる。
それが一番大切なことです。



今日はこの家のお引越しでした。
Uさん、ご入居おめでとうございます。

 

 

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大津市T邸 墨付け

ご無沙汰しております m(_ _)m。
西宮の現場も無事竣工し、ようやく一段落着きました。
早いもので今日からもう8月ですね。

見学会へご来場下さった皆様、どうもありがとうございました。
心より御礼申し上げます。

さて、滋賀県大津市内で7月より着工しているT邸の墨付けが進んでいたので、大雨の降った月曜日に、(有)梓工務店の工場へお邪魔してきました。

墨付-1

やはり手書きの番付けは味わいがありますね。
プレカットとはまるで雰囲気が違います。
(画像をクリックすると拡大表示できます)

墨付-2

この写真だけではちょっと判りにくいと思うのですが、墨付けをしてくれた棟梁の墨壷、この墨付けに際して糸を新しい細い糸に替えてくれたのでしょうか、とても線が細く緊張感が漲っているいい墨でした。

やはり手刻みはいいですね。
上棟が楽しみです。

上棟は8月下旬の予定です。
この現場は構造見学会も実施したいと思います。

この現場は木材の緊結にボルトを使わずに、込栓など木だけで構造体を組む栓引き仕事です。
どうぞお楽しみに

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床板に油を塗りました

床油塗り

先週の土曜日に、塗装屋さんが西宮の現場で床板に油を塗ってくれました。

上の写真の左半分が油を塗った後、右半分が塗る前の状態です。
この油は桐油と亜麻仁油の混合油で、乾燥に約1週間かかります。

油を塗る目的は、主に撥水のためです。
誤って床に何かをこぼしてしまった場合、撥水効果があれば床に染みができにくくなります。
特に小さなお子様がいらっしゃるご家庭では良くありますよね?

今週末(7/25-26)の完成見学会では、この油の見本を会場に置いてお見せしたいと思っています。
どうぞお楽しみに。

完成見学会の申込状況確認とお申込は
こちらからどうぞ

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完成現場見学会を開催します

今年の1月から兵庫県西宮市内で取り掛かっていた現場がようやく竣工します。
(この現場は長かった~)

クライアントのU様のご厚意により、完成現場見学会を開催させていただけることになりましたのでお知らせいたします。


西宮の家 外観


 


 






高台に建っているこの家は、南東方面に広がる大阪方面の市街地が一望できる、とても眺めのいい場所に建っています。


そして家の北側には地山の林が少し残っていて、家の中からその緑を存分に眺めることができます(下の写真参照)。



西宮の家 内観


 


 


 


 


 


 


 


 


 


このような立地条件を活かし、風が常に家の中を通り抜ける、気持ちのいい素直な木の家を作ることに一番心を砕きました。

特に奇をてらったことをせず、木材も節がいっぱいある並材(特一等財と言います)を使って作った、木がいっぱいの穏やかな家です。




これから家を建てようと考えていらっしゃる皆様の参考にしていただくことで、少しでもお役に立てればと思い、今回完全予約制で完成見学会を開催させていただくことにしました。



完全予約制とさせていただく理由は下記のとおりです。


1. たくさんの見学の方が一度に来られた場合、
   十分な駐車スペースがないため (スタッフ分も含めて3台のみ)
   → 近隣のみなさまにご迷惑をおかけする可能性があります。


2. いろんなご質問にきちんとお答えすることができなくなるため。
  (たとえば、「この材料は何ですか?」とか、
   「どうしてここはこうなっているんですか?」とか、
   「床に塗ってある塗料は何ですか?」とか・・・)
   せっかく来ていただくのですから、来場して下さるみなさんには
   いろんな収穫を持ち帰っていただきたい。
   そのために 完全予約制として、時間帯もある程度区切らせていただく
   ことで、しっかりした応対をさせていただきます。



現在、当方で設計中のクライアントのみなさまにとっても、いろいろと参考になることが多いと思うのですが、すでに他の工務店さんや建築家の方に設計を依頼されている方でも、どうぞ遠慮なくお申し込み下さい。

というのも基本的に当方では、営業目的で見学会を開催しているのではなく、皆様のお役に立つ機会を提供したいと考えて企画・運営しているからです。


そういう意味では、 対応しきれないほどたくさんの方に来ていただく必要は無いと考えています。
(だから完全予約制)

むしろ来場してくださる方の人数は少数であっても、きちんとお話をして、ゆっくり建物を見ていただき、ご自身のお宅を建てる際の参考材料として役立てていただくことが大切だと考えています。

ですから、見学会に来たからといって次の日に営業の電話攻勢が始まったりすることも絶対ありません。
その点については、どうぞご安心下さい。
(僕自身もそういうの大嫌いですから)



いつも そんなスタンスでやっているからでしょうか?


