投稿者「mokuzo_architect」のアーカイブ

世田谷リフォーム 解体工事

またまた東京に行っておりました。
このところ、月に2回ずつ位のペースで上京しているような・・・。

今回の上京の目的は、

1. 来月初旬から着工予定の世田谷区でのリフォーム物件の見積りに際して
各工務店さんに詳しい事情をご説明するための現場説明会の開催
2. 現場の1階天井解体工事の立会い

です。

昨日、前所有者から今回のクライアントへの物件引渡しが行われ、その後現場の構造材の状況を確認するために、1階の天井を解体しました。

今回解体工事をして下さったのは、NPO法人・民家再生協会の仲間で、東京・新木場で古材や古建具の販売をされている、株式会社ひでしな商店さん。

床面をブルーシートで養生し、大工さんが天井をばらしては解体材を整理してトラックに積んでいきました。

そして・・・↓

解体完了後の写真。
これで2階の床を支えている梁の調査ができるようになりました。

作業が完了して片づけが終わった後、僕は1人で現場に残り、構造材を見上げながら1時間以上頭の中で構造補強のための梁の組み方を考えていました。

この建物は建築当初の構造面での設計があまりよくなかったため、屋根の荷重をきちんと支えられていないところがあります。

具体的には、それが2階の床のたわみとして出てきているのですが、それを解消するために、今回のリフォームに際して古材を数本使って構造体を補強します。

木造の場合、
どこに柱・梁を入れて上部荷重を受けるか?
どんな形の材料・樹種をどのように見せるか?
という両方のバランスを取りながら、うまく空間構成を考えていくことがとても重要です。

来週末には再度東京へ行って、工務店さんの見積り提出を受けると共に、古材の選定を行います。

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次の目標は糠漬け

月曜日に、久しぶりにメールマガジンを配信しました。
( ↑ 読者の皆さん、不定期発行になってしまっていて、すみません)

その中でおにぎりの話をしたら、複数の方からコメントメールを頂きました。
(メールを送って下さったみなさん、どうもありがとうございました)

ビックリするほどいろんな知恵を教えてくださった方もいて(←中将さん、ありがとうございました)、大変ありがたかったのですが、そんな中で僕が『土鍋でご飯炊き→おにぎりづくり』 の次にチャレンジしようとしていることがあります。

それはヌカヅケ。



実は僕、漬物大好きなんです。
僕は、飲みに行くと最初のオーダーの中の一品として
「漬物盛り合わせ ♪ 」
を毎回頼んで、まわりのみんなから白い目で見られます。

いつもたいがい

「おいおい、 最初から〆の一品たのむんか?」

と突っ込まれるのですが、誰もそんなん〆ようと思って頼んでいるわけではなくて、ただアテの一つとして常にツケモンがあって欲しいと思っているだけなのですが・・・、と話がそれてしまいましたが、とにかくまぁ僕はツケモン大好きなのです。

ヌカヅケだけに限らないのですが、アサヅケ、シバヅケ、マツマエヅケ、ビールヅケなど、ツケモンは一般に大体どれも大好きです。
(ただ、一般に売っている奈良漬だけは苦手。
奈良漬も売ってるやつじゃなくて作るとすごく美味しいんですけどね。 )



小さいころから好きだったのですが、やはり京都に住んでツケモン好きに拍車がかかりましたね。
伊丹に引っ越してきてからは美味しいツケモンの入手ルートが発見できず、悶々としています。



実は2年くらい前に
「よし、美味しいツケモンが売ってなければ自分で作ろう!」
と決めて、糠床用のホーロー容器を買ってきたのですが、なんだか億劫になり、 買ってきたままの空容器で埃をかぶっていました。



そんな折、先述のメルマガにコメントを送ってくださった中将さんが

「ホーローの容器にぬか床を入れて、冷蔵庫に入れておけば、
ゆっくり熟成するので、1、 2週間は放っていても、すぐ復活します。
乳酸菌は嫌気性なので、毎日混ぜなければいけないということはありません。」

ということを教えてくださって、ズボラな僕でもそれならできそう ♪ ということになり、早速ヌカドコを用意しようと一気にヒートアップ!

