投稿者「mokuzo_architect」のアーカイブ

かばん置き台

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上の写真は、大阪駅前で今月上旬に竣工した青木診療所様のかばん置き台です。

キハダという木の根元から採った板を加工して使っています。
キラキラと鈍く光る個性的な杢目が浮き出て、なかなかいい感じに仕上がりました。

このカウンターは
「診察を終えて、患者さんが会計をする時にかばんが置けるように」
という診療所スタッフの方の優しい配慮から誕生したものです。 

近いうちに、青木診療所様の竣工写真も何枚か撮ってきてご紹介したいと思っています。

青木診療所様も新しくホームページを製作中と伺っていますので、完成したらまたご紹介したいと思っています。
どうぞお楽しみに。

奈良市O様邸 竣工しました

奈良市で昨年末から工事に取り掛かっていた、O様邸が5/20で完成しました。
竣工写真を何枚か撮りましたのでご紹介します。
(以下の画像は、クリックすると拡大表示できます)

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玄関の外観です。
(外観の全景写真を撮り忘れてしまいました)

外壁は2階が黒漆喰塗り/1階が杉板張りの仕上げです。
木材は全て奈良県吉野産の杉・桧を使っています。

 

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玄関ホール見返しの写真です。
出入口の建具(格子戸) を開け放った状態で撮影しています。
建具も全て奈良県吉野産の赤杉を使って作りました。
内壁はホタテ漆喰を施主であるO様ご夫妻が塗られたものです。

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リビングの土間に下りて、上部吹抜けを見上げた写真です。
白く出っ張っている壁の向こうにステンレス製のキッチンがあります。 

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2階の階段ホールに上がってリビング上部吹抜けの天井(=小屋裏)を見たところです。
開口部が低い位置に感じられるのは、大屋根の軒桁の高さをわざと低くしているためです。

東風ではよくやることなのですが、軒桁の高さを低く抑えてあげると外観が優しく控えめな感じになり、建物の印象がとても柔らかく品の良い感じになります。

本当は階段がとてもいい感じに出来上がったのでその写真もお見せしたかったのですが、引き(=撮影のための距離)が取れない関係で写真ではどうしても伝えられないと感じ、撮影を断念しました。

今日はO様のお引越しが行われます。
天気が良さそうでちょっと安心しています。

O様のお宅の木工事を手がけてくれた大工さんは、吉野在住の薮中さんという大工さんです。
東風としては初めてお仕事を引き受けていただいた方なのですが、この方がもう抜群に腕・センスの良い方でした、
写真では伝えきれないのですが、仕事が大変美しく、とても完成度の高い仕上がりになっています。

ようやく落ち着きました

こんにちは、さとうです。

すっかり更新が滞ってしまいました。
なんと1ヶ月更新なし!
このブログ始まって以来のワースト記録ではないかと思います。
大変失礼致しました。

現場が2つ(大阪市内と奈良市内で)完成して、ようやく少し落ち着きましたので、今後はちゃんとこまめに更新していきます。
どうぞよろしくお願いいたします。


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上記の写真は神戸市内で工事中の現場です。

4月下旬に上棟した後、急に多くなった雨に泣かされて工事が遅れてしまいましたが、約1ヶ月かかってようやく屋根仕舞が完了しました。

今日は現場でシロアリ予防工事を行っております。
うちで防蟻工事をいつもお願いしているのは、阪神ターマイトラボの水谷さんです。
良心的な価格と、高い安全性(※)と提案力に高い信頼を寄せています。

阪神ターマイトラボさんでは、薬剤の使用量を可能な限り少なく抑えるだけでなく、薬剤を使う場合であっても人間が食べても安全な構造の薬剤を使ってくれるなど、一味違う専門家です。
また、薬剤に頼らない防蟻方法の提案・コンサルティングをも行ってくれるので、大変頼もしい存在です。

本日上棟です

このところ、あまりの激務でスタッフ共々フラフラです(苦笑)。
ブログが更新できず、完全に止まっていました。
すみません。

現在、奈良市・大阪市・神戸市と、3つの現場が同時進行中です。
上記以外に設計物件も4件動いているので、お待ちいただいているクライアントの皆様には大変心苦しく思っております。
大変申訳ありません。

GW明けまではこの状態が続きますので、これからは当面の間、文章量を通常よりもかなり減らして更新していくようにします。

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昨日(4/16)より、神戸市内で建て方作業が始まりました。
築40年の既存建物を一部残した計画です。

本日は上棟です。 

100年後かな、それとも200年後かな

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上の写真は、3/31に静岡市内の山中に植えた、樹齢2年の杉の苗木です。
3/30-31の2日間は、東風スタッフ総出で静岡へ行っていました。 

