投稿者「mokuzo_architect」のアーカイブ

外壁下塗り

外壁1223

 

 

 

 

 

 

 

 

 


京都市N邸では、外壁の下塗りを行いました。

外部を仕上げてくると、なんだか一気に建物の表情が変わります。



1階の外壁には、杉の赤身部分だけを使った羽目板張りで仕上げています。

杉の赤身は色も揃ってきれいなんですが、そういった美的要因だけでわざわざ赤身にするのではなく、水に強く腐りにくいという理由で、赤身部分だけを使っています。

よく、木製のお弁当箱(曲げわっぱ)が秋田杉の赤身で作ってあったり、水を汲むひしゃくの丸い部分を杉の赤身の薄い板で作りますし、茶室の水屋の腰板などにも杉の赤身の幅広板を使います。

杉の赤身が水に強い(腐りにくい)というのは、一般の方にはあまり馴染みが無いかもしれませんが、事実です。



 

(株)木造建築東風のサイトはこちら
世界に、300年先も美しい風景を

1年検査

大津

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

土曜日に、竣工後の1年検査で大津市のTさん宅へおじゃましました。

今日も寒いですが、土曜日も寒くて、早速上の写真のように薪ストーブが活躍していました。



1年検査の時には、たいてい建具に狂いなどが生じていることが多く、微調整が必要になります。

反ったり、傾いたり、きしんだり。
狂うといってもほんのちょっとだけなんですが、やはり木は生き物なので、四季を通じて動くんです。

木ではない昨今の建材メーカー製建具では、こういった狂いもほとんど生じないのですが、でもやっぱり建具は木で作りたいですよね。

汚れも付きやすいし、掃除もしにくいし、利便性においては決して優れているとは言えないんですが、木製建具にはそれを超える魅力があるんでしょうね。



Tさん宅の設計をしている時に生まれた女の子が、もうすぐ2歳になろうとしています。
すっかり大きくなって、よくしゃべるようになっていました。

Tさんが設計の時に仰っていましたが、家の年齢と子供の年齢が同じというのは、何か感慨深いものがあります。

設計者としては、末永く愛される家であって欲しいものです。



木造建築 東風のサイトはこちら(↓)

(株)木造建築東風のサイトはこちら
世界に、300年先も美しい風景を

竣工間近

西宮市内で進行中の2世帯住宅 Y+K邸が竣工間近です。
昨日現場へ行って撮ってきた写真をご紹介します。

 

西宮1219_クロス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



クロス屋さん。
1階天井のクロス貼り作業中

 

西宮1219_2f

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2階リビングはクロスも貼り上がり、照明器具が取り付けられていました。

 


 

 

西宮1219_とんぼ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


これは1階の玄関土間の写真です。

建築主のKさんが、施工中に石とビー球を埋め込んで模様を作られました。
下のとんぼ、かわいいですね。



今週木曜日には完了検査を受けて、週末には入居の予定です。
あともう少しで完成です。

現場の皆さん、よろしくお願いします。


木造建築 東風のサイトはこちら(↓)


(株)木造建築東風のサイトはこちら
世界に、300年先も美しい風景を

やっぱり来た

実は2日前からやたら気になっていたことがあったのですが、見事に的中してしまいました。

それは・・・地震です。



昨日と一昨日、2日間とも京都市内でちょっとおかしな筋状の雲が1本、すう~っとやたら長く&はっきりと、しかも長い時間出ていたのを見て、

「もしかして・・・地震雲?」

と思ってスタッフにちょっと話したら

「いや、佐藤さん、やっぱりあれ飛行機雲やで。ほら」

と、空を飛ぶ飛行機を指差して、相手にしてくれません。



しかし、今朝起きてニュースを見たら、やっぱり結構大きな地震が北関東&静岡で起きてるっ!

関東方面で起きる地震の予兆が、京都でも地震雲となって出てくるものなんでしょうか?



まぁ、地球規模で考えたら、関東と関西なんてお隣みたいなもんですしね。

数学の教授から

一昨日の朝、京都市の現場へある大学の数学教授が立ち寄られて、少しお話をしました。

(註:この現場、とにかくお客さんが多いんです。
   最近でこそちょっと来客数が減って落ち着きましたが、竹小舞下地を編んでいる時や
   土壁を塗っている時は、ふらふらと立ち寄る方や見学に見える方がホントに多かった)



富山からお仕事の都合でお見えになったというその教授は、魔方陣(まほうじん)のことを教えて下さり、理系出身だと言うのにそれまで魔方陣なるものを知らなかった僕に、魔方陣の作り方まで説明してくださいました。