そこへ中将さんからさらに詳しい情報を送って頂いたので、転載の許可を頂き、以下にご紹介します。



「乳酸菌が嫌気性だという話、実はNHKのためしてガッテンの知識なんです。
あれをみて、ぬか漬けの科学がよく分かりました。
経験的にやっていたことが正しかったり、逆に無意味だったり。
ここに、ざっと書いています。
http://cgi2.nhk.or.jp/gatten/archive/program.cgi?p_id=P20080618

以下は、私の経験則。
なので、真偽は? です。。。

まず、冷蔵庫に入れておけば、菌の増殖が遅いので、2日ぐらい触らないでも大丈夫です。
そのかわり、当たり前ですが漬かるのも遅いです。

それと、何週間も休止させるときは、塩をざっとまいて、冷蔵庫に入れておきます。
表面から何センチかはだめになっていますが、
下ではきれいなぬか床が生きています。
乳酸菌は死ぬことはないようです。

それと、2,3日放っていると、表面に白いアワのような膜ができます。
私はあんまり気にせず、ちょっとぐらいだったらそのまま混ぜ込んでいました。
上のガッテンによると、結果的には、それは正解だったようです。
白いアワというのは、産膜酵母という好気性の酵母菌らしいです。
臭いですが、空気を絶つと、アルコールなどいい成分を出すとのこと。

いずれにせよ、
少々ほったらかしになっても、絶滅することはないので、気軽に実践あるのみだと思います。」



実はこの中将さんから送って頂いたお知恵は、みなさんにもぜひご紹介したいものがたくさんあるので、何回かに分けてブログに書いていきます。

どうぞお楽しみに。



これからだんだん事務所の食べ物が増えていきそうです。

そのうち、事務所の冷蔵庫が大型冷蔵庫になったり、飽き足らずストッカーを置くことになったりするかも(笑)。

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建具の設計

少し前に、木製建具のデザインに取り組んでいる、という記事を書きましたが、その時に読者の方から

「家に対して、どのように建具のデザインを作り出していくのかの、建築士の思考の過程を垣間見れると、嬉しいです」

というコメントを頂いたので、今日はそれにお答えして少し障子のデザインを考える際の過程についてお話してみたいと思います。

1. まず最初に、大まかなデザインの方針を決定します。
木造であっても、室内全体が民家風の骨太な感じでまとめるのか
数奇屋のような繊細で華やかな感じでまとめるのか
または現代っぽく、さらりとした感じでまとめるのか。
これは建具で調整するというよりも、建物に合わせて方針を採択する
という感じですね。

2. 次に色と樹種を決めます。
色を塗るのか塗らないのか、
木目がはっきり出る樹種が良いのか、あまり出ない樹種が良いのか、
コストは?重さは?
というようなことから、建物に使われている材料との相性・バランスも考えて
樹種と色を決定します。

3. そしてようやく大まかな建具の形を決めます。
1の方針に沿って、ある程度のイメージを固めたら、障子の場合は
腰板を設けるのか
→ 腰板を設けるのなら、どんな材料で、どの方向に木目を向けるのか
→ 腰板は1枚板か、数枚をはぎ合わせるのか
→ 腰板の高さはどのくらいにするのか(写真:b)
それとも上から下まで格子のみでいくのか
という大枠を決めます。

4. そこからようやく、格子の割付です。
縦横、それぞれ何マスで割り付けるのか(下写真a)
マスは縦長にするのか、横長にするのか、それとも正方形にするのか

ここまではおよそ想像がつくと思うのですが、難しいのはここから先です。

5. 次に各部材の木割りを考えます。この木割りというのは出来上がってしまうとわからないように思われがちですが、プロポーションを考える4の工程以上に空間全体の雰囲気を大きく左右してしまう、デリケートな作業です。

建具の設計においては、ここが一番の勘所と言えるでしょう。

1の方針に沿って、縦框(写真c)の寸法を決めます。

同様に、1の方針に沿って上桟(写真d)・下桟(写真d)の寸法を決め、それに合わせて中桟(写真e)の寸法を決めます。

縦框・上下中桟の寸法が決まったら、その雰囲気を壊さないように組子の太さ(写真f)を決めます。

この木割りの過程では僕は何度も原寸図を描いて、実際のプロポーションを実物大で確認しながら、何度も調整を行います。

6. 全体の木割ができたら最後に引き手の大きさを選んで決めます。

とまぁ、だいたいこんな感じで一つ一つ決めていくのですが、順番に一つずつデザインを考えていくうちに
「やっぱりあそこはこんな感じのほうがいいなぁ」
などと考えを改めることはしょっちゅうなので、そのたびに描き直し・・・なんて具合で3歩進んで2歩下がる、とゆっくり進みます。

