2022年から改修工事に取り掛かっていた、奈良県御所市内の改修工事現場が2023年夏に竣工しました。
竣工時に建築主さまがご自身で写真を撮影され、その画像を使わせて頂ける許可を快く頂けたので、東風のブログに掲載させて頂くことにしました。
上記のこげ茶色に変色した床板は、50年前にこの家のいろんな廊下でフローリングとして張られていたもの。樹種は国産赤松の柾目採り。
それらを今回の改修工事で大工が1枚ずつ丁寧に取外し、すべてをDK(ダイニングキッチン)に集めて再度張り直したものです。
着色したものではなく、経年変化によって変色した味わいがとてもいい雰囲気になっています。
このお宅は、築後約50年経過していた建物を譲って頂いた案件です。
よく見る、柱や梁が黒光りしているような重厚な古民家の雰囲気ではありませんが、50年間の経年変化によって柱や梁などが淡いこげ茶色に変化していました。
施主様と一緒に建物をつくりあげていく中で相談し、今回の工事においては木材はあえて着色したりせず、新旧の色合いが混在しているような仕上がりにしています。
施主様ご家族は、この物件に入居されるまでは東京近郊にお住まいだったのですが、
「今後子供を育てる上でも、都心ではなくゆとりのある奈良県の郊外で木造の中古住宅か古民家を取得して、リノベーションした後に入居したい」
というご意向を最初からお持ちでした。
当社では不動産事業は行っていないのですが、地元(奈良県御所市)の近隣であれば、不動産物件を探すためのちょっとしたお手伝いはさせて頂くことがあります。
古民家や古い木造住宅も、快適な高気密・高断熱住宅に改修できます
冒頭のタイトルに書いている通り、上記のお宅は築50年×土壁の家であるにもかかわらず、高気密・高断熱住宅に改修しています。
延床面積 浴室・トイレ・洗面などを含めて約100畳の大きな空間を、14畳用の家庭用エアコンたった1台で全館空調していて、室温は20~24℃程度という快適な温度に保たれています。
このところ、当社ではこのような改修案件のご依頼を頂くことが増えています。
新築なら高気密高断熱住宅はよく見かけるようになってきていると思いますが、古い木造住宅の高気密・高断熱化と、伝統構法・土壁の特性を活かした透湿性能を妨げない耐震改修を同時に行うためには、きちんとした設計・施工のノウハウと経験・技術力が必要です。
当社では、どれだけ暖かく過ごせるのか?を実体験して頂くために、毎年厳冬期に築50年の建物を改修した宿泊施設/東風の宿にて体験見学会を実施しています。
2024年は1/27-28、2/17-18に実施します。
ご興味のある方はぜひお越しください。
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