投稿者「mokuzo_architect」のアーカイブ

階段ができました

西明石のK様邸で、先週末に階段が出来上がりました。
全て杉の無垢材で作った階段です。

西明石 階段1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

西明石 階段2

 

 

 

 

 

 

 

階段の詳細写真です。
板は静岡で伐った新月材をゆっくり天然乾燥させたものを使っています。

この階段には、実は写真では絶対にわからない、秘密の加工が施してあります。

刻む前に材料を選定している時、どれもとても木目がきれいな板だったので、なんとかこの木目を活かしたいなぁ・・・と考えていた時に、ふと思いついたアイデアを試してみました。

この手法は今までやったことがなかった(他の人がやっているのも見たことがないです)ので、出来上がってみるまでは 「大丈夫かなぁ」 とちょっと心配でしたが、実際出来上がって歩いてみるととてもよく効いています。

もちろん、実際手を下す前にテスト加工は済ませているんですが、それでもやはり実際に出来上がるまでは不安なものです。

どんな加工なのかは、完成見学会に来られた方にはお話ししますね。
どうぞお楽しみに。

どうやら、台風がやってきていますね。

今週末に予定している伐採ツアーと古民家の相談会、どうなるんだろう・・・とやきもきしています。

古民家に関する相談会 10/30(土)-31(日)

今週末の土日に、大阪府豊中市の服部緑地内にある、日本民家集落博物館にて、古民家に関するパネル展示・相談会・講演などが開催されます。

主催は、日本民家再生協会 近畿地区運営委員会で、僕も10/30(土)の午前中(10:00-12:00)は相談員として現場に座っております。

古民家を取り巻く相談は
○ 物件や材料の探索 (古民家・古材)
○ 資金(物件所在地が市街化調整区域などの場合、融資を断られる)
○ 施工(耐震補強、リフォーム)
など多様化しています。

そこで具体的な施工例をパネルやパンフレットで紹介し、古民家へのあらゆる相談に古民家再生のプロがわかりやすく回答する相談会を実施し、困っている方のお役に立ち、情報提供したいとの思いから開催を企画しました。

当日の講演内容など、詳しくはこちらに掲載されていますのでご確認下さい。
みなさまのご来場をお待ちしております。



桧伐採前回の記事でもお知らせしましたが、10/31(日)に和歌山県田辺市の山中で、桧の新月伐採見学会を開催します。

左の写真は4年前に伐採した桧の写真ですが、静かな山の中で、大きな木がゆっくり倒れていってド~ンと音を立てて倒れる様はとてもダイナミックで、同時に感慨深いものがあります。

直前のお知らせになってしまったため、開催日まであまり日がありませんが、
詳しくはこちらからご確認下さい。

10/31(日)、和歌山で新月伐採見学会を行います


和歌山伐採2和歌山伐採1


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


10/31(日)に、和歌山で新月伐採見学会を行います

今回伐採を行うのは熊野古道で有名な和歌山県の田辺市の山中です。
国道から5~10分の沢蟹や猪の住む豊かな山で、樹齢70~90年生の桧を伐採します。


今回伐採する木材は、神戸市内で来年建てる住宅の床板として使う予定の材料。
新月期に合わせて伐採し、2ヶ月葉枯らし乾燥させた後、年明けに製材して約4ヶ月自然乾燥させて使う予定です。


【 日 程 】 10/31(日)
【伐採現場】 和歌山県田辺市合川
【集合場所と時間】 ◆ 交通手段が電車の方
              『JR紀伊田辺駅』 ⇒ 09:45集合
            ◆ 交通手段が車の方
              『道の駅・ふるさとセンター大塔』
               ⇒  10:40集合
【 持 物 】 昼食、軍手


※ 少し山を登るので、ズボン等動きやすい格好でご参加下さい。靴は運動靴で大丈夫です。
※ 現場が急斜面・狭い道幅となっている都合上、今回は小学生未満のお子様はご遠慮下さい
※ 15:00ごろ伐採現場付近にて解散の予定