建具は実はとっても難しいんですよね。

 

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瓦の色ムラ

下の写真は、兵庫県南西部にある瀬戸内沿岸の坂越(さこし)という町の家並を
丘の上の公園から見たときに撮った写真の一部です。

よく見ていただくと、手前の家の瓦には瓦一枚一枚に色ムラがありますが、
煙突の向こうの屋根には色ムラが無いのがよくわかると思います。

これは手前の建物の瓦が古く、奥の建物の瓦の方が新しいのですが、新しい瓦もあと数十年経って古くなったらこんな色ムラが出てきて味わい深くなるのか?と思われるかもしれませんが、そういうことにはなりません。

この原因は瓦を焼くときの焼成温度の温度ムラによって発生するものだからです。

最近の瓦はガス窯で焼いているので、温度管理を非常にしっかりやっています。
そのおかげで、瓦の品質(割れ・耐候性など)も安定してきていて色ムラも無くなっています。

すると奥の建物のような、均一な色の「シャキッ」とした色の屋根ができるわけです。
がしかし、見た目にはちょっと味わいが足りないなぁ・・・という感じがしないでもありません。

確かに手前の家の方が、何というか味わいがありますよね?

こういう昔の瓦は登り窯のようなところで薪や炭などを燃やして焼いていましたから、当然火の近くに置いた瓦と火から離れたところに置いた瓦とでは焼成温度が違ったのです。

すると焼成温度が低い瓦は耐久性が低いということになってしまって、割れが入る年数も浅くなる、ということになってしまうわけですが・・・。

僕も、どちらかというと手前の家のような色ムラがある瓦の方が見た目には好きです。
で、一度瓦屋さんに相談したことがあります。

「あんな風に葺けないもんですかねぇ~」
と。

そしたら返ってきた答えが

「あんなんしよう思ったら、焼きの甘い不良品をわざわざ探してきて混ぜて葺かなあかんねんで!
手間はかかるわ、性能は落ちるわで何もエエことあらへんのに何でそんなことせなあかんねん!」

と怒られました(ショボン・・・)。

でも同じようなことを言う方は結構いるみたいです。

で、古い瓦を集めて探してきて葺くというやり方もあるのですが、文化財ならまだしも、一般住宅でそれをやってしまうと保証問題をどうするのか?という議論になるため、現在は難しい状況です。

でも、瓦メーカーさんが4-5種類の粘土を作って色を替え、
『ほぼ』同じような性能
(または一番耐久性の低い瓦がかろうじて最低基準をクリアしている)
で色がまだらになるような瓦を作ってくれたら、屋根の表情もちょっと豊かになるような気がしますが、実際は難しいのかなぁ・・・?

これを読んでくださっているあなたはどう思いますか?
あなたならどっちの屋根が欲しいですか?

もし良かったら、あなたのご意見をコメント欄に書いてみてください。
たくさん意見が集まったら、それを【民意】として瓦メーカーに持って行ってみようと思います。

コメントの投稿はこちらから。

ご協力、よろしくお願いいたします。

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様相について思うこと

様相(ようそう)建築と言われる建物があります。

1990年代前半に大阪に建てられた新梅田シティ。
関西圏の方にはおなじみのビルでしょう。
設計者は京都駅ビルと同じ、原廣司+アトリエφ

建物を視覚的な反射率の高いガラス張りによって構成し、その時の天候や周囲の景色を建物の外壁=ガラスに映りこませて、建物を周辺環境に同化・調和させて建物の存在感を消したり、建物の表情の変化を楽しむというのがその設計趣旨です。

下の写真は僕が学生のとき(かれこれもう16年前)に、その設計者のコンセプトを反映させた写真を撮ってみたい、と思って写したものです。

ガラスに青い空や白い雲が映りこんで建物を消し、空中庭園と呼ばれる、頭頂部の白いデッキが空に浮かんでいるように感じさせたい、という設計者の意図が絵になっているでしょうか?

この建物やこの種の設計コンセプトが良いかどうかは別にして、この【様相】というものについては、どうも女性の方が敏感な気がします。

上記のような現代建築ではなくても、日本の伝統的な建物は陰影を大切にしているので、季節や天候によって室内の佇まいが変化しますよね?