1年前に竣工した、京都市・N様邸に使わせていただいた杉の木の多くはここから伐採したものなのですが、そのN様ご夫妻が新しい苗木を植えに京都から静岡まで足を運んで下さいました。

今回植樹して頂いた現場は90年生の杉が主に残っている林で、3年前に間伐によって一部の木を出材しています。

現在は樹齢90年の杉と、樹齢2年の苗木とが共生している状態の林になっているわけですが、これから50年、100年と経過したら、

2011年(現在)  ・・・樹齢90年 と 樹齢2年
2061年(50年後)・・・樹齢140年 と 樹齢52年
2111年(100年後)・・・樹齢190年 と 樹齢102年
2211年(200年後)・・・樹齢290年 と 樹齢202年

ということになりますね。

でもおそらく40-50年先の2061年までには、樹齢140年になる杉も間伐して出材するでしょうから、そのころには世代交代によって今回植えた苗木が主役となっていくかもしれません。

いずれにしても僕はもう生きてはいないでしょうが(いや、生まれ変わってるかも?笑)、将来この木がどんな風に育って、どの家に使われていくのかを想像すると、とても楽しみです。

植樹を終えた後、N様はご自宅に使われた木材を90年前(1920年)に植えてくれた林業家のお墓参りまでして下さいました。
N様、ありがとうございました。

当日は大変いいお天気で、静岡市内ではちらほらと桜も開花し始めていて、これからが春本番といったところ。 
帰り際にちょっと足を伸ばした久能海岸からは、富士山がきれいに姿を見せてくれました。

最近、つくづく感じます。

僕はこの仕事をしていて良かったなぁ・・・と。
素晴らしい方々に次々とめぐりあえて、お客様は大変喜んで下さる。

僕も受けた恩をみなさまへ還元して、微力ながら自分の役目をきちんと果たしていかなくては、と思いを強くする毎日です。

基礎工事進行中です

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神戸市内で進行中の I 様宅では、現在基礎工事が進行中です。
上の写真は先週末の様子ですが、掘り方・地業工事が完了し、これから墨出しをして鉄筋の組み立てに移ろうとしているところです。

白っぽく見えているのはポリエチレン製の土間シートで、これは基礎の下から室内へ上がってこようとする湿気を遮断する役目があります。

周辺のグレーに見えている、少しへこんだ部分には外周部の型枠墨出しをするため、捨てコンクリ-トを打設してあります。

当初の計画では、地盤改良剤を投入して既存の砂を撹拌・混合し、表層改良を行う予定でしたが、解体・掘り方工事を行う中で、現場の砂がとても良質な山砂であることがわかってきたので、地盤改良剤を混入するのはやめました。

改良剤を用いなくとも、少しずつ締め固めることで、木造住宅の積載荷重に耐えうるに充分な地耐力が得られることが明白だったからです。

地盤の改良方法はその土地の地質によって事情が変わってくるのですが、地盤改良剤を土に混ぜて撹拌する表層改良の場合に用いる改良剤はセメントのようなものなので、改良後の土はカチンコチンに固まってしまうだけでなく、アルカリ性の性質を持つようになってしまいます。

カチンコチンになってしまった改良体(←改良された土のこと)は基礎の下に埋まっているわけですが、将来、何らかの事情で建物を解体せざるを得ないという状況になった時、その改良体もハツリ機などで壊して撤去することになります。

ですから将来にわたって環境に与えるインパクトを考えると、地盤改良はできればしたくない・・・というのが建物をつくる側としての意見です。
ただ、軟弱地盤の場合は、地震時の揺れや近隣を通る大型車両によって引き起こされる微振動などが増幅されて建物に伝わることになってしまうので、快適性・安全性の観点から、建物の荷重と地耐力のバランスを考慮して地盤の方が柔らかい、という判定結果が出た場合には何らかの改良を施す、ということになります。

地盤改良にはいろんな方法があるのですが、コストだけでなく、改良深度(軟弱地盤の深さ)や現場の地質、搬工事車両の進入経路などによって適切な方法を決定することになり、一概にどれがいいということは言いきれない工種です。

小屋組みの迫力

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上の写真は、兵庫県淡路市で今秋から再生工事に着手する予定になっている、t様のお宅の小屋組みの写真です。
以前にもちょっとご紹介しましたが、このお宅は今から100年ほど前に移築されてきたお宅です。
幾重にも丸太材が折り重なっている様は、下から見上げるととても迫力があります。

もともとこの小屋組みは天井板に隠れていて見えなかったのですが、今回の再生工事へ向けて、t 様のご主人がお休みのたびに少しずつ解体作業を進めて下さっているおかげで、全容が明らかになってきました。

今回の再生工事では、この小屋組みがきれいに見えるようにリビング上部に吹抜けを設ける計画です。

今から竣工した姿を想像すると、ワクワクしてきます。