お申し込みはこちらからどうぞ。

10/31に和歌山で伐採見学会を行います

伐採2010


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


直前のお知らせになってしまいますが、10/31(日)に和歌山県田辺市で桧の伐採見学会を行います。

明日伐採現場の下見に行ってきますので、時間・集合場所など詳細は今週土曜日(10/23)の発表&受付開始になりますが、興味のある方はどうぞご参加下さい。

今回は樹齢70年~90年生の桧を伐採します。

飛騨で民家フォーラムが開催されました

週末、飛騨市へ行っていました。
NPO法人・日本民家再生協会主催の【民家フォーラム2010 in 飛騨市】に参加するためです。

飛騨市へ行くのは今年に入って3回目です。
5月・8月にも行きました。

今回は車で行ったのですが、白川郷から飛騨市へ抜ける天生(あもう)峠の道沿いでは、色付き始めた木々が美しかったです(↓)。


天生峠


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


飛騨の紅葉見頃はもう少し先だと思いますが、近畿周辺とは違ってやはりだいぶ気温が低いんですね。

古川市内で早朝の散歩をしたときには、もう吐く息が白くなっていましたよ。


民家フォーラムでは1日目に飛騨市古川町のまちなみ見学を行い、地元のボランティアガイドの方が町の中のお寺や民家を案内して下さったおかげで、普段は見られない貴重な個人宅の中などを見せていただくことができ、大変良い企画でした。

ちょうどこのまちなみ見学ツアーの際にカメラを忘れてしまって、写真が1枚もありません。
残念・・・。



 


民家フォーラム2日目は、飛騨市内の宮川町という山村に場所を移し、集落の見学とシンポジウムが行われました。

下の写真は種蔵地区という集落の風景です。
小さな板倉が多数点在し、傾斜地につくられた棚田と民家がとても美しく、穏やかな時間が流れていました。 


種蔵集落


 


 


 


 


 


 


民家フォーラムでは、最後にシンポジウムが行われ、4名の方から民家再生やまちづくりなどに関する事例発表があり、いろいろと考えさせられました。

美しい民家がたくさん残っている集落では過疎化が急速に進み、若い人たちは減少して学校や病院が統廃合され、残すべき日本の民家や暮らしは、存続が大変難しくなっている現状が痛いほど伝わってきました。

僕にもできることがあるはずだ、と考えて飛騨市を後にしましたが、自分自身どのように行動すべきか?については、まだまだ考えなくてはなりません。

しかしとても良い機会でした。
企画・運営に携わってくださった多くの皆様、本当にありがとうございました。

イメージパースで概要を掴む

10/11(月)に、神戸市で来年着工予定の i 様邸内観イメージパースを提出しました。

東風ではいつも、建物の間取りが決まったら、次にこのようなイメージパースを作成します。

それで建物全体のイメージを大まかに掴んで頂いて、全体の方向性を大きく示した上で、建物の詳細設計に進みます。


イメージパース神戸1


 


 


 


 


 


 



上の画像は、リビングからキッチンの方向を見たところ。
左手に見える障子の向こうには既存の和室があって、リビングとつながっています。

リビングの上部には2階が載っていない(=平屋)ので、その小屋組み(梁や桁、垂木や野地板など)を全て化粧仕上げとして、垂直方向の開放性や空間の面白みが出るようにしています。


イメージパース神戸2


 


 


 


 


 


 


 


 


この画像は2階の子供室の内観イメージです。
南側に設けた窓の下には小屋裏を利用した収納スペースを設けています。



2階も小屋組みは露出させる予定です。

屋根面の断熱は、化粧野地板の上に断熱材を充填する方法で行います。



図面が2次元から3次元になると、一気にいろんなことが見えてきますし、何より一般の方にもわかりやすい、というのがいいですね。

東風ではいつもこの画像を壁面に大きくプロジェクターで投影して、クライアントのみなさまにご確認いただいております。

玄関式台の化粧なぐりを行いました

10/9(土)に明石市のK様と一緒に京都市へ行き、玄関式台の化粧なぐりを行いました。

化粧なぐりとは、丸刃をつけたチョウナで木材の表面をはつって(なぐって)仕上げる手法のことです。

なぐり1009_1

 

 

 

 

これがなぐる前の材料です。
樹種は杉で静岡産(2007年伐採新月材)です。
板巾は33?です。

なぐり1009_2 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この方が今回なぐって下さった、原田さんです。
昨年も原田さんになぐって頂いたのですが、リズミカルにコンコンとなぐっていきます。

東風では、京都市上京区の中儀銘木さんを通じて、原田さんになぐりをお願いしています。

なぐり1009_3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが途中までなぐったところ。
なぐった後の目と、なぐる前の目の違いが面白いですね。

で、最終的にはこんな感じに仕上りました(↓)。

なぐり1009_4

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見た目も美しいのですが、何といってもこの上に足を乗せたときの感触がとっても気持ちいいのです!