僕も建物を設計する際には陰影にものすごく気を使います。

それこそ、
「ちょっとおかしいんちゃう?」
といわれそうなくらいに(笑)。

でも、日本の木造建築の真髄は
【陰影・プロポーション・素材感・繰り返すリズム】
にあると思っているので、こればっかりはないがしろにできません。

まぁそんな僕のこだわりはどうでもいいんですが、うちのスタッフ(2人とも女性です)と建物の話をしたりしていると、同じ設計者なのに見ている観点がえらく違うなぁ・・・と感じることが多いのです。

そういう様相の変化に重きを置くのは、やはり感情の機微を掬い取ることに長けている女性ならではの優れた能力の一つなのでしょう。

(↑ 女性の皆さん、そうじゃなかったらごめんなさい)

設計者というのは、全てを頭の中でイメージしきってから建物を作っていると思われるかもしれませんが、決してそんなことも無いんですよ。

出来上がってから
「うわっ、ここから見るとこんな風に見えるんか!」
とビックリすることもあるくらいです。

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伝統構法は先端技術

昨日、大阪市内の綿業会館にて、2009年度のきんき民家塾第1回講義が開催されました。

主催はNPO法人・日本民家再生協会 近畿地区運営委員会。
今回の講義のテーマは 『伝統構法の耐震性』 というもので、建築の専門家向けの講座としてもかなり高度な内容でした。

講師は京都大学名誉教授で、現在は立命館大学教授の鈴木祥之先生。


このテーマに関する関心はかなり高いようで、定員30名+α だったところに約50名の参加者が集まりました。
(受講できなかったみなさん、ごめんなさい)

きんき民家塾200906_2








上の写真は、開講の挨拶をしている小原塾長と参加者のみなさん。



きんき民家塾200906_1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

↑ 今回の講師を引き受けてくださった、鈴木祥之先生。



印象に残った内容を簡単にまとめると以下の通りです。

○ 大きな地震で倒壊した木造建造物を詳細に調べていくと、倒壊原因は築造年数
  (=古さ)に関係ないことがわかる。築造年数よりもむしろ、不適切なな増改築、
  メンテナンスを適切に行っていないこと、シロアリ被害・木部の腐朽などによる
  建物の構造的な劣化が主な原因
○ 柔らかい建物には変形能力の大きな耐震要素で耐震補強することが重要。
  土壁で構成された柔らかい伝統構法に、安易に筋交いなどの耐震補強要素を付け
  加えることはかえって危険になるケースもある
○ 極めて大きな地震時に柱脚が滑ることによって上部建物への地震力は軽減される。
  しかし、柱脚が実際どのくらい滑るか?などについてはまだ研究途上で今後の課題である

というような木造柔構造に関する最前線の貴重なお話を聴くことができました。



最後に、今回の講義に際して鈴木先生が配布してくださった参考資料の中の一文に大変感銘を受けたので、抜粋して以下にご紹介します。



『伝統構法は、「伝統」という表現に古いイメージがあるが、決してそうではなく、大工棟梁の永年の技や知恵が盛り込まれた伝統技法は、今後の科学的な光のもとで先端技術になり得ること、また木造建築物の長寿命化、良質化を図るための技術として、伝統構法は有力な技術であると確信している。』
      -「伝統構法木造建築物の耐震性」(著・鈴木祥之氏)より抜粋ー



鈴木先生、ならびに参加してくださった皆様、どうもありがとうございました。



【見学会開催のお知らせ】
2007年に竣工した伝統構法の家で、2年間住んでみた感想を聞く見学会を
8/2(日)に大阪府四條畷市で開催します。詳しくはこちら

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障子の引手

水曜日に京都へ行った折、事務所に置いておくサンプル用として障子の引手を買ってきました。

行ったのは室(ムロ)金物さん。
室金物さんは、京都のその筋の人の中では知らぬ人はいないという有名な金物屋さんです。


障子の引手


 


 


 


 


 


 


 



上の写真は今回買ってきた障子用の引手です。
全て材料は黒檀(こくたん)という木材です。

同じ形のものを4つ買ってきたのですが、見てお分かりのように、大きさがそれぞれビミョーに違います。

右の小さいものから順番に、大きさを書いてみますね。

巾 13mm × 長さ 60mm ・・・一番右の小さいもの
巾 15mm × 長さ 65mm
巾 16mm × 長さ 67mm
巾 16mm × 長さ 72mm ・・・一番左の大きいもの



これらの引手は、障子自身の大きさや、たて框の太さなどによって使い分けます。
あたりまえの話ですが、小さくて華奢な障子には小さな引き手を。
大きくてどっしりした障子には大きな引き手を使います。