なぜかうちの完成見学会には、同業者(建築家)の方も結構お見えになるんですよね(笑)。

もちろん、同業者の方も大歓迎です。
盗めるところがあったら、どんどん盗んで下さい。



開催日までにあまり日がありませんが、お申し込みお待ちしております。
予約状況は下記の表にてご確認下さい。


 


7/20現在の予約状況


1日目 : 7/26(土)


9:00~10:00・・・空いてます
10:00~11:00・・・空いてます
11:00~12:00・・・空いてます
13:00~14:00・・・予約済
14:00~15:00・・・予約済
15:00~16:00・・・予約済
16:00~17:00・・・空いてます




2 日目 : 7/27(日)


9:00~10:00・・・空いてます
10:00~11:00・・・空いてます
11:00~12:00・・・空いてます
13:00~14:00・・・空いてます
14:00~15:00・・・空いてます
15:00~16:00・・・空いてます
16:00~17:00・・・空いてます



お申込はこちらのお問い合わせフォームからお願いします。

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大津市 T邸着工

ごぶさたしております。
ブログ、ほったらかしですみません・・・。

今しばらくの間なかなか頻繁には更新できそうにありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。


昨日の雨、すごかったですね。
北陸では大変な降り方だったようですが、近畿地方でも一時的に激しく降ってました。
天が怒っているのか、それともストレス発散しているのか(?)というようなエネルギーを感じる雨でした。


大津着工


 


 


 



そんな中、大津市ではTさんのお宅が着工しました。
遣り方(やりかた)という、建物の位置を決定・確認する作業に行ってきました。

上の写真のように、杭を打ってそこに貫を打ちつけ、建物の通芯と基礎天端の高さを設定する工作物を作ります。

昼からは雨も上ったので、掘削作業に取り掛かれたようです。

この印をもとに、鉄筋コンクリートで基礎をつくっていきます。
今週末には鉄筋の配筋検査にまた現場へ足を運ぶ予定です。

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「森は海の恋人」

すごくいい記事を読みましたのでご紹介します。



日経BP社のECO JAPANというサイトの中にある

命の水を再生する「森は海の恋人」

という記事で、前編後編の2部に分かれて連載されています。



岩手県気仙沼の牡蠣養殖をされているみなさまが、以前から取り組まれている植樹活動に関するインタビュー記事です。

漁師の利益を守るための活動を記事にしたものではなく、

森・川・海と連なる命のつながり
子供たちへの環境体験学習会開催と教育の重要性

なども考えた包括的な活動で、素晴らしいと思いました。
もし興味があれば読んでみてください。



詩人・熊谷龍子氏の詩から誕生したという、「森は海の恋人」というキャッチフレーズが素晴らしいですね。

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お清め

地鎮祭


 


 


 


 


 


 


 


 



ブログの更新がす~っかり滞ってしまい、申訳ありません。
現在、目前の業務に追いまくられててんてこまいしております(汗)。

特に問題が噴出したりしたわけではなく、ただ単にいろんなことが重なってきただけで体調も崩しておりませんのでご心配なく。
ただ、当分はこのような状態が続きそうで、ブログの更新ペースもかなりノ~ンビリしたものになりそうですのであらかじめお断りしておきます。



22(日)に、滋賀県大津市の現場で着工前の土地のお清めを行いました。

今回は神主さんなどは呼ばずに、この物件の施工を担当してくださる梓工務店の伊東社長がお酒とお塩を現場に撒いて、工事の安全を祈願。

その後、クライアントの T さんとともに、近隣のみなさまにご挨拶をして回りました。



昨日、無事建築確認も降りたので、11月末の竣工に向けてこれから工事がスタートします。
構造材をこれから2ヶ月かけて手刻みしてもらい、上棟はお盆過ぎの予定です。

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2007秋伐採の新月材を製材しました

6/11(水)~13(金)の3日間、静岡へ行って製材に立ち会ってきました。

今回製材したのは、2007年11月上旬の新月期に伐採した杉と桧です。
この材の提供に協力してくださったのは、こちらのグループの林業家の方です。
(ややこしい注文に丁寧に対応してくださり、本当に感謝しています!)

11月~3月までの4ヶ月間は山で葉枯らしをし、3月に玉切り・造材(その1 その2)しました。

製材には杉山製材所さんひかる製材さんの2社にご協力いただきましたが、今回は長材を挽いたひかる製材さんでの作業を報告します。

(以下、全ての画像はクリックすると拡大表示できます)

2008製材1

上の写真の製材の台車に乗っているのは、長さ9.3m、樹齢85年生の杉です。
人間の大きさと木の長さを比べてみて下さい。

2008製材2

上の写真は、製材をしている最中です。

左に立っているご夫妻が、今回京都でこの材料を使ってご自宅の新築をされるNさんです。
人間の大きさと比べると木の太さがよくわかるでしょう?