で、帰りがけに


「僕は名刺の寸法にこだわっているんですよ。」

と言われるので、何のこっちゃ?とお話を伺うと、教授の名刺は横幅を通常の名刺サイズより2ミリ小さくしているとおっしゃいました。



そこまで聞いてさらに訳が解らなくなったのですが(笑)、さらにお話を伺うと、通常55mm×91mmという名刺のサイズを、横幅のみ2mm縮めて55mm×89mmにすると、名刺の紙の縦横比率が黄金比になるんだそうです。

さすが数学の教授!と感心し、お知恵を拝借してうちの名刺も今後は早速黄金比にしようと決めました。

(東風では、手漉き和紙に印刷した名刺を1枚ずつ自分たちで切って使っています)



せっかくだから、みなさんにもお教えしようと思って書きました。

A教授、ありがとうございました。

(株)木造建築東風のサイトはこちら
世界に、300年先も美しい風景を

階段の側桁に

側桁

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上の写真は、うちで2007年晩秋の新月期に静岡で伐採した杉の木からとった板です。

長さ4.5m、巾250mm、厚み40mm と少し巾の広い板ですが、これを京都市N邸の階段の側桁に使うべく、現在現場では、若いけれども抜群に腕のいい大工さんが刻んでくれています。



見ての通り、赤身が張ったなかなかいい木目の木ですが、これは構造材の梁を採るべく製材した時の切り落とし材です。

きっとピリッとした階段に仕上ると思うのですが、今から出来上がりが楽しみで仕方ありません ♪



このお宅では階段がリビングから見えない位置にあるので、当初はもっと節がポコポコあるような普通の並材を階段用の材料として使う予定だったのですが、たまたまこんな木が出てきて使うことになり、階段の踏み板も(これまたたまたまですが)ほとんど節の無い1枚板ばかりで全部揃ったので、一気に階段の格が上がってしまいました(笑)。

毎回2階に上がるのが楽しみで嬉しくなるような階段になってくれるといいなぁ、なんて親心のような気持ちを抱いています。



仕上に向けて工事が順調に進んでいますが、だんだん嫁入り前の娘の父親のような気持ち(?)になってきました。



(株)木造建築東風のサイトはこちら
世界に、300年先も美しい風景を

植栽

土曜日、兵庫県明石市内に住宅の新築を計画されているKさんご夫妻と打ち合わせをさせていただいた時のことです。

いろんなお話をしていく中で、建物を道路からどれだけ離すか?という話になりました。



Kさんの敷地は道路の南側に位置しているので、北側に寄せるほど南側の庭が大きくとれるようになり、南隣家が落とす影を避けて日差しも家の中に入りやすくなります。

前面道路の幅も10mと広いので、あまりセットバックせずとも良いかな?と思って、僕は建物と道路の距離を軒の深さである90cmだけとった案をご提案しました。

僕が作ったプランを見てKさんご夫妻は、家の前にはちょっとだけでも木を植えたいね、そういえばあの道沿いの家はどこも道路沿いに植え木がをしてきれいにしている家が少なくて、あまり景観が良くないね、というようなことを話して下さいました。

自分の家を良くすることだけ考えるのではなくて、地域全体の景観を良くすることに自分たちも貢献しよう、というKさんの意識が感じられて、とても素晴らしいなぁと感じました。

今回ご提案したプランは合計3案でしたが、こちらの提案をとても気に入ってくださったようで、
「どれにしよう。こっちもいいけどこれも捨てがたいし・・・。」
と迷われていました。

いい提案ができて、一安心です。



打合せも無事終わり、次の日の朝。
以前2度ほど読んだことのある本を何気なく手にして読んでいると、ちょうどいいことが書いてあったので、一部を抜粋してご紹介します。

 

 

 

「心の時代、といわれている。
しかし、人間の心とはそれほどきれいなものではない。

人間の心は宇宙、自然と似ていると、言えなくもない。
雑草は放っておいてもまたたく間に繁茂する。
しかし、美しい花は、水を与え、肥料をやり、虫を除け、丹精込めて育てなければ花開かない。

人間の心も、それと同じである。放っておくと雑草が生える。」

 

出典:『小さな人生論』藤尾秀昭著/致知出版社

 

 

 

僕も心に雑草が生えないように気をつけます。
頑張ろうっと。



木造建築 東風のサイトはこちら(↓)

(株)木造建築東風のサイトはこちら
世界に、300年先も美しい風景を

職人さんのセンス

建物をつくるためには設計図が必要です。
僕ら建築家の最も端的な(目に見える)仕事は設計図をつくることです。

ですから
「設計図があれば、それをもとにしてつくるのだから誰が作っても同じだろう」
と思われる方も多いと思うのですが、それがそうはいかないのです。

実際に現場で手を下す職人さんのセンスや判断力、提案力、質問力によって、建物の出来具合は大きく変わっていきます。



うちが手がけているような木造建築物の場合、やはり一番大きいのは大工さんのセンスですが、センスのいい大工さんというのは本当に少ないです。

例えば枠の取り付けにしても、ただ図面に書かれている寸法どおりにやっておけばいいというものではなく、木の目やクセを見て使い方を考え、実際に手を下す前に一言相談する。