実はこれら以外にも、さらにもっと小さな引手や、さらに大きな引手もありますが、今回はそれらは不要と考えて買ってきませんでした。



こんな違いは、並べずにバラバラに見たら見分けがつかないような微妙な差ですが、実際に建具にはめてみると、えらく違って見えるものです。



この写真のように黒檀で作ったもの以外にも、紫檀とか桑、ゴマ竹で作ったものなどもあり、結構面白いものです。

あなたのお宅の障子にはどんな引き手が入っているか、一度よ~く見てみてください。

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壁土作りレポート 第4弾

京都の現場で寝かせている壁土も、ようやく一ヶ月が経過しました。

昨日現場へ行って寸法などの確認作業をした際に、土の発酵状態を確認してきましたのでご紹介します。

土作り0603

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↑ 今はこんな状態です。
  かなり色が変化して、グレーになってきました。

  一週間前に左官屋さんが全体の練り返しをしてくれたのですが、
  それで土の状態が一気に変わった気がします。



参考までに、これまでの経過を写真でたどってみます。


土づくり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↑ これが土を現場に搬入した当日(4/30)
  まったく普通の土の色をしています。

土づくり0511

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

↑ 12日後(5/11)の状態。
  まだほとんど変化はありません。

土づくり0518_5

 

 

 

 

 

 

 

 

 


↑ 19日後(5/18)の状態。
  表面が少しグレーに変わってきました。

土作り0603

 

 

 

 

 

 

 

 

 


↑ そしてこれが冒頭に紹介した昨日の写真。
  搬入から34日経過しています。



この土はあと約2ヶ月間寝かせます。

これから気温も上がり、発酵には最適な気候になってくるので変化が楽しみです。
またご報告しますのでどうぞお楽しみに。



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京都市N邸・伝統構法の刻み、進行中です

昨日、兵庫県三田市の西本製材所へ行ってきました。
2月から取り掛かっている京都市N邸の刻みの作業状況を見るためです。

大工の西田さんがいつもの調子で丁寧に刻んでくれていました。
コツコツ、コツコツと、本当に気長に1人で黙々と作業を続けてくれています。
(西田さん、いつもありがとうございます)


刻み

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上の写真は管柱の長ホゾを刻んで、最後にのみで仕上げているところです。
このホゾはメチャメチャ長くて、7寸の足固めを貫通した後、床束に4寸刺さるので、ホゾだけで1尺1寸あります。
(1尺1寸=約33cm)

 

だから普通ののみでは仕上げられなくて、特注の首長のみでないとうまく仕上げられません。



大工さんの道具を見ていると、同じのみにもいろんな種類があるんですが、
「これ、どんなときに使うの?」
って疑問に思うような道具ばかりです。

一度全部集めて詳しく話を聞いてみたいのですが、そんなことをしていたら半日くらいはゆうにかかりそうです。

でも、こういうことの積み重ねがこういう結果(↓)につながるんですよね。

 

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400年前の柱

昨日(5/31)は大阪府豊中市の服部緑地の中にある日本民家集落博物館で、子供民家塾というイベントを開催したので、参加してきました。

これから将来を担っていく子供たちに、古い民家や建物への関心を持ってもらおうという趣旨で、日本民家再生協会が企画したものです。

小学生の子供たちとその親ら、総勢21名が集まって、おくどさん(←関西ではかまどのことをこう呼びます)といろりに火を入れて、ご飯と豚汁をつくってみんなで食べました。

子供民家塾


 


 


 


 


 


 


 


かまどに火を入れているときの様子。
子供たちは興味津々で見入っていました。
帽子をかぶっているおじさんは、今回指導してくださった江頭(えがしら)さんです。



日本民家集落博物館の中にある、能勢の民家をお借りして今回のイベントを開催したのですが、日本民家集落博物館の中でも一番古いというこの能勢の民家が建てられたのは今から400年前=江戸時代初期のことだそうです。

この建物は普通の農家の建物だったので、ごくごく質素な材料が使われた、飾り気の無い普通の家です。

でも築400年と聞いて改めて材料を見てみると、なるほど柱はほとんど栗の木です。

400年前の柱























仕上も大鋸で挽いただけと思われる粗野な仕上で、大きさもそんなに太くない4寸弱の柱でしたが、まだまだこれからも充分耐えうる力強い表情でした。

さすが栗ですね。

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