2008製材3

今回採れた材料の中で一番美しかったのがこの7.3mの杉です。

赤みの色も鮮やかで節も少なく、杢目が芯に通って偏りが無い、すばらしい材料でした。
この材料はリビングの上部・吹き抜けに面した梁として使う予定です。

Nさんに木材のことで静岡へ来ていただくのは、今回で2回目です。

Nさんは昨秋のこの木を伐採する際にも、わざわざ京都から静岡の山へ来ていただきました。
それが1回目。

で、今回の製材が2回目です。

実はNさんの家の作り方は、現代の一般的な家づくりと比べてとても特殊なやり方をしています。

ちょっとその違いを比較検討してみました。
下の表をご覧下さい。

 

一般的なやり方

Nさんのお宅の場合

木材の長さ

市場に出回っている規格寸法の製材品を何本か継いで使う

材料を継がずに、1本ものの材料で組めるように、好きな長いままの材料をとってもらうように林業家に依頼

伐採時期

いつ伐採したものかは不明

1年を通じて一番いい伐採時期だけを選んで伐採

伐採時の
立会い

不可

(今は立ち会わないのが当たり前)


(実際に立ち会ってみると感動~)

製材時の
立会い

木材の
生産者情報

誰が育てたものかは不明

生産者と実際に顔を合わせて話ができる

製材を終えてクライアントのNさんに感想を伺ったところ、このように(↓)おっしゃっていました。

「原木から製材する過程を実際に見ることができて、本当に贅沢なことをしているんだと感じた」

「木を育ててくれた林業家や製材をしてくださった方に会って話をし、関わってくださる方々の顔がここまで見えるというのがとても貴重な機会で、信じられないことだった」

この静岡の木は、決してブランド品ではありません。

同じ静岡県内産でも、天竜杉は全国でも名前が通ったブランド品として有名ですが、今回の木材は静岡市内の木で全国的には全く無名の普通の木です。

品質だけを追求していけば、吉野杉などのもっと素晴らしい材料はどこにでもあるでしょう。

でも今回のやり方で一番重要なのは、

〇 木を作ってくれた人(林業家・製材関係者)とユーザー(住み手)とが
   顔を合わせる機会をつくったこと
〇 伐採時期・葉枯らし乾燥期間・生産者を完全に限定したこと
  (木をいい状態で使うためには伐採時期を選ぶことが
   と~っても重要です)
〇 家の大きさに合わせて木材の長さを山で切り揃えたこと

という3点です。

本当は全ての家がこうやって作られるべきだと僕は強~く思うのですが、時間も手間もかかるので現実的にはなかなかそうもいきません。

なぜなかなか難しいのか?については、また改めて別の機会に書いてみますね。

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吉野へ行ってきました

 

吉野1

昨日は奈良県吉野へ行ってきました。
滋賀県で今月末から着工するTさんのお宅の構造材の確認のためです。
案内してくださったのは、T邸の工事を請け負ってくださる梓工務店の伊東社長。

上の写真はTさんのお宅の材料を製材してくださる福本製材所さんで見せていただいた杉の製材品です。
吉野材の特徴は、赤身部分の色の良さと目合い(めあい)です。
見る人が見ればお分かりだと思いますが、とても目が詰んでいます。
この木はちょっと若い木ですけどね。

下の写真は、同じ製材所で乾燥させるために寝かせてあった少し大き目の柱です。
太さは6寸(180)角位だったと思います。
濡れているように見えるのは、木口付近に割れ止め材を塗布しているためです。

吉野2

 

材木屋さんでは割れ止め材を杢部分全面にべた~っと塗ってしまっているのをよく見るのですが、僕はどうも木に薬品が染み込んでいくような気がして好きではないので、自分で所有・管理している木にはこれまで割れ止めを一切使っていません。
でもこの程度の控えた使い方なら一度やってみてもいいかな、と思います。

他にも旬切りと色目の話など、福本製材所の社長さんにはとてもいい知恵を教わりました。

福本製材所さんにはとても性のいい杉の梁材が無造作に積まれていて、さすが吉野だなぁ~と惚れ惚れ。
きっとその時の自分は、美しい女性に見とれている時のようなうっとりした目になっていたと思います(恥)。

僕は節の有る無しよりも、性の良さや材の素直さに惹かれます。
節があっても、目が詰んでいて真っ直ぐにすう~っと芯が通っている性の良い材料は見ていて気持ちがいいし、気品があります。

節が無くて杢目が美しいような銘木は確かに素晴らしいですが、そんなものばかり使っていたらとんでもなく高くなってしまうし、そんな選り好みをして作るやり方は少し異常だと思うようになりました。

京都で数奇屋を作る仕事に携わっていたときは、こういうこと(↑)にこだわっていたのですが、自分の価値観が少しずつ変わってきているのを感じます。

それにしても、木を見るのはとても楽しいです ♪

今週は水・木・金と3日間静岡へ行って、昨秋伐採した新月材を製材してきます。
スタッフやお客さんにも静岡へ来てもらって製材を行うのですが、もう今からワクワクしています。
どんな材料が出てくるのか楽しみです。

またご報告しますのでお楽しみに。

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