これは実際に体感して頂くしかありませんが、東風の事務所に来ていただければいつでもサンプルに乗って確かめて頂けますし、K様邸の完成見学会の時にもこの板の感触を確認したいただけます。

完成見学会の開催は12月初旬になる見込みですが、日程などは決まり次第またお知らせしますので、どうぞお楽しみに。

奈良市O様邸 解体工事に着手しました

奈良_解体工事


 


 


 


 


 


 


 


今週の月曜日から、奈良市内で解体工事に着手しています。
来春4月に完成予定のO様邸新築住宅の現場です。

既存建物は大分長い間放ったらかしになっていたので、草も伸びてちょっと荒れた雰囲気でしたが、工事が始まればすっきりしそうです。

近隣の皆様、これから何かとご迷惑をおかけすると思いますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

「感性が生命の本質」という考え方

1週間くらい前から読み始めて、今朝ようやく読み終えた本をご紹介します。

僕は致知という月刊誌を読んでいるのですが、その中で採り上げられていた対談の中で、

「この人の考え方は面白いな。
 こんな考え方は今まで聞いたことがないな」

と感じたものがあったので読んでみました。



この本で展開されている話は、
「感性が生命の本質であり、理性は合理的にしか考えることができない、有限で、不完全な能力である」
というものです。

感性論哲学、というのだそうです。
何ぃ~っ???と僕は思いました(笑)。

理性が不完全な能力で、感性が生命の本質だというのは、現代の教育をひっくり返すような考え方ですよね?
そこに強烈に惹かれて、僕はパクッと食いついてしまったわけです。



現代において大多数の学者も含め、多くの人が考えているのはこうです(↓)。
「理性という能力は合理的に物事を考えることができる素晴らしい能力だ」

しかし、感性論哲学の立場からいうと、
「理性は合理的にしか考えることができない。
 だから理性は素晴らしい能力なのではなく、不完全な能力だ」
となるのだそうです。

だいたいこの現実世界には、合理的ではないものがいっぱいあり、人間の世界には合理的であるものよりも、むしろ合理的でないものの方が多い。

愛も、幸福も、自由も、生きがいも、勇気も、責任感など、これらは全て理性的なものではない。

例えば、愛は理性的に考えて手に入るものではない。
合理性を超えたもの、理屈を超えたものが愛だ。

幸福も、幸せだなぁと実感した時が幸福なのであって、どんな豪邸に住んでいても、どんなにお金があっても、その中で自分が不幸だなぁと思ったら不幸なのです。

だから愛も幸せも実感が問題なのです。
実感は理性ではなく感性で、人生においては感じるものが最も重要だ。
感性こそが人間の本質だ、という哲学がこの本では書かれています。



これは芳村思風という方の書かれた 『人間の格』 という本です。

カテゴリー分けすると哲学書ですが、この本は講義録として書かれているので、全て口語体で大変読みやすく、内容も平易でわかりやすいものです。

価格が高い(¥10,000-)ので、僕も大学図書館で借りてきて読んだのですが、読み終わった後で
「買おうかな」
と思ってしまった本です。


興味のある方はぜひ読んでみてください。
読み物としてもとても面白いし、新しい価値観が自分の中に構築できるのでオススメです。

玄関式台を製材しました

月曜日に、いつもお世話になっている三田市の西本製材所さんへ行き、明石市k様邸玄関で使う予定の式台用の材料を製材してもらいました。

式台1004_1

上の材料は建具用に使おうかと思って取り置きしておいた杉の幅広板です。
長さが5mあったので、そのうちの先端約2mを切って使うことにしました。

この木は2007年11月の新月期に静岡で伐った材料です。
ちょうど3年天然乾燥させたことになりますね。

式台1004_2

上の写真がその2mに切った部分です。
厚みは6cmで樹種は杉です。

この写真では耳(両サイドの丸みがついた皮の部分)が残っていますが、この後耳を落してもらって表面のねじれや反りを取るために、ほんの少しだけ(表裏約1.5mmずつ)製材してもらいました。

この板は今週末に京都市左京区へ持って行って、チョウナで化粧ナグリを施してもらいます。

昨年も同じやり方で杉の式台を作ってもらったんですが、このナグリの式台がかなり好評です。
昨年なぐってもらった時の記事映像も公開しています。
もし良かったら見てくださいね。

今回もまたビデオ撮影してこようかな。