その小さな積み重ねができる人とできない人とでは、最終的な建物の仕上がりが大きく違ってきます。



木の目やクセというのは、

○ 赤身白太の入り具合
○ 節の有無・大小や、生節/死節の違い
○ 目の詰まり具合、柾目/杢目の向きや勝手
○ 木の元末、木表/木裏、男/女をどのように使うか

などといったところが主な勘所ですが、このようなことを考えながら仕事をしていくと、設計図面どおりに納めない方がいい場合というのもしょっちゅう出てきます。



今、東風で施工中の京都市N邸という現場を手がけてくれている大工さんは、こういったセンスが抜群です。

僕がこれまで付き合ってきた大工さんの中でもトップクラスです。
(もちろん、刃物の切れや腕もピカイチです)

こういう大工さんに手がけてもらえると、木がとても喜びます。



これまで何度もブログでご報告してきたとおり、京都市N邸では木材に尋常ならざるいろんな人の思い(建築主・生産者・設計者etc)が入っていますので、それをきちんと汲んでくれる職人さんに出会えて良かったなぁ・・・としみじみ思います。



もちろんこういった話は大工さんに限らず、左官、屋根、建具、基礎、電気、水道など全ての職種において言えるのですが、建物が出来上がってしまった後ではなかなか目に見えない話で、とかく設計や材料ばかりが取りざたされがちです。

こんなことを書いても実感としてはなかなか伝わりにくいと思うのですが、それでもちょっとお伝えしておきたいな、と思ったので書いてみました。



Sさん、I さん、いつもありがとうございます。
今後ともどうぞよろしくお願いします。



木造建築 東風のサイトはこちら(↓)

(株)木造建築東風のサイトはこちら
世界に、300年先も美しい風景を

Kさん、手作りのお米、美味しく頂いています!

お米


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


10月に兵庫県在住のKさんが、当方の現場/京都市N邸へ見学に訪れてくださった時のこと。

遠路はるばる電車+徒歩でお越し頂いたにも関わらず、手土産にご自身でお作りになった新米5kgを頂きました。



Kさんは、このブログで僕がおにぎりを作っていることを読んで下さったので贈って下さったのです。

頂いた時にはまだ食べかけのお米があったので開封できませんでしたが、最近になってようやくこのお米でおにぎりを作るようになりました。

1日現場で過ごす時には、必ずおにぎりを持って行っているのですが、いつも美味しく頂いております。

Kさん、どうもありがとうございました! m(_ _)m

京都市N邸 裏返しを行いました

京都市N邸(新築伝統構法)の現場では、12/7(月)・8(火)の2日間にわたって土壁の裏返し塗りを行いました。

【裏返し】というのは、竹小舞下地の片面に塗りつけた壁土(荒壁)の裏側から壁土を塗りつけることです。

下の写真のような状態の面に壁土を塗りつけていく工程を言います。

土壁1208_0

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



下の写真は、塗りつける前の土の水分調整をするために、寝かしていた壁土に藁スサを混ぜて練り返しているところです。

土壁1208_2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



4月の末から現場で寝かしていた土はこれで全て使いきりました。

 

当初から予想していた通り、全部使っても少し足りなかったので、足りない分は左官屋さんが持っていた土を足して、混ぜ合わせたものを使っています。

今回の左官工事を担当してくださっているのは、京都市左京区下鴨にある山本左官工業という会社です。

 

土壁1208_3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上の写真は違いがよく判る場所だったので比較のために写してみました。 

手前の壁は今回塗りつけた壁。
奥に写っているのは前回塗りつけた壁です。

奥の乾いた壁の裏側は、今回裏返しをしているので同じように壁土が塗られています。
 
 

 

土壁1208_4

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


この写真は1階の外壁面です。
この裏面には壁土を塗りつけて裏返しをしています。

裏面の新しい土の水分を、乾いた部分が吸い取って染みてきている様子がよくわかります。
 
以前ブログでもご紹介しましたので覚えていらっしゃる方もおられると思いますが、この壁の中には下の写真のように竹小舞下地を編んでいますから、竹の部分は水分が染みとおらずに間の空隙に入り込んだ土を伝って、水分が出てきています。

 

 

 

土壁1208_5

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




木造建築 東風のサイトはこちら(↓)

(株)木造建築東風のサイトはこちら
世界に、300年先も美しい風景を